200スキ記念リク
背中合わせが答えでしょ?:Zoro
Side:Nami
「だっから毎回毎回前に出てくんなつってンだろ!!」
「うるさい!ゾロが前に出すぎなんでしょ!!」
斬撃の音。上がる悲鳴。敵に囲まれてるっていうのに馬鹿みたいに喧嘩を続行するのはゾロとあの子のバカ2人。
「毎回毎回仲いいわね、あんたたち」
「「仲良くねェ!」ない!」
敵を斬りつけながら二人してクワッとこっちを向くものだから、ルフィなんかは大爆笑だし、ウソップなんかは「そのまま全員斬っちまえ」なんてガタガタ震えながら言うものだからまったくもう!
まあ確かに二人で喧嘩してる時は呆れるほど早くたくさんの敵を倒してくれるから助かっているのは確かなんだけど。
「てめえは女の癖に前に出て、俺の敵を斬るんじゃねェよ!!」
「はぁ!?女とか関係ないでしょ!?そもそも私に敵を斬られる方がのろまじゃん!?」
「あァ??誰がのろまだって?」
「アンタよ!!」
ギンッ!!と火花が散るほど刀がぶつかり合って至近距離のにらみ合い。ゾロはもともと脳筋だと思ってたけど、あの子もなかなか無鉄砲で……ウリボーみたいね。あたしが呆れてため息をつくタイミングと、サンジくんが仲裁と言う名の喧嘩を始めるのはいつも同じタイミング。ロビンは楽しそうに笑ってないで止めてよね。
「あんたねえ、どうしてそんなにゾロに突っかかるのよ」
「ゾロが悪いのよ!毎回毎回女だからだって強い敵はぜーんぶ先に倒しちゃって!」
「あんたゾロのこと好きなんでしょ?なら女の子扱いしてもらっていいじゃない?」
「私は女扱いして欲しいんじゃなくて、女としてアイツと一緒に戦いたいの!!」
分かる!?なんて言われたけどあたしは目を瞬かせてしまった。それから脱力して大きなため息。
だってそれはなんていうか、もう。
「しっかりしろ」
久しぶりに苦戦していた戦闘時。後方支援をしていたあたしでさえぼろぼろなのに前線に出て行った仲間は、と土埃で悪い視界の中目を凝らせば聞こえてきたゾロの声。少しずつ晴れていく視界が捉えたのは、ちょうどあの子の後ろを守ったゾロの姿で。
頼りになる剣士の手があの子を立たせれば、トンと背中が合わさった。そしたらあの子は一度は膝をついて息を切らしていたというのに、次の瞬間満面の笑みを浮かべていて。
斬撃の音。上がる悲鳴。その中心で剣を振るう二人はどちらも笑っている。
「……ほんと馬鹿ねぇ」
背中合わせに剣を握って悪人面までお揃い。お互い息も切れていて、全身血まみれなのに戦いが終われば満足そうに笑い合って腕を打ち付け合う姿を毎回見てたら呆れるしかないじゃない?
前に出るなは守れないから、隣に並びたいは一緒に戦いたいから。
背を預けるというのはそもそも信頼がなければできないし、二人とも剣を扱ってるんだからその意味はさらに深いものでしょうにね。
また始まったらしい痴話喧嘩の声に肩を竦めながら、あたしは仕方ないわね、なんて笑った。
リクエスト
「ゾロ相手の片思い、と見せかけて両片思い」
全力で書かせていただきました。甘くはないのでもしイメージと違ったらごめんなさい。
両片思いと言うことで、視点を第三者にさせていただきました。
妙なすれ違いと愛情を楽しんでいただけたら嬉しいです。
千陽さん、リクエストありがとうございました!
Side:Nami
「だっから毎回毎回前に出てくんなつってンだろ!!」
「うるさい!ゾロが前に出すぎなんでしょ!!」
斬撃の音。上がる悲鳴。敵に囲まれてるっていうのに馬鹿みたいに喧嘩を続行するのはゾロとあの子のバカ2人。
「毎回毎回仲いいわね、あんたたち」
「「仲良くねェ!」ない!」
敵を斬りつけながら二人してクワッとこっちを向くものだから、ルフィなんかは大爆笑だし、ウソップなんかは「そのまま全員斬っちまえ」なんてガタガタ震えながら言うものだからまったくもう!
まあ確かに二人で喧嘩してる時は呆れるほど早くたくさんの敵を倒してくれるから助かっているのは確かなんだけど。
「てめえは女の癖に前に出て、俺の敵を斬るんじゃねェよ!!」
「はぁ!?女とか関係ないでしょ!?そもそも私に敵を斬られる方がのろまじゃん!?」
「あァ??誰がのろまだって?」
「アンタよ!!」
ギンッ!!と火花が散るほど刀がぶつかり合って至近距離のにらみ合い。ゾロはもともと脳筋だと思ってたけど、あの子もなかなか無鉄砲で……ウリボーみたいね。あたしが呆れてため息をつくタイミングと、サンジくんが仲裁と言う名の喧嘩を始めるのはいつも同じタイミング。ロビンは楽しそうに笑ってないで止めてよね。
「あんたねえ、どうしてそんなにゾロに突っかかるのよ」
「ゾロが悪いのよ!毎回毎回女だからだって強い敵はぜーんぶ先に倒しちゃって!」
「あんたゾロのこと好きなんでしょ?なら女の子扱いしてもらっていいじゃない?」
「私は女扱いして欲しいんじゃなくて、女としてアイツと一緒に戦いたいの!!」
分かる!?なんて言われたけどあたしは目を瞬かせてしまった。それから脱力して大きなため息。
だってそれはなんていうか、もう。
「しっかりしろ」
久しぶりに苦戦していた戦闘時。後方支援をしていたあたしでさえぼろぼろなのに前線に出て行った仲間は、と土埃で悪い視界の中目を凝らせば聞こえてきたゾロの声。少しずつ晴れていく視界が捉えたのは、ちょうどあの子の後ろを守ったゾロの姿で。
頼りになる剣士の手があの子を立たせれば、トンと背中が合わさった。そしたらあの子は一度は膝をついて息を切らしていたというのに、次の瞬間満面の笑みを浮かべていて。
斬撃の音。上がる悲鳴。その中心で剣を振るう二人はどちらも笑っている。
「……ほんと馬鹿ねぇ」
背中合わせに剣を握って悪人面までお揃い。お互い息も切れていて、全身血まみれなのに戦いが終われば満足そうに笑い合って腕を打ち付け合う姿を毎回見てたら呆れるしかないじゃない?
前に出るなは守れないから、隣に並びたいは一緒に戦いたいから。
背を預けるというのはそもそも信頼がなければできないし、二人とも剣を扱ってるんだからその意味はさらに深いものでしょうにね。
また始まったらしい痴話喧嘩の声に肩を竦めながら、あたしは仕方ないわね、なんて笑った。
リクエスト
「ゾロ相手の片思い、と見せかけて両片思い」
全力で書かせていただきました。甘くはないのでもしイメージと違ったらごめんなさい。
両片思いと言うことで、視点を第三者にさせていただきました。
妙なすれ違いと愛情を楽しんでいただけたら嬉しいです。
千陽さん、リクエストありがとうございました!
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