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ss 好意

「あの、ハルタさん」
「うん」
「いや、うんじゃなくて」

ベッドの上。後ろから抱きしめられる形で座っている私は身動きが取れずにいた。肩に預けられた頭は時折グリグリと押し付けられて猫みたいで可愛いといえば可愛いのだけれど、腰に回された腕の力が可愛くない。逃す気のないそれは試しに身じろぎしようものなら容赦なく力が込められうっかり内臓が出そうになったのはつい先ほどだ。

ならば説得あるのみと声をかけるも返事はうん、ばかり。どうしたものかと思わずため息を零せば「ねえ」と顔が上がる気配。やっとで満足したのかと顔を動かせば器用にもそれに合わされて重なったのは唇。
驚いて身を引こうにもいつのまにか後頭部に回された手によって阻まれて、深くはないのに、鳥の戯れのように何度も重ねられるそれは浅い呼吸しか許してくれない。

「はるた、さ……っ!」

酸素不足で苦しくってそのうちに力が抜ければ力強く支えられて。

「大人しくしてて」

言われるまでもなく、もう私に抵抗する気力はなかった。
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