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ss 好意

「お前俺以外の男と喋るの禁止」
「へ?」

急に真面目な顔で何を言われるかと思えばそんなこと。そばかすが浮かぶ頬を心なしか膨らませてそれだけ言うとエースは「言ったからな!!」とどこかへ行ってしまった。

「……そんなこと言われても」

ここは船の上だし家族はほぼ男だし、ナースとだけ話せというのか。いや話すなという事だから筆談ならいいんだろうかと真面目に考えていればどうしたのかと家族に聞かれて。

「実は、」

口を開いた瞬間腕を引かれた。次の瞬間には圧迫感。潰さんと言わんばかりの力に訳もわからず踠いていれば落とされたのはまた不機嫌な声で。

「話すの禁止って言っただろ」

あれ、さっきどっかに言ったはずじゃ。そんな言葉は怒っているような不機嫌なようなそんな変な目に睨まれて言えない。代わりに「どうして?」と理由を聞けば、ぱかっといつも大量のご飯を頬張る大きな口が開かれて、ぱくり。食べられたのは私である。

「……分かったろ」
「はい……」

唇を軽く噛まれて離れたそれに呆然としていれば額を指で弾かれた。

分かったけど、話さないのは無理だよ。馬鹿正直な私はまた不機嫌な顔で食われた。
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