晴れと猫
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平安の世、呪術最盛の時代____
呪術師も呪霊も今より遥かに強者が集っていた呪いの世界にて。
とある呪術師と、人の言葉を話す呪霊が恋に落ちた。
もちろん周りに快く思う者はおらず、その呪術師は駆け落ち同然に京の都から姿を消した。
敵同士である呪霊と人の恋など到底許されるはずもなく、呪術師の精鋭による追手もかけられたが、二人が見つかることは無かったという。
そして、数年の月日が経ったある時____
とある山奥の里で、その呪術師と呪霊が子を成しているのが見つかった。
呪霊と人の間に子供など産まれないはずなのに。
どういう訳かその二人は子孫を為し、里の者は呪霊を守り神として崇め奉っていた。
実際、二人は里を他の呪霊による襲撃から守護しており、かの"両面宿儺 "とも戦い鬼神を退けていた。
これに目を付けた京の呪術師達が、その子孫を呪術界に招き入れたのが猫宮家の始まりと云われている。
__________
「それじゃあ……僕には呪霊の血が混じってるってこと?」
初めて聞いた自分の先祖の話。
色々と驚く部分もあったけれど、真人と愛し合ってる僕は先祖と似ているなと感じた。
でも、呪霊と人間の間には子供なんて出来ないはず。
「実際、猫宮家の他に"呪胎九相図 "という呪霊と人の間に生まれた呪物が存在しているんだ。
それらは特級呪物として保管されているから、何もありえない話じゃない」
僕の疑問を読み取ってか五条先生が補足してくれる。
それは他に例があるからいいとして、僕には他に気になる部分があった。
「あと、両面宿儺って話に出てきたけど……」
「両面宿儺は千年前の平安時代、当時の呪術師達が総力をあげて討伐しようとして返り討ちにされた仮想の鬼神だね。
だけど、実際は人間の呪術師だったんだ。最凶の呪術師として今もなお、死蝋と化した指が特級呪物として残ってるよ」
「へぇ……」
「あれ?反応が薄いね、もしかして知っていたのかな?」
説明してくれた五条先生の疑問に僕は首を横に振った。
確かに、前世の知識として両面宿儺を知ってはいたけどまさか自分の先祖とも関係あるとは思わなかった。
両面宿儺って呪術廻戦の話の中でもラスボス的な存在だよね。
そんなのと僕の先祖は戦ってたのか。
「ご先祖様にあたる呪霊は、吹雪と氷河に対する畏怖から生まれた呪いらしいの」
「父さんはそれを知っていて母さんと結婚した……だから、紫苑は父さん達の大事な子供なんだよ」
呪霊の血が混じっていても二人は僕を大事に思ってくれている。
僕は驚いただけで別に呪霊の血が入ってるとか気にしてないけど。
親からの愛情はなんだか暖かくて、なんだか胸の辺りがこそばゆかった。
「いいねぇ、これぞ親子愛ってやつかな?そうそう、紫苑君の術式についてですが」
五条先生が僕の術式の説明を始めた。
両親にも術式について聞きたいことがあるのかな。
「紫苑君の術式は物を崩壊させる術式です。これは猫宮相伝の術式ですか?」
「記録によると、猫宮の術式は気象操作系でしたから……違うと思います」
「そうですか……いえ、念の為確認させてもらっただけですよ」
呪術師の家系には相伝の術式が受け継がれていることがある。
どうやら、僕は猫宮の術式を受け継がなかったらしい。
それでも"崩壊"の術式はかなり強い部類には入ると思う。
現に、呪術を学んで一年未満の僕が特級呪術師に認定されたわけだし。
五条先生の六眼や術式も相伝らしいけど、特に残念がる様子もなく先生は話を続けた。
「……ただ厄介なことに、上層部が紫苑君を危険視していましてね。
途絶えたはずの猫宮の呪術師。それも特級ですから、何か仕掛けてくるかもしれません」
それは暗に暗殺の危険があるとの事で。
「そういえば……僕に回されていた任務の危険度が高かったのも、上層部の陰謀ですか?」
「その可能性は高いだろうね。まぁ、僕が同行していたとはいえ紫苑ったら全部一人で片付けちゃうんだもん。
だから、上の連中も紫苑を特級に認定するしかなかったんじゃないかな」
その話を聞いて母が『そんなっ……』と悲しそうに俯き、父が励ますように母の肩を抱いた。
そんな両親の様子を見た五条先生は____
「____しかし、ご安心を。
呪術高専に入学したからにはこの私が責任もって紫苑君を守りますから。これまでと同じように、ね」
呪術師も呪霊も今より遥かに強者が集っていた呪いの世界にて。
とある呪術師と、人の言葉を話す呪霊が恋に落ちた。
もちろん周りに快く思う者はおらず、その呪術師は駆け落ち同然に京の都から姿を消した。
敵同士である呪霊と人の恋など到底許されるはずもなく、呪術師の精鋭による追手もかけられたが、二人が見つかることは無かったという。
そして、数年の月日が経ったある時____
とある山奥の里で、その呪術師と呪霊が子を成しているのが見つかった。
呪霊と人の間に子供など産まれないはずなのに。
どういう訳かその二人は子孫を為し、里の者は呪霊を守り神として崇め奉っていた。
実際、二人は里を他の呪霊による襲撃から守護しており、かの"
これに目を付けた京の呪術師達が、その子孫を呪術界に招き入れたのが猫宮家の始まりと云われている。
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「それじゃあ……僕には呪霊の血が混じってるってこと?」
初めて聞いた自分の先祖の話。
色々と驚く部分もあったけれど、真人と愛し合ってる僕は先祖と似ているなと感じた。
でも、呪霊と人間の間には子供なんて出来ないはず。
「実際、猫宮家の他に"
それらは特級呪物として保管されているから、何もありえない話じゃない」
僕の疑問を読み取ってか五条先生が補足してくれる。
それは他に例があるからいいとして、僕には他に気になる部分があった。
「あと、両面宿儺って話に出てきたけど……」
「両面宿儺は千年前の平安時代、当時の呪術師達が総力をあげて討伐しようとして返り討ちにされた仮想の鬼神だね。
だけど、実際は人間の呪術師だったんだ。最凶の呪術師として今もなお、死蝋と化した指が特級呪物として残ってるよ」
「へぇ……」
「あれ?反応が薄いね、もしかして知っていたのかな?」
説明してくれた五条先生の疑問に僕は首を横に振った。
確かに、前世の知識として両面宿儺を知ってはいたけどまさか自分の先祖とも関係あるとは思わなかった。
両面宿儺って呪術廻戦の話の中でもラスボス的な存在だよね。
そんなのと僕の先祖は戦ってたのか。
「ご先祖様にあたる呪霊は、吹雪と氷河に対する畏怖から生まれた呪いらしいの」
「父さんはそれを知っていて母さんと結婚した……だから、紫苑は父さん達の大事な子供なんだよ」
呪霊の血が混じっていても二人は僕を大事に思ってくれている。
僕は驚いただけで別に呪霊の血が入ってるとか気にしてないけど。
親からの愛情はなんだか暖かくて、なんだか胸の辺りがこそばゆかった。
「いいねぇ、これぞ親子愛ってやつかな?そうそう、紫苑君の術式についてですが」
五条先生が僕の術式の説明を始めた。
両親にも術式について聞きたいことがあるのかな。
「紫苑君の術式は物を崩壊させる術式です。これは猫宮相伝の術式ですか?」
「記録によると、猫宮の術式は気象操作系でしたから……違うと思います」
「そうですか……いえ、念の為確認させてもらっただけですよ」
呪術師の家系には相伝の術式が受け継がれていることがある。
どうやら、僕は猫宮の術式を受け継がなかったらしい。
それでも"崩壊"の術式はかなり強い部類には入ると思う。
現に、呪術を学んで一年未満の僕が特級呪術師に認定されたわけだし。
五条先生の六眼や術式も相伝らしいけど、特に残念がる様子もなく先生は話を続けた。
「……ただ厄介なことに、上層部が紫苑君を危険視していましてね。
途絶えたはずの猫宮の呪術師。それも特級ですから、何か仕掛けてくるかもしれません」
それは暗に暗殺の危険があるとの事で。
「そういえば……僕に回されていた任務の危険度が高かったのも、上層部の陰謀ですか?」
「その可能性は高いだろうね。まぁ、僕が同行していたとはいえ紫苑ったら全部一人で片付けちゃうんだもん。
だから、上の連中も紫苑を特級に認定するしかなかったんじゃないかな」
その話を聞いて母が『そんなっ……』と悲しそうに俯き、父が励ますように母の肩を抱いた。
そんな両親の様子を見た五条先生は____
「____しかし、ご安心を。
呪術高専に入学したからにはこの私が責任もって紫苑君を守りますから。これまでと同じように、ね」