晴れと猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「紫苑はこの後、応接室に寄ってくれる?君のご両親が来てるんだ」
二年の教室を出れば五条先生にそう話しかけられる。
両親は一度、春休みに入学手続きの件で帰国している。
仕事が忙しいからってまたすぐに海外に行っちゃったけど、僕の入学式を見に来たわけではなさそうだ。
「わざわざ高専まで来るなんて何かあったのかな……」
「大事な話があるって聞いてるよ。面談には先生も参加するから、恵は先に教室に戻ってて」
「分かりました」
恵は僕の方をチラリと見やると、一年の教室の方に向かって歩き出した。
恵とはいったんここで別れ僕と五条先生は応接室に向かった。
__________
五条先生に連れられ、応接室と札がかけられた部屋の前まで来た。
和風建築らしい横開きの扉を開ければ、部屋の中で待っていた人達が出迎えてくれた。
「紫苑……!良かった、元気そうね」
「紫苑、久しぶりだね。どうかな、新しい高校には馴染めそうかい?」
長い黒髪に小柄で優しそうな日本人の女性。
柔らかい亜麻色の髪に眼鏡をかけた、背の高いイギリス人の男性。
二人が今世での僕の両親だった。
「母さんに父さん……うん。でも、急に会いに来るなんていったいどうしたの?」
ソファから立ち上がった母に抱きしめられ、父に頭を撫でられる。
久しぶりに会った両親は元気そうで僕は思わず気が緩んだ。
前世の記憶があるから今世の両親とは少し距離を置いているけど、それでも親からの愛情は心地いいものだった。
「いやー、家族団欒って感じでいいね!
紫苑君のお父さんとお母さん、この度は呪術高専までご足労おかけしました」
五条先生はニコニコしながら僕達のやり取りを眺めている。
僕の両親の前だからか、一応教師として砕けた物言いはせずにちゃんと対応していた。
「こちらこそお忙しい中、時間を取ってくださって感謝しています。どうしても五条さんにも聞いて頂きたくて……」
「いえいえ!僕の受け持つ生徒のことですから!お時間は気にされなくて大丈夫ですよ」
母は少し言いづらそうに口ごもった。
わざわざ時間を取ってもらったということは何か大事な話でもあるのかな。
五条先生に促され、さっきの和やかな雰囲気とは変わり真剣な表情で母は話しはじめた。
「その、話というのは……私の血縁である"猫宮家"についてなんです」
「呪術界の御三家である、五条家当主様にも聞いて頂きたいのです」
母は猫宮家という言葉を口にした。
続いて父が話したのは呪術界のことで。
両親は呪術師ではないはずなのに、まるで呪術の存在を知っているかのような口ぶりに僕は驚く。
「えっ!父さんと母さんも呪術師を知ってるの……?」
「……実は、父さん達は英国教会所属の呪術師なんだ。
英国では祓魔師 とも呼ばれていてね、海外で呪霊を討伐するのが仕事なんだよ」
「私は日本の呪術師の家系だけど……呪力が少なくて呪霊を見ることが出来ないの。だから、助手としてお父さんを手伝ってるのよ」
両親の本当の職業に僕は思わず放心する。
ずっと海外に出張していたのは変だと思っていたけど、特に詳しく聞くこともなかった。
そんな僕の様子に構うことなく、大人達は話を続けた。
「私には呪力がほぼないから、猫宮の血も私で途絶えたと思ってたのに。
まさか、紫苑に呪術師の才能があったなんて……」
「……子供は意外と大人の反応を気にしますからね。呪霊が見えていることも黙っていたのでしょう」
『もっと早く気づいていたら一人にしなかったのに……』と、母は慰めるかのように僕を抱きしめた。
五条先生もいるし少し恥ずかしくなってくる。
と、その様子を眺めながら先生が猫宮家について口にした。
「……猫宮家は呪術界でも知られています。
近頃は猫宮から呪術師が誕生していなかったとはいえ、まだ有名ではあるでしょうね」
そういえば、去年戦った夏油も猫宮家を知っている様子だった。
夏油は悪い意味で有名だと言ってたけれど。
「ねぇ、猫宮家って何なの?普通の呪術師の家系じゃないの?」
僕は思わず大人達の会話に割って入る。
不安に思いながら聞いてみれば、母が話しはじめた。
「そうね、今から話すわ____」
二年の教室を出れば五条先生にそう話しかけられる。
両親は一度、春休みに入学手続きの件で帰国している。
仕事が忙しいからってまたすぐに海外に行っちゃったけど、僕の入学式を見に来たわけではなさそうだ。
「わざわざ高専まで来るなんて何かあったのかな……」
「大事な話があるって聞いてるよ。面談には先生も参加するから、恵は先に教室に戻ってて」
「分かりました」
恵は僕の方をチラリと見やると、一年の教室の方に向かって歩き出した。
恵とはいったんここで別れ僕と五条先生は応接室に向かった。
__________
五条先生に連れられ、応接室と札がかけられた部屋の前まで来た。
和風建築らしい横開きの扉を開ければ、部屋の中で待っていた人達が出迎えてくれた。
「紫苑……!良かった、元気そうね」
「紫苑、久しぶりだね。どうかな、新しい高校には馴染めそうかい?」
長い黒髪に小柄で優しそうな日本人の女性。
柔らかい亜麻色の髪に眼鏡をかけた、背の高いイギリス人の男性。
二人が今世での僕の両親だった。
「母さんに父さん……うん。でも、急に会いに来るなんていったいどうしたの?」
ソファから立ち上がった母に抱きしめられ、父に頭を撫でられる。
久しぶりに会った両親は元気そうで僕は思わず気が緩んだ。
前世の記憶があるから今世の両親とは少し距離を置いているけど、それでも親からの愛情は心地いいものだった。
「いやー、家族団欒って感じでいいね!
紫苑君のお父さんとお母さん、この度は呪術高専までご足労おかけしました」
五条先生はニコニコしながら僕達のやり取りを眺めている。
僕の両親の前だからか、一応教師として砕けた物言いはせずにちゃんと対応していた。
「こちらこそお忙しい中、時間を取ってくださって感謝しています。どうしても五条さんにも聞いて頂きたくて……」
「いえいえ!僕の受け持つ生徒のことですから!お時間は気にされなくて大丈夫ですよ」
母は少し言いづらそうに口ごもった。
わざわざ時間を取ってもらったということは何か大事な話でもあるのかな。
五条先生に促され、さっきの和やかな雰囲気とは変わり真剣な表情で母は話しはじめた。
「その、話というのは……私の血縁である"猫宮家"についてなんです」
「呪術界の御三家である、五条家当主様にも聞いて頂きたいのです」
母は猫宮家という言葉を口にした。
続いて父が話したのは呪術界のことで。
両親は呪術師ではないはずなのに、まるで呪術の存在を知っているかのような口ぶりに僕は驚く。
「えっ!父さんと母さんも呪術師を知ってるの……?」
「……実は、父さん達は英国教会所属の呪術師なんだ。
英国では
「私は日本の呪術師の家系だけど……呪力が少なくて呪霊を見ることが出来ないの。だから、助手としてお父さんを手伝ってるのよ」
両親の本当の職業に僕は思わず放心する。
ずっと海外に出張していたのは変だと思っていたけど、特に詳しく聞くこともなかった。
そんな僕の様子に構うことなく、大人達は話を続けた。
「私には呪力がほぼないから、猫宮の血も私で途絶えたと思ってたのに。
まさか、紫苑に呪術師の才能があったなんて……」
「……子供は意外と大人の反応を気にしますからね。呪霊が見えていることも黙っていたのでしょう」
『もっと早く気づいていたら一人にしなかったのに……』と、母は慰めるかのように僕を抱きしめた。
五条先生もいるし少し恥ずかしくなってくる。
と、その様子を眺めながら先生が猫宮家について口にした。
「……猫宮家は呪術界でも知られています。
近頃は猫宮から呪術師が誕生していなかったとはいえ、まだ有名ではあるでしょうね」
そういえば、去年戦った夏油も猫宮家を知っている様子だった。
夏油は悪い意味で有名だと言ってたけれど。
「ねぇ、猫宮家って何なの?普通の呪術師の家系じゃないの?」
僕は思わず大人達の会話に割って入る。
不安に思いながら聞いてみれば、母が話しはじめた。
「そうね、今から話すわ____」