晴れと猫
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受け取った制服に着替え寮から出る。
そのまま校舎に戻るのかと思いきや、五条先生は別の建物に向かって歩き出した。
「五条先生、校舎に戻らないんですか?」
「教室に戻る前に寄らないといけない場所があってね。
制服にも着替えたし、紫苑にはこれから学長の面接を受けてもらうよ」
「入学はもう決まってるのに?」
「まぁ、呪術師になる覚悟があるかの最終確認みたいなもんさ」
東京の呪術高専学長____夜蛾 正道とは以前にも会ったことがあった。
『ガッデム!』なんて言うものだから、つい前世の笑ってはいけない○○を思い出したけど。
それでも、面接となると僕がここに来た目的がバレないか緊張する。
「そう気を張るな。紫苑なら多分大丈夫だろ」
「多分なんだ……でも、ありがとう恵。僕、頑張ってくるね」
不器用な恵なりに励ましてくれているのかな。
励ましてくれたのが嬉しくてお礼を言えば、恵はぷいと向こうを向いてしまった。
仲良くなるにはまだ少しかかるみたい。
黒髪の隙間からふと見えた耳が少し赤くなっているのが気になったけれど。
「あっれ〜?恵さぁ、せっかく紫苑がお礼を言ってくれてるんだから返事くらいしないと」
「うるさいですよ」
それを聞く前に五条先生が茶化してきた。
恵の気遣いに緊張も緩んできたところで、お堂のような建物に着く。
先生が正面の重厚な扉を開けば____
「来たか、新入生。悟はまた遅刻したな」
そこにはたくさんの可愛いぬいぐるみに囲まれた、おおよそその場に似合ってない強面の夜蛾学長がいた。
手元には作っている最中であろう、モルモットのような、車のような不思議な生き物の羊毛フェルトがある。
「あのフェルトのモルモット……ぷいぷい鳴きそう」
「?これがどうかしたか?」
「あ、何だかどこかで見たことがあるような気がして」
既視感の正体は分からないけど、もしかしたら前世の知識にもあるのかもしれない。
そして、絶対に笑ってはいけない面接が始まった。
「お久しぶりです、夜蛾学長」
「お前から高専入学希望の話を聞いた時は驚いたぞ。まさか、悟に何かされたんじゃないだろうな?」
「いえ、ちゃんと自分の意思で入学申請書を出しましたよ」
「そうですよ学長!
真っ先に僕を疑うのはやめて欲しいですね……まぁ?紫苑が高専に来たのは僕目当てなので、僕のせいというのは正しいですけどっ」
何故か得意げに話す五条先生。
呪術界からは最強と謳われているから憧れられるなんて慣れてそうなのに、とても嬉しそうだった。
夜蛾学長はしばらく先生をジト目で見たあとまた僕に質問を投げかけてきた。
「単刀直入に聞こう。お前はここに何をしに来た?」
「呪術師になる為です」
「ふぅむ。言い方を変えよう、猫宮 (名前)……何故、呪術師になりたい?
お前には呪術師にならずとも平穏な暮らしがあっただろう?」
夜蛾学長の言う通り、本当なら呪術師になるつもりなんてなかった。
あのまま真人と暮らしていきたいという気持ちはあったし、何より呪術師の仕事がどれだけ大変なのかも知っている。
高専は離反者が出るほど精神的にも肉体的にもキツいから、転生者の僕としては関わりたくない職業だった。
それでも、僕がここに来たのは全て飼い猫の為で。
「それは……僕には強くなって守りたい人がいるから。今のままじゃ本当に大切な人を守りきれない。
だから……誰にも負けないよう"最強"に近づきたいんです!」
夏油に襲われた時のことを思い出し、つい声を荒らげてしまった。
僕の真剣な眼差しと答えに夜蛾学長は考えるような仕草をしてみせ。
「力を求めるものは力に溺れがちだ。お前にそれを制する能力があるのか……証明してみせろ」
「__っ!!」
突然、夜蛾学長の側にいた兎のぬいぐるみが殴りかかってきた。
咄嗟に後ろに跳んで攻撃を回避しても、すぐに突進してくる。
それを術式を使わずいなしていれば。
「……なぜ術式を使わない?お前の術式なら私の呪骸を壊すことも簡単だろう」
呪力で強化した腕で兎の呪骸を抑え込む。
兎はしばらく暴れようとした後、くったりと動かなくなった。
「……夜蛾学長が一生懸命作った物を壊したくありませんから。この子含め、ここにある物は全部学長の手作りなんでしょう?」
「フッ……合格だ。お前ならいい呪術師になれる」
夜蛾学長が微笑み合格を告げると、兎の呪骸から呪力が消え失せた。
そして、見守っていた五条先生と恵が側にやってくる。
「おめでとう!紫苑なら大丈夫だって先生信じてたよ〜!」
「良かったな、紫苑」
そのまま校舎に戻るのかと思いきや、五条先生は別の建物に向かって歩き出した。
「五条先生、校舎に戻らないんですか?」
「教室に戻る前に寄らないといけない場所があってね。
制服にも着替えたし、紫苑にはこれから学長の面接を受けてもらうよ」
「入学はもう決まってるのに?」
「まぁ、呪術師になる覚悟があるかの最終確認みたいなもんさ」
東京の呪術高専学長____夜蛾 正道とは以前にも会ったことがあった。
『ガッデム!』なんて言うものだから、つい前世の笑ってはいけない○○を思い出したけど。
それでも、面接となると僕がここに来た目的がバレないか緊張する。
「そう気を張るな。紫苑なら多分大丈夫だろ」
「多分なんだ……でも、ありがとう恵。僕、頑張ってくるね」
不器用な恵なりに励ましてくれているのかな。
励ましてくれたのが嬉しくてお礼を言えば、恵はぷいと向こうを向いてしまった。
仲良くなるにはまだ少しかかるみたい。
黒髪の隙間からふと見えた耳が少し赤くなっているのが気になったけれど。
「あっれ〜?恵さぁ、せっかく紫苑がお礼を言ってくれてるんだから返事くらいしないと」
「うるさいですよ」
それを聞く前に五条先生が茶化してきた。
恵の気遣いに緊張も緩んできたところで、お堂のような建物に着く。
先生が正面の重厚な扉を開けば____
「来たか、新入生。悟はまた遅刻したな」
そこにはたくさんの可愛いぬいぐるみに囲まれた、おおよそその場に似合ってない強面の夜蛾学長がいた。
手元には作っている最中であろう、モルモットのような、車のような不思議な生き物の羊毛フェルトがある。
「あのフェルトのモルモット……ぷいぷい鳴きそう」
「?これがどうかしたか?」
「あ、何だかどこかで見たことがあるような気がして」
既視感の正体は分からないけど、もしかしたら前世の知識にもあるのかもしれない。
そして、絶対に笑ってはいけない面接が始まった。
「お久しぶりです、夜蛾学長」
「お前から高専入学希望の話を聞いた時は驚いたぞ。まさか、悟に何かされたんじゃないだろうな?」
「いえ、ちゃんと自分の意思で入学申請書を出しましたよ」
「そうですよ学長!
真っ先に僕を疑うのはやめて欲しいですね……まぁ?紫苑が高専に来たのは僕目当てなので、僕のせいというのは正しいですけどっ」
何故か得意げに話す五条先生。
呪術界からは最強と謳われているから憧れられるなんて慣れてそうなのに、とても嬉しそうだった。
夜蛾学長はしばらく先生をジト目で見たあとまた僕に質問を投げかけてきた。
「単刀直入に聞こう。お前はここに何をしに来た?」
「呪術師になる為です」
「ふぅむ。言い方を変えよう、猫宮 (名前)……何故、呪術師になりたい?
お前には呪術師にならずとも平穏な暮らしがあっただろう?」
夜蛾学長の言う通り、本当なら呪術師になるつもりなんてなかった。
あのまま真人と暮らしていきたいという気持ちはあったし、何より呪術師の仕事がどれだけ大変なのかも知っている。
高専は離反者が出るほど精神的にも肉体的にもキツいから、転生者の僕としては関わりたくない職業だった。
それでも、僕がここに来たのは全て飼い猫の為で。
「それは……僕には強くなって守りたい人がいるから。今のままじゃ本当に大切な人を守りきれない。
だから……誰にも負けないよう"最強"に近づきたいんです!」
夏油に襲われた時のことを思い出し、つい声を荒らげてしまった。
僕の真剣な眼差しと答えに夜蛾学長は考えるような仕草をしてみせ。
「力を求めるものは力に溺れがちだ。お前にそれを制する能力があるのか……証明してみせろ」
「__っ!!」
突然、夜蛾学長の側にいた兎のぬいぐるみが殴りかかってきた。
咄嗟に後ろに跳んで攻撃を回避しても、すぐに突進してくる。
それを術式を使わずいなしていれば。
「……なぜ術式を使わない?お前の術式なら私の呪骸を壊すことも簡単だろう」
呪力で強化した腕で兎の呪骸を抑え込む。
兎はしばらく暴れようとした後、くったりと動かなくなった。
「……夜蛾学長が一生懸命作った物を壊したくありませんから。この子含め、ここにある物は全部学長の手作りなんでしょう?」
「フッ……合格だ。お前ならいい呪術師になれる」
夜蛾学長が微笑み合格を告げると、兎の呪骸から呪力が消え失せた。
そして、見守っていた五条先生と恵が側にやってくる。
「おめでとう!紫苑なら大丈夫だって先生信じてたよ〜!」
「良かったな、紫苑」