晴れと猫
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それからしばらく経った七月。
梅雨も明けて夏空が眩しいある日の放課後____
部活動もないし家に帰ろうとしたら……前に僕をイジめていた奴らに体育館裏に拉致された。
人通りが少ない時間帯を狙ったのか、抵抗も虚しくそのまま不良たちに連れていかれる。
これから何をされるのか考えただけで嫌な予感がした。
「な、なんだよ……今さら僕に何の用?」
内心、酷く怯えながら要件を聞けば。
ソイツらは紫苑君に復讐するつもりらしく……僕に紫苑君を呼び出すよう言ってきた。
なんでも、前に紫苑君と一緒に遊んでいたところを見られていたらしい。
こいつらなんかに紫苑君は汚させない。
不良たちの要求を断れば、そいつらは三人で寄ってたかって僕を壁に押さえつける。
そして……火のついた煙草を僕の額に思い切り押し付けてきた。
僕は思わず声にならない悲鳴をあげるけど、伊藤なんかに負けたくなくて思い切り睨み返してやった。
そんな反抗的な態度を見てイラついたのか、伊藤は更に何度も煙草を押し付けてくる。
それでも、痛みに悶えながら反抗し続けたら諦めて去っていったけど。
未だに熱が疼く額を押えれば、悔しくて、悲しくて……気がついたら紫苑君に『助けて』というメッセージを送っていた。
冷や汗が吹き出る体を引きずり、初めて紫苑君に手当してもらった河原に向かう。
そこの近くの橋の下に蹲り震える体を抱きしめていたら____
「____順平ッ!!はぁ、はぁ、大丈夫……?」
息を切らした紫苑君が僕の前に現れた。
きっと、僕のメッセージを見て走って駆けつけてきてくれたんだろう。
紫苑君の姿を見たら安心してボロボロと涙が零れ落ちてしまう。
そんな情けない僕を紫苑君は優しく抱きしめてくれて__家にまで招いてくれた。
「……順平、少し目を閉じててくれる?
____"輪廻再生"」
火傷の手当てをしてくれるというので、言われた通りに目を瞑れば。
紫苑君が何かを呟いたあとに暖かい光を額に感じた。
それは優しい羽毛に包まれているような感触で、痛みも徐々に引いていく。
次に目を開けた時にはもう火傷の跡も綺麗さっぱり無くなっていて。
僕が驚いて『紫苑君って魔法使いなの?』と馬鹿げた質問をすると、紫苑君は苦笑した。
_____魔法使いじゃないなら、やっぱり天使とか?
柔らかい印象や可憐で美しい見た目もそうだし、きっと、紫苑君は僕を助けてくれる天使なんだ。
そんな彼が僕を心配してくれている事実に心が嬉しくなる。
「その、本当にありがとう……!」
今度は嬉しくて泣きそうになれば、紫苑君にぎゅっと抱きしめられた。
男の子だとは思えないほどの華奢な肩に、なんだか甘くていい匂いもするな、なんて思えば心臓がドキドキしてくる。
緊張しながらも僕も紫苑君を抱きしめ返そうとしたら__
「____うにゃっ!!」
「いたっ……!え、何……?」
灰色の毛並みに青と灰のオッドアイ、紫苑君の恋人にそっくりな猫に思い切り猫パンチされた。
本当は普通に痛かったんだけど、僕に謝る紫苑君に申し訳なくて『全然痛くないから平気だよ』なんて嘘をついてしまった。
__________
映画館キネマシネマ____
上映が始まり暗くなる館内。
あれから僕は不登校になって、日中は映画館に通うようになった。
だけど、今日は運悪くあの不良共もいて、観客が少ないのをいいことにバカ騒ぎを始める。
でも、僕にはソイツらを注意する勇気もない。
前のように反抗したところで力を持たない僕は暴力でねじ伏せられるだけだし。
できる限り映画の内容に集中しようとただイライラしながら見ていると__
「君達____マナーは守ろうね」
暗くてよく見えなかったけど。
誰かが不良達の肩に手を置くと、不良は歪に変形して動かなくなった。
異様な現状に驚きつつも、僕は犯人であろう人物を追いかける。
やっと追いついたところでその人物に声をかければ、彼は妖艶な笑みを浮かべながら振り返り__
「____あの、映画館の……アナタがやったんですか?」
「へぇ、君……順平だっけ?やったのが俺なら……、
____どうする?」
__________
梅雨も明けて夏空が眩しいある日の放課後____
部活動もないし家に帰ろうとしたら……前に僕をイジめていた奴らに体育館裏に拉致された。
人通りが少ない時間帯を狙ったのか、抵抗も虚しくそのまま不良たちに連れていかれる。
これから何をされるのか考えただけで嫌な予感がした。
「な、なんだよ……今さら僕に何の用?」
内心、酷く怯えながら要件を聞けば。
ソイツらは紫苑君に復讐するつもりらしく……僕に紫苑君を呼び出すよう言ってきた。
なんでも、前に紫苑君と一緒に遊んでいたところを見られていたらしい。
こいつらなんかに紫苑君は汚させない。
不良たちの要求を断れば、そいつらは三人で寄ってたかって僕を壁に押さえつける。
そして……火のついた煙草を僕の額に思い切り押し付けてきた。
僕は思わず声にならない悲鳴をあげるけど、伊藤なんかに負けたくなくて思い切り睨み返してやった。
そんな反抗的な態度を見てイラついたのか、伊藤は更に何度も煙草を押し付けてくる。
それでも、痛みに悶えながら反抗し続けたら諦めて去っていったけど。
未だに熱が疼く額を押えれば、悔しくて、悲しくて……気がついたら紫苑君に『助けて』というメッセージを送っていた。
冷や汗が吹き出る体を引きずり、初めて紫苑君に手当してもらった河原に向かう。
そこの近くの橋の下に蹲り震える体を抱きしめていたら____
「____順平ッ!!はぁ、はぁ、大丈夫……?」
息を切らした紫苑君が僕の前に現れた。
きっと、僕のメッセージを見て走って駆けつけてきてくれたんだろう。
紫苑君の姿を見たら安心してボロボロと涙が零れ落ちてしまう。
そんな情けない僕を紫苑君は優しく抱きしめてくれて__家にまで招いてくれた。
「……順平、少し目を閉じててくれる?
____"輪廻再生"」
火傷の手当てをしてくれるというので、言われた通りに目を瞑れば。
紫苑君が何かを呟いたあとに暖かい光を額に感じた。
それは優しい羽毛に包まれているような感触で、痛みも徐々に引いていく。
次に目を開けた時にはもう火傷の跡も綺麗さっぱり無くなっていて。
僕が驚いて『紫苑君って魔法使いなの?』と馬鹿げた質問をすると、紫苑君は苦笑した。
_____魔法使いじゃないなら、やっぱり天使とか?
柔らかい印象や可憐で美しい見た目もそうだし、きっと、紫苑君は僕を助けてくれる天使なんだ。
そんな彼が僕を心配してくれている事実に心が嬉しくなる。
「その、本当にありがとう……!」
今度は嬉しくて泣きそうになれば、紫苑君にぎゅっと抱きしめられた。
男の子だとは思えないほどの華奢な肩に、なんだか甘くていい匂いもするな、なんて思えば心臓がドキドキしてくる。
緊張しながらも僕も紫苑君を抱きしめ返そうとしたら__
「____うにゃっ!!」
「いたっ……!え、何……?」
灰色の毛並みに青と灰のオッドアイ、紫苑君の恋人にそっくりな猫に思い切り猫パンチされた。
本当は普通に痛かったんだけど、僕に謝る紫苑君に申し訳なくて『全然痛くないから平気だよ』なんて嘘をついてしまった。
__________
映画館キネマシネマ____
上映が始まり暗くなる館内。
あれから僕は不登校になって、日中は映画館に通うようになった。
だけど、今日は運悪くあの不良共もいて、観客が少ないのをいいことにバカ騒ぎを始める。
でも、僕にはソイツらを注意する勇気もない。
前のように反抗したところで力を持たない僕は暴力でねじ伏せられるだけだし。
できる限り映画の内容に集中しようとただイライラしながら見ていると__
「君達____マナーは守ろうね」
暗くてよく見えなかったけど。
誰かが不良達の肩に手を置くと、不良は歪に変形して動かなくなった。
異様な現状に驚きつつも、僕は犯人であろう人物を追いかける。
やっと追いついたところでその人物に声をかければ、彼は妖艶な笑みを浮かべながら振り返り__
「____あの、映画館の……アナタがやったんですか?」
「へぇ、君……順平だっけ?やったのが俺なら……、
____どうする?」
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