晴れと猫
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紅葉が移り変わる少し前、去年の秋ぐらいだろうか____
キッカケは本当にささいなこと。
映画研究部で活動していた僕は、放課後に部室で集まり映画の話をしていた。
そこに伊藤含む、不良たちが部室を明け渡すよう言ってきて……ほんの小さな反抗心から行動してしまった。
____だけど、ソイツらに逆らったのが運の尽きだった。
首謀者である伊藤とその取り巻きの不良による、壮絶な"イジメ"が始まった。
教師や周りの生徒は見て見ぬふりで、誰も助けてなんかくれない。
その時、僕は悟った。
皆んな自分の身をていしてまで他人を助けようとは思わない、結局……皆んな自分が可愛いんだ。
絶望の毎日の中、いつものように理不尽な暴力に耐えていると__
「____君、大丈夫?……立てる?」
鈍い音と共に地面に倒れ伏す不良達。
その後には凛となる鈴の音のような声が上から降ってきた。
何が起こったのか不思議に思い顔を上げれば、そこには。
____透き通るような桜色の瞳をした天使がいた。
そして、その天使のように可憐な少年は僕に手を差し伸べてくる。
それこそが、僕がずっと求めていた救いで。
絶対にこの手を離すまいと心に誓った。
「__僕は猫宮 紫苑っていうんだ、紫苑でいいよ」
その後、傷の手当てまでしてもらい少年の名前も教えてもらった。
猫宮 紫苑君____それが僕の救世主の名前。
僕より華奢なのに凄く強くて、男の僕も目を惹かれるくらい可憐な少年だった。
しかも、連絡先まで交換してくれた。
紫苑君は他校だけど、内気な僕とも友達になってくれて。
それからは不良達も紫苑君を恐れてか僕に手出ししてこなくなった。
これまで『恋愛なんて』と周りの付き合っているカップルを冷めた目で見ていた僕だけど。
紫苑君に会っているうちにだんだん好きになっていって。
____いや、きっと一目惚れだったんだと思う。
だから、水族館で知らない男の人と抱き合う紫苑君を見た時__
「紫苑君……?」
気がついたら声をかけていた。
__________
「へぇ、君……俺が見えるんだ?俺は真人、シオンの彼氏だよ」
紫苑君の彼氏だと名乗ったその男の人は、どこかミステリアスな雰囲気を纏った人だった。
僕が友達だと言うと、真人さんはわざと僕に見せつけるように紫苑君の肩を抱き寄せる。
紫苑君はというと……真人さんにされるがままのようだった。
「……それじゃ、俺たちデートの最中だから」
「あっ……その、邪魔してごめんなさい……」
真人さんはデートを邪魔されたのが嫌なのか、すぐに立ち去ろうとする。
たまたま出会った僕のことなんて目に入らないかのように、当然のように紫苑君を連れて行ってしまう。
紫苑君に恋人がいたことがショックで僕は見送ることしか出来なかったけど。
でも、紫苑君が真人さんに言ってくれたおかげで少し待ってくれた。
「まさか、紫苑君に恋人がいたなんて。ごめんね、デートの最中なのに」
「僕も久々に順平と話したかったからさ、いいよ」
恋人より僕を優先してくれたことを嬉しく思いつつ、紫苑君と話す。
久々に会った紫苑君は前と変わらず優しい微笑みを僕に向けてくれて。
今だけは紫苑君を独り占めできているみたいで、優越感に浸る。
男の人が好きなら僕にもチャンスが……なんて思ったけど。
真人さんは嫉妬深い性格らしく、話している最中もずっと僕を睨んできていた。
友達なら二人の恋を応援すべきなんだろうけど、僕はその時初めて。
____紫苑君を……渡したくない!
と、思ってしまった。
__________
キッカケは本当にささいなこと。
映画研究部で活動していた僕は、放課後に部室で集まり映画の話をしていた。
そこに伊藤含む、不良たちが部室を明け渡すよう言ってきて……ほんの小さな反抗心から行動してしまった。
____だけど、ソイツらに逆らったのが運の尽きだった。
首謀者である伊藤とその取り巻きの不良による、壮絶な"イジメ"が始まった。
教師や周りの生徒は見て見ぬふりで、誰も助けてなんかくれない。
その時、僕は悟った。
皆んな自分の身をていしてまで他人を助けようとは思わない、結局……皆んな自分が可愛いんだ。
絶望の毎日の中、いつものように理不尽な暴力に耐えていると__
「____君、大丈夫?……立てる?」
鈍い音と共に地面に倒れ伏す不良達。
その後には凛となる鈴の音のような声が上から降ってきた。
何が起こったのか不思議に思い顔を上げれば、そこには。
____透き通るような桜色の瞳をした天使がいた。
そして、その天使のように可憐な少年は僕に手を差し伸べてくる。
それこそが、僕がずっと求めていた救いで。
絶対にこの手を離すまいと心に誓った。
「__僕は猫宮 紫苑っていうんだ、紫苑でいいよ」
その後、傷の手当てまでしてもらい少年の名前も教えてもらった。
猫宮 紫苑君____それが僕の救世主の名前。
僕より華奢なのに凄く強くて、男の僕も目を惹かれるくらい可憐な少年だった。
しかも、連絡先まで交換してくれた。
紫苑君は他校だけど、内気な僕とも友達になってくれて。
それからは不良達も紫苑君を恐れてか僕に手出ししてこなくなった。
これまで『恋愛なんて』と周りの付き合っているカップルを冷めた目で見ていた僕だけど。
紫苑君に会っているうちにだんだん好きになっていって。
____いや、きっと一目惚れだったんだと思う。
だから、水族館で知らない男の人と抱き合う紫苑君を見た時__
「紫苑君……?」
気がついたら声をかけていた。
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「へぇ、君……俺が見えるんだ?俺は真人、シオンの彼氏だよ」
紫苑君の彼氏だと名乗ったその男の人は、どこかミステリアスな雰囲気を纏った人だった。
僕が友達だと言うと、真人さんはわざと僕に見せつけるように紫苑君の肩を抱き寄せる。
紫苑君はというと……真人さんにされるがままのようだった。
「……それじゃ、俺たちデートの最中だから」
「あっ……その、邪魔してごめんなさい……」
真人さんはデートを邪魔されたのが嫌なのか、すぐに立ち去ろうとする。
たまたま出会った僕のことなんて目に入らないかのように、当然のように紫苑君を連れて行ってしまう。
紫苑君に恋人がいたことがショックで僕は見送ることしか出来なかったけど。
でも、紫苑君が真人さんに言ってくれたおかげで少し待ってくれた。
「まさか、紫苑君に恋人がいたなんて。ごめんね、デートの最中なのに」
「僕も久々に順平と話したかったからさ、いいよ」
恋人より僕を優先してくれたことを嬉しく思いつつ、紫苑君と話す。
久々に会った紫苑君は前と変わらず優しい微笑みを僕に向けてくれて。
今だけは紫苑君を独り占めできているみたいで、優越感に浸る。
男の人が好きなら僕にもチャンスが……なんて思ったけど。
真人さんは嫉妬深い性格らしく、話している最中もずっと僕を睨んできていた。
友達なら二人の恋を応援すべきなんだろうけど、僕はその時初めて。
____紫苑君を……渡したくない!
と、思ってしまった。
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