晴れと猫
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「えっ……う、うん。分かった」
順平は不思議そうに首を傾げたけど、僕の言う通り目を瞑った。
僕は順平の前髪をずらし額の火傷の上に手をかざす。
目を閉じ、負と負の力を掛け合わせた正の力を自分の術式に流し込んだ。
「____"輪廻再生"」
そこに術式反転"再生"を発動させれば。
あふれ出た光と共に生々しい火傷が消えていき、最後には綺麗な額に戻った。
僕の読み通り、治療も無事に終わったから順平に『もう目を開けてもいいよと』と、声をかける。
「ほら、治った」
「えっ……!?あんなに酷い火傷だったのに……消えてる……!?」
手鏡を渡して額を確認してもらえば、そこにあった火傷は綺麗さっぱり消えてなくなっていた。
僕は家入先生みたいに反転術式を他人にかけられるわけではない。
だから、術式反転の"再生"の方で代用してみたけど……上手く治せたみたいで良かった。
反転術式は傷を治せても傷跡が残ったりするから、結果的に僕の"再生"で治してよかったのかもしれない。
こっちの方が傷跡も残らないし。
順平は手鏡に映った自分の額を驚きの表情で見つめながら、声を絞り出すように話す。
「紫苑君って魔法使いなの……?」
「んー、秘密。
ねぇ、順平……このことは誰にも言わないでくれる?」
順平はなおも驚いた表情で僕を見てくるけど。
一般人には呪術は秘匿されているから、今見たことは口外しないよう口止めする。
呪術を見せたことでどんな反応をされるか少し怖かったけど、それは杞憂だったみたい。
「……紫苑君がそういうなら。絶対誰にも言わないよ。
その、本当にありがとう……!火傷痕が残るかもって思ってたから……あと、恥ずかしい姿を見せてごめんね、」
「……順平だって僕を守ってくれたじゃん。次からは絶対こんな無茶しないで」
順平は驚きと嬉しさが入り交じった表情で僕を見つめてくる。
きっと、最後まで不良に抵抗して僕の連絡先を渡さなかったんだろう。
あんなに怖い思いをしてまで僕を守ろうとしてくれたんだ。
そう思うと嬉しくて……僕は順平を抱き締めた。
「紫苑君……!?……うん」
僕が急に抱きついたせいか、順平は戸惑いながら顔を赤くする。
意外と恥ずかしがり屋なとこもあるんだと思っていれば__
「____うにゃっ!!」
「いたっ!え、何……?もしかして僕、猫パンチされた……?」
机の上で僕達のやり取りを見守っていた猫。
もとい、真人が順平の顔面に思い切り猫パンチをくらわせた。
急にパンチをくらわせた真人に驚くけど、僕は慌てて順平から真人を引き剥がす。
「ちょっと真人、順平を殴っちゃダメだって……!!……あっ」
「真人……?」
いつもの癖でつい猫を真人と呼んでしまった。
順平は前に人間の姿の真人とも出会っているし、不自然に思われないか焦る。
「真人さんって……確か、紫苑君の恋人の名前だよね?」
「えっと……実はこの子も真人っていう名前なんだ。知らない人が苦手だから、急に猫パンチくらわせちゃってごめんね」
「そうなんだ……ううん、全然痛くないから平気だよ」
我ながら苦しい言い訳だけど。
順平もまさかこの猫が真人だってことには気づいていないのか、納得しているようだった。
「真人さん……あ、真人君って呼んだ方がいいかな?急にお邪魔しちゃってごめんね」
「ふふ、順平って猫にも礼儀正しいんだね。ほら真人、順平をイジメちゃダメだよ?」
真人は『シャーッ!』と順平に威嚇しだすし、機嫌が悪いのかな。
順平と前会った時はそこまで嫌っているようには見えなかったけど。
とりあえず、僕も明日からまた高専に行かないといけないなので、順平にはまた会う約束をして帰ってもらった。
__________
順平は不思議そうに首を傾げたけど、僕の言う通り目を瞑った。
僕は順平の前髪をずらし額の火傷の上に手をかざす。
目を閉じ、負と負の力を掛け合わせた正の力を自分の術式に流し込んだ。
「____"輪廻再生"」
そこに術式反転"再生"を発動させれば。
あふれ出た光と共に生々しい火傷が消えていき、最後には綺麗な額に戻った。
僕の読み通り、治療も無事に終わったから順平に『もう目を開けてもいいよと』と、声をかける。
「ほら、治った」
「えっ……!?あんなに酷い火傷だったのに……消えてる……!?」
手鏡を渡して額を確認してもらえば、そこにあった火傷は綺麗さっぱり消えてなくなっていた。
僕は家入先生みたいに反転術式を他人にかけられるわけではない。
だから、術式反転の"再生"の方で代用してみたけど……上手く治せたみたいで良かった。
反転術式は傷を治せても傷跡が残ったりするから、結果的に僕の"再生"で治してよかったのかもしれない。
こっちの方が傷跡も残らないし。
順平は手鏡に映った自分の額を驚きの表情で見つめながら、声を絞り出すように話す。
「紫苑君って魔法使いなの……?」
「んー、秘密。
ねぇ、順平……このことは誰にも言わないでくれる?」
順平はなおも驚いた表情で僕を見てくるけど。
一般人には呪術は秘匿されているから、今見たことは口外しないよう口止めする。
呪術を見せたことでどんな反応をされるか少し怖かったけど、それは杞憂だったみたい。
「……紫苑君がそういうなら。絶対誰にも言わないよ。
その、本当にありがとう……!火傷痕が残るかもって思ってたから……あと、恥ずかしい姿を見せてごめんね、」
「……順平だって僕を守ってくれたじゃん。次からは絶対こんな無茶しないで」
順平は驚きと嬉しさが入り交じった表情で僕を見つめてくる。
きっと、最後まで不良に抵抗して僕の連絡先を渡さなかったんだろう。
あんなに怖い思いをしてまで僕を守ろうとしてくれたんだ。
そう思うと嬉しくて……僕は順平を抱き締めた。
「紫苑君……!?……うん」
僕が急に抱きついたせいか、順平は戸惑いながら顔を赤くする。
意外と恥ずかしがり屋なとこもあるんだと思っていれば__
「____うにゃっ!!」
「いたっ!え、何……?もしかして僕、猫パンチされた……?」
机の上で僕達のやり取りを見守っていた猫。
もとい、真人が順平の顔面に思い切り猫パンチをくらわせた。
急にパンチをくらわせた真人に驚くけど、僕は慌てて順平から真人を引き剥がす。
「ちょっと真人、順平を殴っちゃダメだって……!!……あっ」
「真人……?」
いつもの癖でつい猫を真人と呼んでしまった。
順平は前に人間の姿の真人とも出会っているし、不自然に思われないか焦る。
「真人さんって……確か、紫苑君の恋人の名前だよね?」
「えっと……実はこの子も真人っていう名前なんだ。知らない人が苦手だから、急に猫パンチくらわせちゃってごめんね」
「そうなんだ……ううん、全然痛くないから平気だよ」
我ながら苦しい言い訳だけど。
順平もまさかこの猫が真人だってことには気づいていないのか、納得しているようだった。
「真人さん……あ、真人君って呼んだ方がいいかな?急にお邪魔しちゃってごめんね」
「ふふ、順平って猫にも礼儀正しいんだね。ほら真人、順平をイジメちゃダメだよ?」
真人は『シャーッ!』と順平に威嚇しだすし、機嫌が悪いのかな。
順平と前会った時はそこまで嫌っているようには見えなかったけど。
とりあえず、僕も明日からまた高専に行かないといけないなので、順平にはまた会う約束をして帰ってもらった。
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