晴れと猫
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明らかに様子のおかしい順平に駆け寄る。
順平はさっきまでずっと泣いていたのか、目もすっかり充血してしまっていた。
「順平、いったいどうしたの……?」
「急に変なメッセージ送っちゃってごめん……。でも、今は……どうしてもっ、紫苑君に会いたくて」
震える声で謝り続ける順平。
そんな順平のそばに膝をつき、背中を撫でながら彼の体を呪力探知で診てみる。
すると、呪力探知は前髪で隠れた右側の額に反応を示した。
「順平、この傷って……」
頬に手を添えると、順平はビクッと体を震わせる。
呪力探知に引っかかった右側の額の前髪の下。
そこを見ようと順平の前髪をずらせば、何か熱いものを押し付けたような火傷がいくつもあった。
火傷はほんの数時間前にできたんだろう、熱を持った傷の生々しさがそれを物語っていた。
あまりの惨状に僕は思わず息を飲む。
そんな僕に順平はぽつりぽつりと何があったのかを話し始めた。
「……今日、前に僕を虐めていた奴らに呼ばれたんだ。そいつら、紫苑君に復讐したいから連絡先をよこせって言ってきて。
……僕は断ったんだけど、それでッ……!」
「……大丈夫、もう、何も言わなくていいから」
過呼吸を起こす順平を抱き寄せる。
とりあえず落ち着かせないと。
そう思って背中をとんとんと優しく撫で続ければ、順平は僕の肩でボロボロと泣き出した。
順平は僕を守る為に連絡先を渡さなかったんだ。
その優しさを踏みにじった不良共とその首謀者に怒りが湧くけど。
「順平、大丈夫だよ。
僕の家に来て。そこならちゃんとした手当ても出来るから」
「紫苑君の家……?」
少し落ち着いてきたところで優しく声をかけた。
まだ涙が零れ落ちる瞳が不安げに揺れるけど、火傷を治すなら出来るだけ早い方がいい。
「うん。ここからそう遠くないし、今の順平を一人にはしておけないよ」
「でも、急に行ったら迷惑に……」
「そんなの気にしなくていいから、ね?」
こんな時でも遠慮する順平を説得する。
僕の言葉にゆっくりと頷いた順平の手を引き、家に連れ帰ろうとした。
その時____
「____にゃーん」
黒い首輪をした猫が僕達の前に現れた。
__________
「猫……?」
突然現れた灰色の猫を順平は訝しげに見つめる。
猫はというと、僕の足元にすり寄って体を擦りつけてきた。
その見覚えのある姿に僕は__
「あ、この子僕の飼い猫なんだけど……。急いで出てきたから、知らないうちに着いてきちゃってたみたい」
「にゃん!」
猫を抱き上げれば青と灰のオッドアイと目が合った。
首元では青い雫が揺れている。
どうして猫のまま来たのかは分からないけど……とりあえず、飼い猫も一緒に連れ帰ることにした。
「__ほら入って」
「ここが紫苑君の家……えっと、お邪魔します……」
自宅に招けば、順平は遠慮がちに入ってきた。
一応、いつでも人が来てもいいように家は整理してある。
真人以外の人間を家にあげるのは久しぶりだから、何だか僕まで緊張してくる。
順平をリビングに案内し、椅子に座ってもらったところで本題に切り替えた。
「順平、少し目を閉じててくれる……?」
__________
順平はさっきまでずっと泣いていたのか、目もすっかり充血してしまっていた。
「順平、いったいどうしたの……?」
「急に変なメッセージ送っちゃってごめん……。でも、今は……どうしてもっ、紫苑君に会いたくて」
震える声で謝り続ける順平。
そんな順平のそばに膝をつき、背中を撫でながら彼の体を呪力探知で診てみる。
すると、呪力探知は前髪で隠れた右側の額に反応を示した。
「順平、この傷って……」
頬に手を添えると、順平はビクッと体を震わせる。
呪力探知に引っかかった右側の額の前髪の下。
そこを見ようと順平の前髪をずらせば、何か熱いものを押し付けたような火傷がいくつもあった。
火傷はほんの数時間前にできたんだろう、熱を持った傷の生々しさがそれを物語っていた。
あまりの惨状に僕は思わず息を飲む。
そんな僕に順平はぽつりぽつりと何があったのかを話し始めた。
「……今日、前に僕を虐めていた奴らに呼ばれたんだ。そいつら、紫苑君に復讐したいから連絡先をよこせって言ってきて。
……僕は断ったんだけど、それでッ……!」
「……大丈夫、もう、何も言わなくていいから」
過呼吸を起こす順平を抱き寄せる。
とりあえず落ち着かせないと。
そう思って背中をとんとんと優しく撫で続ければ、順平は僕の肩でボロボロと泣き出した。
順平は僕を守る為に連絡先を渡さなかったんだ。
その優しさを踏みにじった不良共とその首謀者に怒りが湧くけど。
「順平、大丈夫だよ。
僕の家に来て。そこならちゃんとした手当ても出来るから」
「紫苑君の家……?」
少し落ち着いてきたところで優しく声をかけた。
まだ涙が零れ落ちる瞳が不安げに揺れるけど、火傷を治すなら出来るだけ早い方がいい。
「うん。ここからそう遠くないし、今の順平を一人にはしておけないよ」
「でも、急に行ったら迷惑に……」
「そんなの気にしなくていいから、ね?」
こんな時でも遠慮する順平を説得する。
僕の言葉にゆっくりと頷いた順平の手を引き、家に連れ帰ろうとした。
その時____
「____にゃーん」
黒い首輪をした猫が僕達の前に現れた。
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「猫……?」
突然現れた灰色の猫を順平は訝しげに見つめる。
猫はというと、僕の足元にすり寄って体を擦りつけてきた。
その見覚えのある姿に僕は__
「あ、この子僕の飼い猫なんだけど……。急いで出てきたから、知らないうちに着いてきちゃってたみたい」
「にゃん!」
猫を抱き上げれば青と灰のオッドアイと目が合った。
首元では青い雫が揺れている。
どうして猫のまま来たのかは分からないけど……とりあえず、飼い猫も一緒に連れ帰ることにした。
「__ほら入って」
「ここが紫苑君の家……えっと、お邪魔します……」
自宅に招けば、順平は遠慮がちに入ってきた。
一応、いつでも人が来てもいいように家は整理してある。
真人以外の人間を家にあげるのは久しぶりだから、何だか僕まで緊張してくる。
順平をリビングに案内し、椅子に座ってもらったところで本題に切り替えた。
「順平、少し目を閉じててくれる……?」
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