晴れと猫
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記録____2018年 7月 西東京市少年院 運動場上空
特級仮想怨霊(名称未定)、その呪胎を非術師数人が目視で確認
緊急事態のため高専一年生3名が派遣され____
____内 1名 死亡
__________
「____わざとでしょ」
梅雨も明け暑さを感じるようになった7月某日____
任務から帰れば、五条先生によって高専地下の霊安室に連れてこられた。
そして、台の上には冷たくなった同級生が寝かされていた。
何も聞かされていなかった僕は驚く。
「特級相手に一年派遣はあり得ない。僕が悠仁の死刑に猶予を与えたから、上が嫌がらせしてきたんだろ。
……しかも、特級術師の紫苑もその時に限って別の任務に駆り出されてたし」
「……すみません、五条先生。僕がもっと疑ってれば……。
確かに、今回僕に割り当てられた任務は拍子抜けするくらい簡単なものだったのに」
どうやら、僕と五条先生がいない間に悠仁達へ上層部からの嫌がらせがあったらしい。
せめて、僕がいればまだ何とかなったかもしれなかったのに。
と、五条先生に怯える伊地知さんを横目に僕は謝った。
そろそろ少年院の事件が起こると思ってたけど……僕は別の任務に行っていたせいで悠仁達を助けられなかった。
上層部の狙いは宿儺の器である悠仁だけでなく、五条先生が受け持つ生徒も対象だったみたい。
下手したら三人の同級生を失ってたかもしれないという事実に、僕も怒りが湧いてくる。
俯く僕の背中を先生は慰めるように撫でてくれた。
「紫苑のせいじゃないよ。これは全部上の奴らのせいだ。
____上の連中、全員殺してしまおうか?」
殺気立つ五条先生に伊地知さんが更に怯える。
声音からして本気とも取れない言葉に、部屋の中には緊迫した空気が流れるけど。
そんな先生に怯えることなく白衣をまとった人が部屋に入ってくる。
「珍しく感情的だな。随分お気に入りだったんだ、彼」
「家入先生……」
「紫苑か。あまり同級生の死体なんて見るもんじゃないよ、辛いなら外に出とく?」
「いえ、大丈夫です」
高専の専属医師である、家入先生が室内に入ってきた。
悠仁の友達だった僕に配慮してか、僕からは見えないよう悠仁にかけられた布を少しだけ剥がして確認する。
「____で、これが宿儺の器か。好きに解剖していいよね」
「役立てろよって言いたいけど……ちょっと待って。
紫苑、君の術式反転____"輪廻再生"で悠仁を生き返らせれない……?」
__________
「……ごめんなさい。さすがに死んだ人を生き返らせるのは無理みたいです……」
「ううん、いいよ。ダメ元で聞いてみただけだから」
僕の術式反転である"輪廻再生"。
それにはあらゆるものを再生させる力があるけど、悠仁にかけてみても何も起こらなかった。
「(術式が効かなかったというより……何かに遮られたような感触がしたんだよね)」
もしかしたら、悠仁の中にいる宿儺の魂に反発されたせいで失敗したのかもしれない。
宿儺と悠仁にはここで縛りを結んでおいて欲しいから、それ以上は試さない。
だけど……友達の死体を見るのはやっぱり辛かった。
「僕は夢があるんだ。強く聡い仲間を育て、腐った呪術界をリセットする」
五条先生が教師を目指した理由に耳を傾けながら、ぼーっと解剖の準備を進める家入先生を眺めていた。
このままここにいても僕に出来ることはもうない。
そう思って霊安室から出ていこうとしたら____
「____おわっ!?全裸じゃん!!」
家入先生を横目にムクリと悠仁が起き上がった。
さっきまで死んでいたというのに、今は完全に元気になっている。
それを見た五条先生と僕は悠仁に駆け寄った。
「おかえり……悠仁!」
「悠仁!おかえり!!」
「えっ、紫苑に五条先生!?
何が起きたのかよく分かんねぇけど……オッス、ただいま!!って、その前に服を……」
__________
特級仮想怨霊(名称未定)、その呪胎を非術師数人が目視で確認
緊急事態のため高専一年生3名が派遣され____
____内 1名 死亡
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「____わざとでしょ」
梅雨も明け暑さを感じるようになった7月某日____
任務から帰れば、五条先生によって高専地下の霊安室に連れてこられた。
そして、台の上には冷たくなった同級生が寝かされていた。
何も聞かされていなかった僕は驚く。
「特級相手に一年派遣はあり得ない。僕が悠仁の死刑に猶予を与えたから、上が嫌がらせしてきたんだろ。
……しかも、特級術師の紫苑もその時に限って別の任務に駆り出されてたし」
「……すみません、五条先生。僕がもっと疑ってれば……。
確かに、今回僕に割り当てられた任務は拍子抜けするくらい簡単なものだったのに」
どうやら、僕と五条先生がいない間に悠仁達へ上層部からの嫌がらせがあったらしい。
せめて、僕がいればまだ何とかなったかもしれなかったのに。
と、五条先生に怯える伊地知さんを横目に僕は謝った。
そろそろ少年院の事件が起こると思ってたけど……僕は別の任務に行っていたせいで悠仁達を助けられなかった。
上層部の狙いは宿儺の器である悠仁だけでなく、五条先生が受け持つ生徒も対象だったみたい。
下手したら三人の同級生を失ってたかもしれないという事実に、僕も怒りが湧いてくる。
俯く僕の背中を先生は慰めるように撫でてくれた。
「紫苑のせいじゃないよ。これは全部上の奴らのせいだ。
____上の連中、全員殺してしまおうか?」
殺気立つ五条先生に伊地知さんが更に怯える。
声音からして本気とも取れない言葉に、部屋の中には緊迫した空気が流れるけど。
そんな先生に怯えることなく白衣をまとった人が部屋に入ってくる。
「珍しく感情的だな。随分お気に入りだったんだ、彼」
「家入先生……」
「紫苑か。あまり同級生の死体なんて見るもんじゃないよ、辛いなら外に出とく?」
「いえ、大丈夫です」
高専の専属医師である、家入先生が室内に入ってきた。
悠仁の友達だった僕に配慮してか、僕からは見えないよう悠仁にかけられた布を少しだけ剥がして確認する。
「____で、これが宿儺の器か。好きに解剖していいよね」
「役立てろよって言いたいけど……ちょっと待って。
紫苑、君の術式反転____"輪廻再生"で悠仁を生き返らせれない……?」
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「……ごめんなさい。さすがに死んだ人を生き返らせるのは無理みたいです……」
「ううん、いいよ。ダメ元で聞いてみただけだから」
僕の術式反転である"輪廻再生"。
それにはあらゆるものを再生させる力があるけど、悠仁にかけてみても何も起こらなかった。
「(術式が効かなかったというより……何かに遮られたような感触がしたんだよね)」
もしかしたら、悠仁の中にいる宿儺の魂に反発されたせいで失敗したのかもしれない。
宿儺と悠仁にはここで縛りを結んでおいて欲しいから、それ以上は試さない。
だけど……友達の死体を見るのはやっぱり辛かった。
「僕は夢があるんだ。強く聡い仲間を育て、腐った呪術界をリセットする」
五条先生が教師を目指した理由に耳を傾けながら、ぼーっと解剖の準備を進める家入先生を眺めていた。
このままここにいても僕に出来ることはもうない。
そう思って霊安室から出ていこうとしたら____
「____おわっ!?全裸じゃん!!」
家入先生を横目にムクリと悠仁が起き上がった。
さっきまで死んでいたというのに、今は完全に元気になっている。
それを見た五条先生と僕は悠仁に駆け寄った。
「おかえり……悠仁!」
「悠仁!おかえり!!」
「えっ、紫苑に五条先生!?
何が起きたのかよく分かんねぇけど……オッス、ただいま!!って、その前に服を……」
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