晴れと猫
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「なぁ……俺たち、今からアレに話しかけんの?」
「なんて言うか……自信に満ち溢れた人だね?」
悠仁と僕が見つめる先。
そこには明るい茶髪に髪を染めた女子が、道行くスカウトマンを捕まえて自分を売り込んでいた。
着ている制服に高専の渦巻きボタンが着いているからひと目で新入生だと分かったけど。
「話しかけんのはちょっと恥ずかしいなぁ」
「オメェもだよ」
「悠仁もちゃっかり原宿の街を楽しんでるじゃん」
「おーい、こっちこっちー!」
悠仁はデカデカと2018と描かれたサングラスをつけ、両手にクレープを持ちながらそう言い放った。
そこへ五条先生が新入生に向かって声をかける。
「そんじゃ改めて。
____釘崎 野薔薇。喜べ男子、紅一点よ」
呪術高専一年、唯一の女子生徒である釘崎 野薔薇と合流した。
自然に自己紹介の流れになったから僕たちも野薔薇に挨拶する。
「俺、虎杖 悠仁!仙台から!」
「……伏黒 恵」
「僕は猫宮 紫苑だよ。よろしくね、釘崎さん」
早く仲良くなれるようにと微笑んだ。
こちらも各々で自己紹介をすれば、野薔薇はじとーっと僕達三人の顔を見つめてきて____
「アンタ以外、不合格ね」
「えっと……僕?」
と、僕の方を指さして言い放った。
何が合格基準なのか分からず首を傾げていれば、不合格と言われ納得できない悠仁がつっかかる。
「紫苑以外が不合格ってどういう意味だよ!」
「はぁ……そのくらい自分で考えなさいよ。だからモテないのよ」
「理不尽!」
判断基準を聞けば悠仁はそう罵られてしまった。
モテるかモテないかは置いといて、悠仁が好きな人は結構いると思うけどな?
明るくて性格もいいし。
「ま、一人まともそうで良かったわ。
野薔薇でいいから。他の奴も名前で呼んでんでしょ?」
「う、うん。それなら野薔薇って呼ぶね」
僕のどこがお気に召したのか分からないけど、とりあえず名前で呼ぶ許可を貰えた。
分かっていたとはいえ思ったより強烈な出会いだったな。
でも、このくらい主張が強くないと呪術師はやっていけないのかも。
__________
「一年も四人揃ったことだし……行くでしょ?東京観光!」
「TDL行きたーい!/中華街にしよ先生!」
五条先生が東京観光を提案したら、野薔薇と悠仁が元気よく返事をした。
二人は横浜が東京なのか神奈川なのかでまた揉めているけど。(ちなみに横浜は神奈川)
先生がおごそかに行き先を告げる。
『六本木』と言われ、ワクワクしていた悠仁と野薔薇だったけど____
「____いますね、呪い」
「だね……」
恵と僕が見上げる廃ビル、そこからは明らかに呪霊の気配が漏れ出ていた。
雰囲気からして居るのはそんなに強くない呪霊だと思う。
六本木ですらない廃ビルに悠仁と野薔薇は『嘘つきー!』と叫んだ。
状況説明のついでに、五条先生が悠仁の状態を野薔薇に説明する。
特級呪物である"宿儺の指"を飲み込んだ悠仁に野薔薇はかなり引いている様子で。
「君たちがどこまで出来るか知りたい。
ま、実地試験みたいなもんだね。野薔薇と悠仁の二人でビル内の呪いを祓ってきて」
呪力のコントロールがまだ出来ない悠仁に呪具" 屠坐魔 "を渡す。
新しい武器を手に入れた悠仁は少年のように喜んでみせる。
「あー、それから。宿儺は出しちゃ駄目だよ。
アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど近くの人間も巻き込まれる」
五条先生はそう悠仁に忠告してから二人を見送った。
僕は恵は先生と一緒に外で待機する。
「悠仁はさ、イカレてんだよね。
異形とはいえ生き物の形をした呪いを、自分を殺そうとしてくる呪いを一切の躊躇なく殺りに行く。
つい最近まで普通の高校生として生活していた男の子なのに」
五条先生の話を黙って聞いてれば、先生は急に僕の方に話しかけてきた。
「そういう意味じゃ、紫苑もちゃんとイカレてんだよね」
「褒められてるんだろうけどあまり嬉しくないなぁ……」
「くくくっ。人からイカれてるなんて言われるのは気に触る?
でも、君は呪術を覚えたての頃に呪詛師とも殺り合ったんだ。格上の相手を恐れずに戦えるってのは常人には出来ないよ」
五条先生はいたずらっ子のように笑い僕もイカれてると言い切った。
呪術師としての才能があっても、呪いの恐ろしさにリタイアしてしまう人もいるらしい。
真人や漏瑚達のようにせめて意思疎通が出来ればいいんだけど。
僕は『あらゆるモノを崩壊させる』っていう便利な術式があるから呪術師をやっていられるんだと思う。
真人達以外の野良の呪霊は普通に怖いし。
「地方と東京じゃ、呪いのレベルが違う。
狡猾さという知恵をつけた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる」
「(狡猾といえば、人から生まれた真人もそうなんだろうけど……僕からしたら可愛い猫なんだよなぁ)」
知識として記憶にある呪術廻戦の作中ではそれこそ、狡猾というのに相応しい真人だったけど。
これまで猫として、家族として接してきたせいかそんな一面ですら好きだと思える。
僕がこの世界で出会った真人は甘えん坊で可愛くて。
カッコいい、自慢の飼い猫だった。
そんな飼い猫の事を考えていると、廃ビルから呪霊が飛び出してきた。
とっさに恵が式神を出そうと両手を構える。
「っ、祓います……!」
「待って……。いいね、野薔薇もちゃんとイカれてた」
五条先生に止められそのまま見ていると、呪霊は野薔薇の術式により爆発霧散する。
しばらくして悠仁と野薔薇も無事に廃ビルから出てきた。
「お疲れサマンサー!!今度こそ飯行こうか」
「紫苑にも俺のカッコいいとこ見せたかったな〜。あ、俺はビフテキで!」
「最後にキメたの私でしょ?だからシースーよ!」
また意見が割れる二人だけど、任務後は少し仲が縮まったようだった。
恵と僕は顔を見合せそんな二人の様子に微笑んだ。
__________
「なんて言うか……自信に満ち溢れた人だね?」
悠仁と僕が見つめる先。
そこには明るい茶髪に髪を染めた女子が、道行くスカウトマンを捕まえて自分を売り込んでいた。
着ている制服に高専の渦巻きボタンが着いているからひと目で新入生だと分かったけど。
「話しかけんのはちょっと恥ずかしいなぁ」
「オメェもだよ」
「悠仁もちゃっかり原宿の街を楽しんでるじゃん」
「おーい、こっちこっちー!」
悠仁はデカデカと2018と描かれたサングラスをつけ、両手にクレープを持ちながらそう言い放った。
そこへ五条先生が新入生に向かって声をかける。
「そんじゃ改めて。
____釘崎 野薔薇。喜べ男子、紅一点よ」
呪術高専一年、唯一の女子生徒である釘崎 野薔薇と合流した。
自然に自己紹介の流れになったから僕たちも野薔薇に挨拶する。
「俺、虎杖 悠仁!仙台から!」
「……伏黒 恵」
「僕は猫宮 紫苑だよ。よろしくね、釘崎さん」
早く仲良くなれるようにと微笑んだ。
こちらも各々で自己紹介をすれば、野薔薇はじとーっと僕達三人の顔を見つめてきて____
「アンタ以外、不合格ね」
「えっと……僕?」
と、僕の方を指さして言い放った。
何が合格基準なのか分からず首を傾げていれば、不合格と言われ納得できない悠仁がつっかかる。
「紫苑以外が不合格ってどういう意味だよ!」
「はぁ……そのくらい自分で考えなさいよ。だからモテないのよ」
「理不尽!」
判断基準を聞けば悠仁はそう罵られてしまった。
モテるかモテないかは置いといて、悠仁が好きな人は結構いると思うけどな?
明るくて性格もいいし。
「ま、一人まともそうで良かったわ。
野薔薇でいいから。他の奴も名前で呼んでんでしょ?」
「う、うん。それなら野薔薇って呼ぶね」
僕のどこがお気に召したのか分からないけど、とりあえず名前で呼ぶ許可を貰えた。
分かっていたとはいえ思ったより強烈な出会いだったな。
でも、このくらい主張が強くないと呪術師はやっていけないのかも。
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「一年も四人揃ったことだし……行くでしょ?東京観光!」
「TDL行きたーい!/中華街にしよ先生!」
五条先生が東京観光を提案したら、野薔薇と悠仁が元気よく返事をした。
二人は横浜が東京なのか神奈川なのかでまた揉めているけど。(ちなみに横浜は神奈川)
先生がおごそかに行き先を告げる。
『六本木』と言われ、ワクワクしていた悠仁と野薔薇だったけど____
「____いますね、呪い」
「だね……」
恵と僕が見上げる廃ビル、そこからは明らかに呪霊の気配が漏れ出ていた。
雰囲気からして居るのはそんなに強くない呪霊だと思う。
六本木ですらない廃ビルに悠仁と野薔薇は『嘘つきー!』と叫んだ。
状況説明のついでに、五条先生が悠仁の状態を野薔薇に説明する。
特級呪物である"宿儺の指"を飲み込んだ悠仁に野薔薇はかなり引いている様子で。
「君たちがどこまで出来るか知りたい。
ま、実地試験みたいなもんだね。野薔薇と悠仁の二人でビル内の呪いを祓ってきて」
呪力のコントロールがまだ出来ない悠仁に呪具"
新しい武器を手に入れた悠仁は少年のように喜んでみせる。
「あー、それから。宿儺は出しちゃ駄目だよ。
アレを使えばその辺の呪いなんて瞬殺だけど近くの人間も巻き込まれる」
五条先生はそう悠仁に忠告してから二人を見送った。
僕は恵は先生と一緒に外で待機する。
「悠仁はさ、イカレてんだよね。
異形とはいえ生き物の形をした呪いを、自分を殺そうとしてくる呪いを一切の躊躇なく殺りに行く。
つい最近まで普通の高校生として生活していた男の子なのに」
五条先生の話を黙って聞いてれば、先生は急に僕の方に話しかけてきた。
「そういう意味じゃ、紫苑もちゃんとイカレてんだよね」
「褒められてるんだろうけどあまり嬉しくないなぁ……」
「くくくっ。人からイカれてるなんて言われるのは気に触る?
でも、君は呪術を覚えたての頃に呪詛師とも殺り合ったんだ。格上の相手を恐れずに戦えるってのは常人には出来ないよ」
五条先生はいたずらっ子のように笑い僕もイカれてると言い切った。
呪術師としての才能があっても、呪いの恐ろしさにリタイアしてしまう人もいるらしい。
真人や漏瑚達のようにせめて意思疎通が出来ればいいんだけど。
僕は『あらゆるモノを崩壊させる』っていう便利な術式があるから呪術師をやっていられるんだと思う。
真人達以外の野良の呪霊は普通に怖いし。
「地方と東京じゃ、呪いのレベルが違う。
狡猾さという知恵をつけた獣は時に残酷な天秤を突きつけてくる」
「(狡猾といえば、人から生まれた真人もそうなんだろうけど……僕からしたら可愛い猫なんだよなぁ)」
知識として記憶にある呪術廻戦の作中ではそれこそ、狡猾というのに相応しい真人だったけど。
これまで猫として、家族として接してきたせいかそんな一面ですら好きだと思える。
僕がこの世界で出会った真人は甘えん坊で可愛くて。
カッコいい、自慢の飼い猫だった。
そんな飼い猫の事を考えていると、廃ビルから呪霊が飛び出してきた。
とっさに恵が式神を出そうと両手を構える。
「っ、祓います……!」
「待って……。いいね、野薔薇もちゃんとイカれてた」
五条先生に止められそのまま見ていると、呪霊は野薔薇の術式により爆発霧散する。
しばらくして悠仁と野薔薇も無事に廃ビルから出てきた。
「お疲れサマンサー!!今度こそ飯行こうか」
「紫苑にも俺のカッコいいとこ見せたかったな〜。あ、俺はビフテキで!」
「最後にキメたの私でしょ?だからシースーよ!」
また意見が割れる二人だけど、任務後は少し仲が縮まったようだった。
恵と僕は顔を見合せそんな二人の様子に微笑んだ。
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