晴れと猫
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陀艮が伝えてきた八という数字。
その数字で僕は八つ首の龍を思い出し、陀艮が伝えたいことが何となく分かった。
「……あ!もしかして、陀艮は叢雲に会いたいの?」
「ぶ!」
「分かった、今呼ぶから少し離れててね……顕現____"叢雲"!」
前方に手を突きだし『顕現』と唱えれば。
自分の中から呪力が流れ出るのを感じたと共に、叢雲がビーチに呼び出された。
「グラァ!」
「呪霊として呼ぶのは久しぶりかも。いつも任務を手伝ってくれてありがとね、叢雲」
「あー!紫苑に撫でてもらえるなんてずるい!俺も撫でてよー」
「はいはい」
叢雲をビーチに呼び出せば、その巨体でビーチが半分ほど埋まってしまった。
陀艮の領域はけっこう広く感じるのに、叢雲がいるとかなり狭く感じる。
それだけ八岐大蛇は大きな呪霊だった。
いつもは"叢雲剣"として任務に同行してもらっているから、日頃の感謝もかねて近づけてきた頭の一つを撫でてあげる。
だけど、僕の猫は自分以外が可愛がられるのは気に食わないみたい。
邪魔するかのように横から突っ込んできた。
「ぶぶぅー!」
「えっ、陀艮……!?」
真人と叢雲を撫でていると、目を離した隙に陀艮が叢雲に向かって果敢に飛びかかっていった。
陀艮に言われて叢雲を呼んだものの。まさか、二人が喧嘩しだすのかと思えば。
「グルルゥ♪」
「ぶぅ〜♪」
そんな心配は杞憂だったようで、二人とも仲良さげに遊びだす。
「ほっ……。なんだ、ただじゃれ合いたかっただけか」
「どうだい。私のアドバイスも役に立っただろう?叢雲は私達が見ておくから、二人ともデートを楽しんでおいで」
陀艮と叢雲がじゃれ合う様子を眺めていれば夏油が話しかけてくる。
夏油のおかげで真人はより格好良くなったわけだし、今回の働きに対してはグッジョブとしか言いようがない。
素直にお礼を伝えようと思えば真人が先に返事をした。
「夏油、今夜は俺たち帰らないから……。明日までよろしくね」
「はいはい、分かっているよ。それじゃあ、いい一日を」
真人が意味深なことを告げる。
夏油も分かっている風だけど、それはつまり、今日は真人と二人きりの夜を過ごすということで。
「えっと、夏油もその……色々とありがとう」
「ふふ、どういたしまして。君からのお礼も期待しておくね」
夏油、もとい羂索は呪霊達を裏切るから最初から信用なんてしてないけど。
僕達の為にやってくれたみたいだから一応、お礼を言っておいた。
__________
楽しげな真人にエスコートされながら、僕は都会の街並みを歩く。
前に真人が来たいと言っていた博物館では、恐竜の化石を初めて見た真人が『これはいいインスピレーションを感じる……!』と、子どものように瞳を輝かせていた。
博物館に行った後は、巷で美味しいと話題のパフェが食べられる店にも寄る。
そこは流行りに敏感な東京の店らしく、店内もお洒落な雰囲気で、他の客も多かった。
「これって……!前に僕が食べたいって言ってた苺のパフェだよね?
場所とか調べてくれたんだ」
「うん。夏油と一緒に探したんだ、予約もしてあるから待たずに入れるよ」
「ありがとう!ふふ、苺のパフェ楽しみだな〜」
他の人たちからは僕は一人客にしか見えないわけだけど、側で真人が笑っていれば他の人の視線なんて気にならなかった。
パフェを堪能した後は水族館にも連れてきてもらう。
ほんのりと薄暗い照明の中、僕の手を引く真人の髪が揺れる。
「暗いから俺に捕まっててね」
「ん。……なんだか新鮮だね。この前までは僕が真人の手を引いていたのに」
お言葉に甘えつつ恋人同士のように差し出された腕を掴む。
休日なのもあってか、僕達のようにカップルで来ている客も多かった。
ガラスの向こうではキラキラと色鮮やかな魚達が、まるで空を舞うように自由に泳いでいる。
「紫苑に頼られる男を目指してるからね。
今のままだと、俺はただの飼い猫 でしかないから」
「……猫扱いは不満?」
「いいや?紫苑に可愛がられるのは好きだよ。
だけど、もっと一人の男として、恋人として君に意識されるようになりたいんだ」
そう言って真人は僕に甘い微笑みを向けてきた。
確かに、僕はあまり真人を恋人扱いしてこなかったかもしれない。
これが普通の人間の男女なら淡白に感じるのかな。
呪霊と人間、それも男?同士だからどう接するのが正解なのか、よく分からない。
「僕は恋人とか初めてだから……不安にさせてたならごめん。
でも、僕の気持ちも真人と一緒なんだよ____」
その数字で僕は八つ首の龍を思い出し、陀艮が伝えたいことが何となく分かった。
「……あ!もしかして、陀艮は叢雲に会いたいの?」
「ぶ!」
「分かった、今呼ぶから少し離れててね……顕現____"叢雲"!」
前方に手を突きだし『顕現』と唱えれば。
自分の中から呪力が流れ出るのを感じたと共に、叢雲がビーチに呼び出された。
「グラァ!」
「呪霊として呼ぶのは久しぶりかも。いつも任務を手伝ってくれてありがとね、叢雲」
「あー!紫苑に撫でてもらえるなんてずるい!俺も撫でてよー」
「はいはい」
叢雲をビーチに呼び出せば、その巨体でビーチが半分ほど埋まってしまった。
陀艮の領域はけっこう広く感じるのに、叢雲がいるとかなり狭く感じる。
それだけ八岐大蛇は大きな呪霊だった。
いつもは"叢雲剣"として任務に同行してもらっているから、日頃の感謝もかねて近づけてきた頭の一つを撫でてあげる。
だけど、僕の猫は自分以外が可愛がられるのは気に食わないみたい。
邪魔するかのように横から突っ込んできた。
「ぶぶぅー!」
「えっ、陀艮……!?」
真人と叢雲を撫でていると、目を離した隙に陀艮が叢雲に向かって果敢に飛びかかっていった。
陀艮に言われて叢雲を呼んだものの。まさか、二人が喧嘩しだすのかと思えば。
「グルルゥ♪」
「ぶぅ〜♪」
そんな心配は杞憂だったようで、二人とも仲良さげに遊びだす。
「ほっ……。なんだ、ただじゃれ合いたかっただけか」
「どうだい。私のアドバイスも役に立っただろう?叢雲は私達が見ておくから、二人ともデートを楽しんでおいで」
陀艮と叢雲がじゃれ合う様子を眺めていれば夏油が話しかけてくる。
夏油のおかげで真人はより格好良くなったわけだし、今回の働きに対してはグッジョブとしか言いようがない。
素直にお礼を伝えようと思えば真人が先に返事をした。
「夏油、今夜は俺たち帰らないから……。明日までよろしくね」
「はいはい、分かっているよ。それじゃあ、いい一日を」
真人が意味深なことを告げる。
夏油も分かっている風だけど、それはつまり、今日は真人と二人きりの夜を過ごすということで。
「えっと、夏油もその……色々とありがとう」
「ふふ、どういたしまして。君からのお礼も期待しておくね」
夏油、もとい羂索は呪霊達を裏切るから最初から信用なんてしてないけど。
僕達の為にやってくれたみたいだから一応、お礼を言っておいた。
__________
楽しげな真人にエスコートされながら、僕は都会の街並みを歩く。
前に真人が来たいと言っていた博物館では、恐竜の化石を初めて見た真人が『これはいいインスピレーションを感じる……!』と、子どものように瞳を輝かせていた。
博物館に行った後は、巷で美味しいと話題のパフェが食べられる店にも寄る。
そこは流行りに敏感な東京の店らしく、店内もお洒落な雰囲気で、他の客も多かった。
「これって……!前に僕が食べたいって言ってた苺のパフェだよね?
場所とか調べてくれたんだ」
「うん。夏油と一緒に探したんだ、予約もしてあるから待たずに入れるよ」
「ありがとう!ふふ、苺のパフェ楽しみだな〜」
他の人たちからは僕は一人客にしか見えないわけだけど、側で真人が笑っていれば他の人の視線なんて気にならなかった。
パフェを堪能した後は水族館にも連れてきてもらう。
ほんのりと薄暗い照明の中、僕の手を引く真人の髪が揺れる。
「暗いから俺に捕まっててね」
「ん。……なんだか新鮮だね。この前までは僕が真人の手を引いていたのに」
お言葉に甘えつつ恋人同士のように差し出された腕を掴む。
休日なのもあってか、僕達のようにカップルで来ている客も多かった。
ガラスの向こうではキラキラと色鮮やかな魚達が、まるで空を舞うように自由に泳いでいる。
「紫苑に頼られる男を目指してるからね。
今のままだと、俺はただの
「……猫扱いは不満?」
「いいや?紫苑に可愛がられるのは好きだよ。
だけど、もっと一人の男として、恋人として君に意識されるようになりたいんだ」
そう言って真人は僕に甘い微笑みを向けてきた。
確かに、僕はあまり真人を恋人扱いしてこなかったかもしれない。
これが普通の人間の男女なら淡白に感じるのかな。
呪霊と人間、それも男?同士だからどう接するのが正解なのか、よく分からない。
「僕は恋人とか初めてだから……不安にさせてたならごめん。
でも、僕の気持ちも真人と一緒なんだよ____」