晴れと猫
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一年二人での初任務を達成したその日の夜。
怪我もしていないし、家入先生に診てもらうことなく寮へと帰った。
部屋に入ってすぐ自室に備え付けられているシャワーを浴びれば、やっと緊張が解ける。
まだ濡れたままの髪をタオルで拭きつつ、肌触りのいいパジャマに着替えた。
そのままベッドに寝転がっていると、ドアをノックする音が聞こえた。
誰だろうと思いつつドアを開けば。
「今いいか?もう寝るとこだったら悪い……」
「恵!ううん、大丈夫だよ」
「ってお前、髪濡れたままじゃねぇか。……やっぱり後で出直す」
濡れた髪を見て僕がお風呂から出たばかりだと悟ったのか、恵は自分の部屋に帰ろうとする。
僕はとっさに『待って』と言いながら恵の袖を掴んだ。
「……その、髪を乾かす間、僕の部屋で待っててくれない?すぐに終わらせるからさ」
「なっ、いや……別に大した用でもないし、紫苑の部屋に入るのは悪いっていうか」
「いいからいいから。ほら、入って?」
「……邪魔する」
恵を部屋に招き入れれば、恵は少し緊張したような面持ちで僕の部屋に入ってきた。
髪を乾かす間、恵にはふわふわなラグの上に座って待ってもらう。
僕はすぐに髪を乾かし終え恵の隣に座った。
何の用かと口を開こうとしたら。
「その……紫苑は寝る時パジャマなんだな」
「……うん?あぁ、これは家から持ってきたんだ。寝巻きはパジャマ派なんだよね」
「そうか。って、そうじゃない……!……実は今日の礼を言いに来たんだ」
何故か熱心にパジャマ姿を見つめられ、思わず疑問形で返答してしまう。
すると、恵は焦ったように言い直した。
「今回の任務は紫苑のおかげで怪我もすることなく、勝てたと思う。今日は本当にありがとな」
「そんないいのに。恵ならすぐに強くなれるだろうし」
恵は真剣にこちらを見つめ感謝を伝えてくる。
普段は素っ気ないけど義理に厚い所もあるんだと思う、恵のこういう所好きだな。
「……紫苑の戦い方を見て参考になる部分も多かった。呪霊の動きもよく見ていたしな、式神たちもお前と一緒で戦いやすそうだった」
「僕もいい経験になったよ。またよろしくね」
「あぁ、こちらこそ……これからも頼りにしてる」
そう言って微笑みかければ。
恵の顔が少し赤くなったのは気のせいかな。
せっかく部屋に来てもらったので、その日は二人で夜遅くまで語り合った。
__________
初任務が終わった翌日、高専に登校し教室で任務の報告書を書く。
カリカリとシャーペンの音が走る中。
長い足を教壇に行儀悪く乗せた五条先生が話しかけてきた。
「二人とも相性はバッチリだったね!これなら次からの任務も心配はなさそう」
「紫苑とは戦いやすかったです」
「僕も恵と一緒で心強かったよ。これまでの任務は一人で受けてたから……仲間と戦えるって良いことなんだね」
「うんうん。その調子だよ」
先に書き終えた恵が立ち上がり、五条先生に報告書を提出した。
先生は恵から報告書を受け取ると、目隠し越しに流し読みしながら僕に話を振る。
「そういえば、見た感じ紫苑は呪具の術式も使ってたね」
「……?叢雲剣にも術式があるんですか?」
「へぇ、あの剣は叢雲剣って言うんだ?八岐大蛇伝説に出てくる"天叢雲剣 "にあやかっているのかな?八岐大蛇を退治した君にピッタリだ。
叢雲剣にはね……雷光を操る術式がついてるよ」
そういえば、昨日の任務で呪霊にトドメを差した時。
あの時は剣が雷光を纏っていたなと思い出す。
「元は八岐大蛇の術式だったけど、呪具に変えられて術式が引き継がれたみたいだね」
「そうだったんだ……」
本当は叢雲を呼び出せるけど、上層部に目を付けられそうので八岐大蛇が生きていることは黙っておくことにした。
幸い、五条先生の六眼にもバレてはなさそうだし。
「ま、紫苑ならすぐ使いこなせるようになるよ。
君自身の術式にもまだまだ伸び代はあるし……これからの成長が楽しみだ」
怪我もしていないし、家入先生に診てもらうことなく寮へと帰った。
部屋に入ってすぐ自室に備え付けられているシャワーを浴びれば、やっと緊張が解ける。
まだ濡れたままの髪をタオルで拭きつつ、肌触りのいいパジャマに着替えた。
そのままベッドに寝転がっていると、ドアをノックする音が聞こえた。
誰だろうと思いつつドアを開けば。
「今いいか?もう寝るとこだったら悪い……」
「恵!ううん、大丈夫だよ」
「ってお前、髪濡れたままじゃねぇか。……やっぱり後で出直す」
濡れた髪を見て僕がお風呂から出たばかりだと悟ったのか、恵は自分の部屋に帰ろうとする。
僕はとっさに『待って』と言いながら恵の袖を掴んだ。
「……その、髪を乾かす間、僕の部屋で待っててくれない?すぐに終わらせるからさ」
「なっ、いや……別に大した用でもないし、紫苑の部屋に入るのは悪いっていうか」
「いいからいいから。ほら、入って?」
「……邪魔する」
恵を部屋に招き入れれば、恵は少し緊張したような面持ちで僕の部屋に入ってきた。
髪を乾かす間、恵にはふわふわなラグの上に座って待ってもらう。
僕はすぐに髪を乾かし終え恵の隣に座った。
何の用かと口を開こうとしたら。
「その……紫苑は寝る時パジャマなんだな」
「……うん?あぁ、これは家から持ってきたんだ。寝巻きはパジャマ派なんだよね」
「そうか。って、そうじゃない……!……実は今日の礼を言いに来たんだ」
何故か熱心にパジャマ姿を見つめられ、思わず疑問形で返答してしまう。
すると、恵は焦ったように言い直した。
「今回の任務は紫苑のおかげで怪我もすることなく、勝てたと思う。今日は本当にありがとな」
「そんないいのに。恵ならすぐに強くなれるだろうし」
恵は真剣にこちらを見つめ感謝を伝えてくる。
普段は素っ気ないけど義理に厚い所もあるんだと思う、恵のこういう所好きだな。
「……紫苑の戦い方を見て参考になる部分も多かった。呪霊の動きもよく見ていたしな、式神たちもお前と一緒で戦いやすそうだった」
「僕もいい経験になったよ。またよろしくね」
「あぁ、こちらこそ……これからも頼りにしてる」
そう言って微笑みかければ。
恵の顔が少し赤くなったのは気のせいかな。
せっかく部屋に来てもらったので、その日は二人で夜遅くまで語り合った。
__________
初任務が終わった翌日、高専に登校し教室で任務の報告書を書く。
カリカリとシャーペンの音が走る中。
長い足を教壇に行儀悪く乗せた五条先生が話しかけてきた。
「二人とも相性はバッチリだったね!これなら次からの任務も心配はなさそう」
「紫苑とは戦いやすかったです」
「僕も恵と一緒で心強かったよ。これまでの任務は一人で受けてたから……仲間と戦えるって良いことなんだね」
「うんうん。その調子だよ」
先に書き終えた恵が立ち上がり、五条先生に報告書を提出した。
先生は恵から報告書を受け取ると、目隠し越しに流し読みしながら僕に話を振る。
「そういえば、見た感じ紫苑は呪具の術式も使ってたね」
「……?叢雲剣にも術式があるんですか?」
「へぇ、あの剣は叢雲剣って言うんだ?八岐大蛇伝説に出てくる"
叢雲剣にはね……雷光を操る術式がついてるよ」
そういえば、昨日の任務で呪霊にトドメを差した時。
あの時は剣が雷光を纏っていたなと思い出す。
「元は八岐大蛇の術式だったけど、呪具に変えられて術式が引き継がれたみたいだね」
「そうだったんだ……」
本当は叢雲を呼び出せるけど、上層部に目を付けられそうので八岐大蛇が生きていることは黙っておくことにした。
幸い、五条先生の六眼にもバレてはなさそうだし。
「ま、紫苑ならすぐ使いこなせるようになるよ。
君自身の術式にもまだまだ伸び代はあるし……これからの成長が楽しみだ」