雨と猫
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今日は土曜で学校も休み____
なので、とりあえず今日一日は家で真人を観察することにした。
これから一緒に暮らすのだから、呪霊とどういう風に過ごせばいいかを探るつもりだ。
「午前中は課題をやるから邪魔しないでね」
「えー?俺もうテレビとか飽きたんだけど……あ!じゃあさ、これならどう?」
そう言って真人は昨日の水色の毛並みの猫になってみせる。
再び現れた癒しの存在に僕は思わず、猫な真人を抱き上げていた。
「猫だぁ……!」
「ははっ、課題なんか諦めちゃえ♪」
気がついたら猫となった真人を撫で回していた。
猫の姿でも喋れたことに驚いて聞いてみれば。
「声帯だけ人間のものにしたんだ」
「そんな器用なことも出来るんだ?真人って凄いね……!」
「ふふん、まぁね!」
褒められて嬉しいのかドヤ顔の表情をした猫が見える。
「……僕の膝貸すから大人しくしててくれない?」
「それならいいよ。君の体温は心地いいからさ」
欲望が入り混じった提案をしたら、真人はぴょいと僕の膝の上に飛び乗ってきた。
膝の上で喉を鳴らす猫のおかげで課題も早く進んだ。
__________
猫を膝に乗せ数時間____
「ん〜、やっと終わったぁ」
「お疲れ様〜、これで俺と遊べるね」
「真人のおかげだよ。いつもより捗った気がするし」
真人は閉じていた目をパチッと開け僕を見上げる。
意外と邪魔もすることなく大人しくしていた。
そして、僕の膝の上に乗ったまま急に元の姿に戻ってみせた。
「うわっ……!?ちょっと、急に戻らないでよ」
「えー?お利口に待ってた猫に対して酷いなぁ」
「猫って言っても猫耳と尻尾しかないじゃん」
「あはっ。でも、この姿も好きだろ?」
猫耳と尻尾は生やしたままで甘えてくる。
真人を抱きかかえる体勢なので顔が近い。
『近くで見ると綺麗な瞳もよく見えるな』なんて、思う僕を真人は妖しげな笑みで見下ろしていた。
ツギハギだらけだけど、長いまつ毛に縁どられた青と灰のオッドアイはとても綺麗だった。
それはまるで、雨の時の空模様のようで。
ずっと見つめられていると何だか心を見透かされているようで、思わず顔を背けてしまう。
「ダメだよ、俺から目を離しちゃ……」
「あの、僕をからかっても面白くないよ?……ぁっ!?」
真人と目を合わせないようにしていたら、突然耳を舐められた。
ネコ科特有のザラザラした舌の刺激に情けない声が出てしまう。
「ま、まひとっ……!ほんとにそれ、ヤバいから__っ!」
「あはっ、やっぱりこの反応いいねぇ♪」
涙目で訴えるも余計に煽ってしまったらしく、今度は甘噛みまでしてくる。
力の入らない腕で押し返すけどビクともしない。
真人はそんな僕のか弱い抵抗さえ楽しむかのように舌なめずりをしてみせた。
「あっ……それ以上は……や、ヤダって!」
「ん〜どうしよっかな〜?他に面白いことがあればやめたげる」
そうしてやっと耳から離れてくれた。
期待に満ちた瞳で見つめてくる真人を、涙目で見つめ返す。
「ねぇ、真人……もっと楽しいこと、しない?」
「ん、いいよ。君は俺にどんなことを教えてくれるのかな?」
僕は真人の耳元でそう囁き、とある遊戯に誘った。
__________
軽快なBGMの中、ゴールを知らせるファンファーレが鳴り響く。
「はい、また僕の勝ち〜!」
「くそっ、絶対ズルしてんじゃん!!あそこでトゲ甲羅はおかしいって__!!」
白熱したカーレースはまた僕の勝ちで終わった。
特級呪霊とはいえ真人はまだ子ども。
あの後、真人をマ〇オカートに誘った僕は5連勝し続けていた。
隣で悔しがる真人にさっきの仕返しが出来たようで、思わずほくそ笑む。
この世界に任〇堂があって助かった。
「……もうやーめた!」
「わっ、コントローラー投げないでよ」
拗ねた真人がコントローラーを投げ出したので慌てて回収する。
そして、真人はというとゴロンとソファーに寝転がってしまった。
顔は向こう側に向けているせいで真人の表情は分からないけど。
「怒った?」
「……怒ってない」
怒ったかと聞いてみれば少し間を開けて返事が返ってくる。
クッションを抱きしめてて顔は見えないけど、泣いてはなさそう。
拗ねた時の反応が完全に子どもで可愛いな、そう思ってつい頭を撫でてしまえば、また口を開いた。
「……いつか絶対紫苑に勝つから」
「うん。また一緒にやろうね」
しばらく撫で続けていると、だんだん機嫌が戻ってきたのかクッションから顔を離す。
「……言っとくけど泣いてないからね?」
「分かってるよ。もうお昼にしようか」
ソファーから立ち上がり、冷蔵庫に入れておいたサンドウィッチを持ってくる。
真人の好みが分からないから色々な具材のものを作っておいた。
この中に気に入る味があればいいけど。
「……この果物?が入ったやつ、けっこう好きかも」
もそもそとサンドウィッチを食べていた真人がふと呟く。
それは大粒の苺と生クリームが入ったフルーツサンドで、僕が好きなサンドウィッチの一つだった。
「それはフルーツサンドっていってクリームと苺を挟んだものだよ。
ふわふわで甘いでしょ?」
「ふーん。ねぇ、紫苑はどれが好き?」
「そうだなぁ……フルーツサンドもだけど、コロッケサンドも好きかな」
すると、それを聞いた真人はコロッケサンドも手に取り食べ始めた。
表情を変えずに食べているから反応が分かりずらい。
「どう?」
「こっちも美味しいよ。フルーツサンドには負けるけど」
「真人は甘党なんだ?僕と一緒だね」
僕もオレンジの入ったフルーツサンドを手に取り、食べれば爽やかな柑橘系の香りが口の中に広がった。
「果物が気に入ったなら他にも食べてみる?」
「今は果物よりも__こっちの方が気になるかな」
急に顔を近づけてきたかと思うと、真人は僕の唇の端をペロリと舐め上げる。
その予想外の動きに固まっていると。
「ここ、クリームついてた♪」
ニッと笑って頬をトントンと指で示す。
さっきの感触を思い出した僕は顔が火照るのを感じながら抗議する。
「っ__!!もう、そういうことは口で言ってってば……!」
「あはは!さっきの仕返し〜!」
真人の勝ち誇った笑みに若干ムカつきつつも、なぜか不快な感じはしない。
楽しげに笑う真人を見てると『仕方ないなぁ』なんて気分になった。
__________
なので、とりあえず今日一日は家で真人を観察することにした。
これから一緒に暮らすのだから、呪霊とどういう風に過ごせばいいかを探るつもりだ。
「午前中は課題をやるから邪魔しないでね」
「えー?俺もうテレビとか飽きたんだけど……あ!じゃあさ、これならどう?」
そう言って真人は昨日の水色の毛並みの猫になってみせる。
再び現れた癒しの存在に僕は思わず、猫な真人を抱き上げていた。
「猫だぁ……!」
「ははっ、課題なんか諦めちゃえ♪」
気がついたら猫となった真人を撫で回していた。
猫の姿でも喋れたことに驚いて聞いてみれば。
「声帯だけ人間のものにしたんだ」
「そんな器用なことも出来るんだ?真人って凄いね……!」
「ふふん、まぁね!」
褒められて嬉しいのかドヤ顔の表情をした猫が見える。
「……僕の膝貸すから大人しくしててくれない?」
「それならいいよ。君の体温は心地いいからさ」
欲望が入り混じった提案をしたら、真人はぴょいと僕の膝の上に飛び乗ってきた。
膝の上で喉を鳴らす猫のおかげで課題も早く進んだ。
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猫を膝に乗せ数時間____
「ん〜、やっと終わったぁ」
「お疲れ様〜、これで俺と遊べるね」
「真人のおかげだよ。いつもより捗った気がするし」
真人は閉じていた目をパチッと開け僕を見上げる。
意外と邪魔もすることなく大人しくしていた。
そして、僕の膝の上に乗ったまま急に元の姿に戻ってみせた。
「うわっ……!?ちょっと、急に戻らないでよ」
「えー?お利口に待ってた猫に対して酷いなぁ」
「猫って言っても猫耳と尻尾しかないじゃん」
「あはっ。でも、この姿も好きだろ?」
猫耳と尻尾は生やしたままで甘えてくる。
真人を抱きかかえる体勢なので顔が近い。
『近くで見ると綺麗な瞳もよく見えるな』なんて、思う僕を真人は妖しげな笑みで見下ろしていた。
ツギハギだらけだけど、長いまつ毛に縁どられた青と灰のオッドアイはとても綺麗だった。
それはまるで、雨の時の空模様のようで。
ずっと見つめられていると何だか心を見透かされているようで、思わず顔を背けてしまう。
「ダメだよ、俺から目を離しちゃ……」
「あの、僕をからかっても面白くないよ?……ぁっ!?」
真人と目を合わせないようにしていたら、突然耳を舐められた。
ネコ科特有のザラザラした舌の刺激に情けない声が出てしまう。
「ま、まひとっ……!ほんとにそれ、ヤバいから__っ!」
「あはっ、やっぱりこの反応いいねぇ♪」
涙目で訴えるも余計に煽ってしまったらしく、今度は甘噛みまでしてくる。
力の入らない腕で押し返すけどビクともしない。
真人はそんな僕のか弱い抵抗さえ楽しむかのように舌なめずりをしてみせた。
「あっ……それ以上は……や、ヤダって!」
「ん〜どうしよっかな〜?他に面白いことがあればやめたげる」
そうしてやっと耳から離れてくれた。
期待に満ちた瞳で見つめてくる真人を、涙目で見つめ返す。
「ねぇ、真人……もっと楽しいこと、しない?」
「ん、いいよ。君は俺にどんなことを教えてくれるのかな?」
僕は真人の耳元でそう囁き、とある遊戯に誘った。
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軽快なBGMの中、ゴールを知らせるファンファーレが鳴り響く。
「はい、また僕の勝ち〜!」
「くそっ、絶対ズルしてんじゃん!!あそこでトゲ甲羅はおかしいって__!!」
白熱したカーレースはまた僕の勝ちで終わった。
特級呪霊とはいえ真人はまだ子ども。
あの後、真人をマ〇オカートに誘った僕は5連勝し続けていた。
隣で悔しがる真人にさっきの仕返しが出来たようで、思わずほくそ笑む。
この世界に任〇堂があって助かった。
「……もうやーめた!」
「わっ、コントローラー投げないでよ」
拗ねた真人がコントローラーを投げ出したので慌てて回収する。
そして、真人はというとゴロンとソファーに寝転がってしまった。
顔は向こう側に向けているせいで真人の表情は分からないけど。
「怒った?」
「……怒ってない」
怒ったかと聞いてみれば少し間を開けて返事が返ってくる。
クッションを抱きしめてて顔は見えないけど、泣いてはなさそう。
拗ねた時の反応が完全に子どもで可愛いな、そう思ってつい頭を撫でてしまえば、また口を開いた。
「……いつか絶対紫苑に勝つから」
「うん。また一緒にやろうね」
しばらく撫で続けていると、だんだん機嫌が戻ってきたのかクッションから顔を離す。
「……言っとくけど泣いてないからね?」
「分かってるよ。もうお昼にしようか」
ソファーから立ち上がり、冷蔵庫に入れておいたサンドウィッチを持ってくる。
真人の好みが分からないから色々な具材のものを作っておいた。
この中に気に入る味があればいいけど。
「……この果物?が入ったやつ、けっこう好きかも」
もそもそとサンドウィッチを食べていた真人がふと呟く。
それは大粒の苺と生クリームが入ったフルーツサンドで、僕が好きなサンドウィッチの一つだった。
「それはフルーツサンドっていってクリームと苺を挟んだものだよ。
ふわふわで甘いでしょ?」
「ふーん。ねぇ、紫苑はどれが好き?」
「そうだなぁ……フルーツサンドもだけど、コロッケサンドも好きかな」
すると、それを聞いた真人はコロッケサンドも手に取り食べ始めた。
表情を変えずに食べているから反応が分かりずらい。
「どう?」
「こっちも美味しいよ。フルーツサンドには負けるけど」
「真人は甘党なんだ?僕と一緒だね」
僕もオレンジの入ったフルーツサンドを手に取り、食べれば爽やかな柑橘系の香りが口の中に広がった。
「果物が気に入ったなら他にも食べてみる?」
「今は果物よりも__こっちの方が気になるかな」
急に顔を近づけてきたかと思うと、真人は僕の唇の端をペロリと舐め上げる。
その予想外の動きに固まっていると。
「ここ、クリームついてた♪」
ニッと笑って頬をトントンと指で示す。
さっきの感触を思い出した僕は顔が火照るのを感じながら抗議する。
「っ__!!もう、そういうことは口で言ってってば……!」
「あはは!さっきの仕返し〜!」
真人の勝ち誇った笑みに若干ムカつきつつも、なぜか不快な感じはしない。
楽しげに笑う真人を見てると『仕方ないなぁ』なんて気分になった。
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