雨と猫
夢小説設定
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無事にお願いごとも聞いてもらえたので、出かける際にもルールを設ける。
「あと、僕と一緒の時はなるべく言うことを聞いてね?明日出かけるから」
「……!それって、紫苑とデートってこと?」
明日一緒に出かけようと誘えば真人は瞳を輝かせた。
嬉しげな様子に少し可愛いと思ってしまうけど、デートなんて言葉どこで覚えたんだろう?
「とにかく!この2つは絶対守って」
「はーい」
「__よし、そろそろ朝ごはんにしようか」
今日は朝から色々あったけどこんな時でもお腹は空くもので。
朝食を作ろうとキッチンへ向かえば、真人も僕の後ろをついてくる。
「俺も手伝おっか?」
「うーん……火を使うし危ないから大丈夫。真人はテレビでも見ててあ、リモコンの使い方は分かる?」
「そのくらい知ってるよ」
『火なんて平気なのに』とボヤきつつ、真人はリモコンをいじりだした。
休日の朝ということで面白い番組はなさそう。
それでも真人は退屈そうにテレビの画面を眺めていた。
今日はホットケーキにしようと材料を取り出して手際よく作っていく。
ついでに、昼用のサンドウィッチも作る。
トーストを切っていると、いつの間にかテレビに飽きた真人がキッチンまで来ていた。
「何作ってんの?」
「ホットケーキとサンドウィッチだよ。ねぇ、邪魔なんだけど……」
「んー?聞こえないなぁ」
真人は後ろからスルリと僕の腰に手を回し抱きついてくる。
身動きが取りにくいので退いて欲しいと遠回しに伝えれば、首元に顔を寄せてスリスリしてきた。
集中出来ないけど離れる気配はなく、諦めて具材を切ろうとしたら。
「痛っ__!」
背後の真人に気を取られ、包丁で自分の指を少し切ってしまった。
小さな赤い雫が皮膚の上に溢れ出てくる。
「あ、血が出てんじゃん!大丈夫?」
「このくらい平気だよ……えっと、手当てしたいから離してくれる?」
「手当なんかしなくても……俺に任せてよ」
血がにじむ指を見つめていたかと思えば、真人は急に僕の手を取り血を舐めとった。
その行動に僕は呆気に取られる。
驚いて固まっていれば、真人はそのまま舌で僕の指を絡めとった。
「__うん、これで治った」
「な、何を……って、あれ?傷が消えてる?」
血がにじんでいた指からはもう傷が消えていた。
どういうことかと真人へ振り返れば、特に心配などしてなさそうな青と灰の瞳と目が合う。
「俺の能力"無為転変 "で治してあげたんだ。
俺は魂__すなわち、肉体を操作出来る力があってね。これくらいなら簡単に治せるよ」
「へぇ、真人ってそんなことも出来るんだ?……ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って真人は無邪気に笑ってみせるけど。
本来、真人の術式は改造人間を生み出したり自身の体を変える為のもの。
___なのに、こんな小さな傷を治してくれるなんて。
複雑な心境の中、隣のフライパンの上ではホットケーキが焦げだしていた。
__________
目の前に置かれた白い皿、その上には少し焦げたホットケーキが乗っていた。
「……ごめん、ホットケーキ少し焦げちゃった」
「俺の分も作ってくれたんだ?いいよ、そんなの気にしない」
「あれ?そういえば真人って……ご飯とか食べるの?」
作ってから気づいたけど呪霊には必要なかったかもしれない。
人間みたいに食事が必須というわけではなさそうだし、お腹とか空いたりするのかな。
「本来は人間の食べ物なんて必要ないけどね。せっかく作ってくれたんだから食べるよ……うん、ふわふわしてて甘い!」
「そっか……良かった」
とりあえず不味いとは言われなかったので良かった。
ホットケーキを頬張る真人を微笑ましく思いつつ、僕も少し焦げたホットケーキを口に運ぶ。
真人の言う通り、蜂蜜のかかったホットケーキはふわふわで甘い味がした。
__________
「あと、僕と一緒の時はなるべく言うことを聞いてね?明日出かけるから」
「……!それって、紫苑とデートってこと?」
明日一緒に出かけようと誘えば真人は瞳を輝かせた。
嬉しげな様子に少し可愛いと思ってしまうけど、デートなんて言葉どこで覚えたんだろう?
「とにかく!この2つは絶対守って」
「はーい」
「__よし、そろそろ朝ごはんにしようか」
今日は朝から色々あったけどこんな時でもお腹は空くもので。
朝食を作ろうとキッチンへ向かえば、真人も僕の後ろをついてくる。
「俺も手伝おっか?」
「うーん……火を使うし危ないから大丈夫。真人はテレビでも見ててあ、リモコンの使い方は分かる?」
「そのくらい知ってるよ」
『火なんて平気なのに』とボヤきつつ、真人はリモコンをいじりだした。
休日の朝ということで面白い番組はなさそう。
それでも真人は退屈そうにテレビの画面を眺めていた。
今日はホットケーキにしようと材料を取り出して手際よく作っていく。
ついでに、昼用のサンドウィッチも作る。
トーストを切っていると、いつの間にかテレビに飽きた真人がキッチンまで来ていた。
「何作ってんの?」
「ホットケーキとサンドウィッチだよ。ねぇ、邪魔なんだけど……」
「んー?聞こえないなぁ」
真人は後ろからスルリと僕の腰に手を回し抱きついてくる。
身動きが取りにくいので退いて欲しいと遠回しに伝えれば、首元に顔を寄せてスリスリしてきた。
集中出来ないけど離れる気配はなく、諦めて具材を切ろうとしたら。
「痛っ__!」
背後の真人に気を取られ、包丁で自分の指を少し切ってしまった。
小さな赤い雫が皮膚の上に溢れ出てくる。
「あ、血が出てんじゃん!大丈夫?」
「このくらい平気だよ……えっと、手当てしたいから離してくれる?」
「手当なんかしなくても……俺に任せてよ」
血がにじむ指を見つめていたかと思えば、真人は急に僕の手を取り血を舐めとった。
その行動に僕は呆気に取られる。
驚いて固まっていれば、真人はそのまま舌で僕の指を絡めとった。
「__うん、これで治った」
「な、何を……って、あれ?傷が消えてる?」
血がにじんでいた指からはもう傷が消えていた。
どういうことかと真人へ振り返れば、特に心配などしてなさそうな青と灰の瞳と目が合う。
「俺の能力"
俺は魂__すなわち、肉体を操作出来る力があってね。これくらいなら簡単に治せるよ」
「へぇ、真人ってそんなことも出来るんだ?……ありがとう」
「どういたしまして」
そう言って真人は無邪気に笑ってみせるけど。
本来、真人の術式は改造人間を生み出したり自身の体を変える為のもの。
___なのに、こんな小さな傷を治してくれるなんて。
複雑な心境の中、隣のフライパンの上ではホットケーキが焦げだしていた。
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目の前に置かれた白い皿、その上には少し焦げたホットケーキが乗っていた。
「……ごめん、ホットケーキ少し焦げちゃった」
「俺の分も作ってくれたんだ?いいよ、そんなの気にしない」
「あれ?そういえば真人って……ご飯とか食べるの?」
作ってから気づいたけど呪霊には必要なかったかもしれない。
人間みたいに食事が必須というわけではなさそうだし、お腹とか空いたりするのかな。
「本来は人間の食べ物なんて必要ないけどね。せっかく作ってくれたんだから食べるよ……うん、ふわふわしてて甘い!」
「そっか……良かった」
とりあえず不味いとは言われなかったので良かった。
ホットケーキを頬張る真人を微笑ましく思いつつ、僕も少し焦げたホットケーキを口に運ぶ。
真人の言う通り、蜂蜜のかかったホットケーキはふわふわで甘い味がした。
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