学校終わりの放課後。



教室で帰る準備をしていたら、僕のスマホから通知音が鳴った。
確認したら宛名不明のメールが一件だけ届いている。





「君の猫が暴れているから、至急こちらに来てくれないか」





送り主は不明だけど、そのメッセージで何となく察した僕は急いでアジトへと向かった。










＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿










古びたマンションのドアノブを回せば、隠れ家である南国のビーチへと繋がる。





「ねぇ、あのメール送ったのって夏油……ッ！？」


「あ、やっと来たんだね。早く真人を止めてくれないかッ……！」





僕に声をかけながら、夏油は真人の斬り上げを避けた。





「ハハッ＿＿！ずいぶんと余裕そうじゃん？」


「えぇい！落ち着かんか、真人ッ！！」





ドアを開けば、白い砂浜の上で真人と夏油が熾烈な争いを繰り広げていた。

漏瑚はそれを止めようとし、陀艮は花御の側で怯えている。





「っ、真人……！いったいどうしたの」





急いで真人に駆け寄り、戦闘を止めさせれば。





「……夏油のやつ、紫苑を呪術高専に入学させるっていうんだ。
俺は反対したのにどうしても計画に必要だって……。紫苑は俺と離れたくないよね？」


「高専に入学？なんで僕が……？」





すがるように抱きついてくる真人の頭を撫でながら、夏油に聞く。





「紫苑には高専に潜入して五条 悟の監視、及び、弱点になって欲しい。
彼は我々の計画に邪魔でね……いつかは排除しなければならない存在だ。それで、五条と接点を持つ君にお願いしたいのだが……」





そこまで話すと僕にベッタリな真人を見やり。





「このとおり、真人がすごく嫌がっててね……」


「……はぁ、真人よ。紫苑に依存しすぎるのもどうかと思うぞ」





夏油は困ったように肩をすくめ、漏瑚は呆れたようにため息を吐いた。

その提案を真人は拒否しているけど。





「……僕なら、五条 悟より強くなれると思う？」


「あぁ、君の術式を聞いて確信したよ。
紫苑なら五条 悟とも対等に戦えるようになる。その為にも、もっと彼に近づく必要があるんだ」





夏油がそう言うなら間違いないのだろう。



真人や他の仲間を守るためなら、僕は＿＿＿＿





「＿＿＿＿いいよ。僕、呪術高専に入るよ」










＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿