雨と猫
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真人に連れられアジトであるマンションのドアを開ければ、そこは南国の暖かなビーチへと繋がっており。
入ってみれば、幸い漏瑚以外は揃っているようだった。
「おや?真人に紫苑、急にどうしたんだい?今日は来ないかと思ってたよ」
「ちょっと夏油に聞きたいことがあって」
「これなんだけど、見てくれる?」
僕達の来訪に気づいた夏油が声をかけてくる。
家から持ってきた金色の剣を差し出せば、夏油は興味深そうに剣を眺めた。
「ふむ……これは特級呪具だね。それに、八岐大蛇の呪力も感じられるな」
「僕が八岐大蛇をこの剣に変えたんだ。あの時は領域展開してたから……夏油は見てないかも」
「そうか。紫苑の術式を詳しく教えてくれるかい?一度、君と戦っているとはいえ見ただけじゃ分からないからね」
あまり夏油に自分の術式を知られたくないけど、仕方ないので簡単に説明した。
術式"崩壊"を反転させた"再生"。
どちらも呪力消費が激しいけど、領域展開の時にはそれらが自由に扱えるようになる。
その話を聞いたあと、夏油は少し考える素振りを見せた。
「なるほどね。
結論から言うと……八岐大蛇は祓われたのではなく、君に調伏されたんだ」
「つまりどういうこと……?」
「百聞は一見にしかず。試しに"顕現"と、唱えてごらん?」
夏油に促されるまま、僕は口を開いた。
「顕現____"八岐大蛇 "!」
__________
僕が『顕現』と口にしたと同時に剣が強く光り輝く。
光は更に強まると、八つ首に金色の鱗を持つ龍の呪霊が僕達の前に現れた。
「グララァァ____!」
咆哮を上げながら海面に着地すると、その巨体はビーチにも大きな波を引き起こした。
「ぶふぅっ〜!?」
「あっ、陀艮が……!」
大波に煽られ、浅瀬をたゆたっていた陀艮が流されていく。
それを見ていた花御が助けに行こうとしたら、八岐大蛇は鋭い牙の生え揃った口を開く。
「グルルゥ」
「ぶ……!?」
八つ首のうち一つの首が陀艮をくわえる。
そのまま噛み砕かれないかとハラハラしていれば、八岐大蛇はザブザブと波をかき分けながら僕達の前に連れてきてくれた。
「あ、ありがとう……?陀艮、急に大きな波をたてちゃってごめんね。大丈夫?」
「へぇ、ちゃんと言うこと聞くんだ」
もう八岐大蛇からは敵意を感じず、赤い瞳でじっと見つめられる。
「紫苑を主と認めているね。まぁ要するに、君は私のポケ○ンを奪ったってことさ」
「例えが……」
夏油の記憶なのか、羂索の知識なのかは知らないけど思わず突っ込めば『事実だろう?』と笑顔で圧をかけてきた。
人の体を乗っ取っている人には言われたくないんだけど。
「うーん、でもどうしよう……さすがに家には置いとけないし」
「俺はコイツ飼うの反対〜!紫苑は俺だけの飼い主だから!」
「普段は魂内に仕舞っておいて、必要な時に剣か呪霊として呼べばいいよ」
夏油の言う通りそれが一番いいかな。
八岐大蛇を自分の中に戻そうとしたところでふと僕は思い直した。
「……この子にも名前をつけてあげたいな。真人達にも名前があるし」
「それなら、伝説の"天叢雲剣 "にあやかって。
____叢雲 なんていうのはどうだい?
剣はそのまま"叢雲剣 "としたらいい」
八岐大蛇にも名前を付けたいと言ったらそう夏油が提案してきた。
確か、天叢雲剣は八岐大蛇伝説に登場する剣の名前だよね。
この子にもピッタリの名前だと思う。
「いいねそれ。じゃあ、叢雲は戻って」
「グルゥ」
僕の声に叢雲は頭を垂れ、光の粒子となって僕の中に戻っていった。
「紫苑の魂の中に住むなんてズルいなぁ」
「あはは……でも、僕の心は真人だけのものだよ?」
そう言えば、真人は後ろから抱きついてくる。
「それならいっか。
ねぇ、漏瑚にも後で見せに行こ!きっと面白い顔が見られるよ♪」
特級呪霊を取り込んだと知ったらキレそうだけど。
その後、帰ってきた漏瑚にも叢雲を紹介したら。
案の定というか、主に真人が煽ったせいで漏瑚は激怒し二人でビーチを追い回された。
__________
入ってみれば、幸い漏瑚以外は揃っているようだった。
「おや?真人に紫苑、急にどうしたんだい?今日は来ないかと思ってたよ」
「ちょっと夏油に聞きたいことがあって」
「これなんだけど、見てくれる?」
僕達の来訪に気づいた夏油が声をかけてくる。
家から持ってきた金色の剣を差し出せば、夏油は興味深そうに剣を眺めた。
「ふむ……これは特級呪具だね。それに、八岐大蛇の呪力も感じられるな」
「僕が八岐大蛇をこの剣に変えたんだ。あの時は領域展開してたから……夏油は見てないかも」
「そうか。紫苑の術式を詳しく教えてくれるかい?一度、君と戦っているとはいえ見ただけじゃ分からないからね」
あまり夏油に自分の術式を知られたくないけど、仕方ないので簡単に説明した。
術式"崩壊"を反転させた"再生"。
どちらも呪力消費が激しいけど、領域展開の時にはそれらが自由に扱えるようになる。
その話を聞いたあと、夏油は少し考える素振りを見せた。
「なるほどね。
結論から言うと……八岐大蛇は祓われたのではなく、君に調伏されたんだ」
「つまりどういうこと……?」
「百聞は一見にしかず。試しに"顕現"と、唱えてごらん?」
夏油に促されるまま、僕は口を開いた。
「顕現____"
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僕が『顕現』と口にしたと同時に剣が強く光り輝く。
光は更に強まると、八つ首に金色の鱗を持つ龍の呪霊が僕達の前に現れた。
「グララァァ____!」
咆哮を上げながら海面に着地すると、その巨体はビーチにも大きな波を引き起こした。
「ぶふぅっ〜!?」
「あっ、陀艮が……!」
大波に煽られ、浅瀬をたゆたっていた陀艮が流されていく。
それを見ていた花御が助けに行こうとしたら、八岐大蛇は鋭い牙の生え揃った口を開く。
「グルルゥ」
「ぶ……!?」
八つ首のうち一つの首が陀艮をくわえる。
そのまま噛み砕かれないかとハラハラしていれば、八岐大蛇はザブザブと波をかき分けながら僕達の前に連れてきてくれた。
「あ、ありがとう……?陀艮、急に大きな波をたてちゃってごめんね。大丈夫?」
「へぇ、ちゃんと言うこと聞くんだ」
もう八岐大蛇からは敵意を感じず、赤い瞳でじっと見つめられる。
「紫苑を主と認めているね。まぁ要するに、君は私のポケ○ンを奪ったってことさ」
「例えが……」
夏油の記憶なのか、羂索の知識なのかは知らないけど思わず突っ込めば『事実だろう?』と笑顔で圧をかけてきた。
人の体を乗っ取っている人には言われたくないんだけど。
「うーん、でもどうしよう……さすがに家には置いとけないし」
「俺はコイツ飼うの反対〜!紫苑は俺だけの飼い主だから!」
「普段は魂内に仕舞っておいて、必要な時に剣か呪霊として呼べばいいよ」
夏油の言う通りそれが一番いいかな。
八岐大蛇を自分の中に戻そうとしたところでふと僕は思い直した。
「……この子にも名前をつけてあげたいな。真人達にも名前があるし」
「それなら、伝説の"
____
剣はそのまま"
八岐大蛇にも名前を付けたいと言ったらそう夏油が提案してきた。
確か、天叢雲剣は八岐大蛇伝説に登場する剣の名前だよね。
この子にもピッタリの名前だと思う。
「いいねそれ。じゃあ、叢雲は戻って」
「グルゥ」
僕の声に叢雲は頭を垂れ、光の粒子となって僕の中に戻っていった。
「紫苑の魂の中に住むなんてズルいなぁ」
「あはは……でも、僕の心は真人だけのものだよ?」
そう言えば、真人は後ろから抱きついてくる。
「それならいっか。
ねぇ、漏瑚にも後で見せに行こ!きっと面白い顔が見られるよ♪」
特級呪霊を取り込んだと知ったらキレそうだけど。
その後、帰ってきた漏瑚にも叢雲を紹介したら。
案の定というか、主に真人が煽ったせいで漏瑚は激怒し二人でビーチを追い回された。
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