雨と猫
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真人に近寄りそのツギハギな手を取れば、真人はビクッと肩を震わせた。
未だに視線を合わせてくれないからその手を両手で包み込む。
「……本当は全部知ってたよ。でも、一緒にいたいからずっと黙ってた」
僕の言葉を真人は黙って聞いている。
怒られるとでも思っているのかな。
あるいは、失望して見捨てられると思っているのかも。
僕としては本来の真人と違う一面を見られたようで嬉しかった。
呪術廻戦の本編では人を殺すことに何の躊躇いもなく、人をいたぶることに快楽を見出していた真人。
そんな彼が、僕に嫌われないか不安で怯えている。
少しだけ人の気持ちを、"心"という感情を理解し始めたのかもしれない。
僕はツギハギの手を握りしめたまま言葉を続けた。
「あの時言ったよね、全部受け入れるって。だから……。
____僕にも真人の罪を背負わせて」
強く、訴えるように話す。
すると、真人はやっと口を開いた。
「……いいの?そしたら、紫苑は人間と敵対することになるんだよ……?
今まで、君が生きていた世界を壊すことに……」
伏せていた目を上げれば、不安げに揺れる青と灰の瞳と視線が交わる。
そんな真人を安心させたくて僕は微笑んだ。
「いいよ。僕にとっては真人の幸せが大事だから。
自分の飼い猫が、その仲間達が幸せに暮らせない世界なんて……きっと、最初から壊れてる」
そう言って自分から真人を抱きしめた。
体格差があるから全身を覆うことは難しいけれど、よしよしとゆっくり背中を撫でてあげる。
「紫苑……!……ありがとう、大好きだよ」
そしたら、真人は皆んなが見ている前で僕の頬に手を添え。
触れるだけの優しいキスをしてきた。
チュ、と小さなリップ音だけが響いて僕は思わず赤面してしまう。
「……っ!?ねぇ、他の皆んなも見てるんだけど……?」
「二人ともお熱いねぇ。ははっ、羨ましい限りだよ」
「どうぞ、私達のことはお構いなく」
「ぶぅー?」
「あ、ごめん!その、紫苑に愛されてるって分かってつい……嬉しすぎて……!」
夏油はニヤニヤしながら冷やかしてくるし、花御は陀艮の目を隠しながらも照れていた。
真人もいつもの余裕そうな表情と違って赤面しているし。
僕も周囲の反応に恥ずかしくなっていると。
「……儂はまだお前のことなど認めんからなっ!」
『ふんっ!』とそっぽを向き、漏瑚は先に帰ってしまった。
「全く、漏瑚も頭が固いねぇ。こんなに好き合っているというのに。呪いと人の恋も認めてあげたっていいじゃないか」
「漏瑚は真人に色々な意味で期待していますから」
「む、絶対に紫苑のこと認めさせてやる!」
夏油としては僕と真人の関係に反対する理由もないらしい。
とりあえず、花御には認めてもらえたからこれで良かったかな。
「何だか、親に結婚を申し込みに来た彼氏になった気分だよ……」
「おや?それじゃあ真人がお嫁さんというわけかい?」
「えー?どちらかというと、紫苑の方が俺のお嫁さんなんだけど??」
そんなことを話しながら、再び陀艮の生得領域である南国のビーチに戻った。
__________
南国の風を感じる暖かいビーチ。
他の特級呪霊達に見守られながら、僕は夏油と対峙していた。
「それで、紫苑君。君も私達の計画に協力してくれるってことでいいかい?」
「うん。それが真人の為になるなら」
「よし、これで君は今日から私達の仲間だ。
____これからよろしく頼むよ、紫苑」
僕の返事を聞いて夏油は口角を上げる。
生前の夏油とは仲間にならず、こうして死後に協力する関係になったから皮肉なものだと思う。
その日、僕は正式に呪霊達の仲間として認められた。
__________
未だに視線を合わせてくれないからその手を両手で包み込む。
「……本当は全部知ってたよ。でも、一緒にいたいからずっと黙ってた」
僕の言葉を真人は黙って聞いている。
怒られるとでも思っているのかな。
あるいは、失望して見捨てられると思っているのかも。
僕としては本来の真人と違う一面を見られたようで嬉しかった。
呪術廻戦の本編では人を殺すことに何の躊躇いもなく、人をいたぶることに快楽を見出していた真人。
そんな彼が、僕に嫌われないか不安で怯えている。
少しだけ人の気持ちを、"心"という感情を理解し始めたのかもしれない。
僕はツギハギの手を握りしめたまま言葉を続けた。
「あの時言ったよね、全部受け入れるって。だから……。
____僕にも真人の罪を背負わせて」
強く、訴えるように話す。
すると、真人はやっと口を開いた。
「……いいの?そしたら、紫苑は人間と敵対することになるんだよ……?
今まで、君が生きていた世界を壊すことに……」
伏せていた目を上げれば、不安げに揺れる青と灰の瞳と視線が交わる。
そんな真人を安心させたくて僕は微笑んだ。
「いいよ。僕にとっては真人の幸せが大事だから。
自分の飼い猫が、その仲間達が幸せに暮らせない世界なんて……きっと、最初から壊れてる」
そう言って自分から真人を抱きしめた。
体格差があるから全身を覆うことは難しいけれど、よしよしとゆっくり背中を撫でてあげる。
「紫苑……!……ありがとう、大好きだよ」
そしたら、真人は皆んなが見ている前で僕の頬に手を添え。
触れるだけの優しいキスをしてきた。
チュ、と小さなリップ音だけが響いて僕は思わず赤面してしまう。
「……っ!?ねぇ、他の皆んなも見てるんだけど……?」
「二人ともお熱いねぇ。ははっ、羨ましい限りだよ」
「どうぞ、私達のことはお構いなく」
「ぶぅー?」
「あ、ごめん!その、紫苑に愛されてるって分かってつい……嬉しすぎて……!」
夏油はニヤニヤしながら冷やかしてくるし、花御は陀艮の目を隠しながらも照れていた。
真人もいつもの余裕そうな表情と違って赤面しているし。
僕も周囲の反応に恥ずかしくなっていると。
「……儂はまだお前のことなど認めんからなっ!」
『ふんっ!』とそっぽを向き、漏瑚は先に帰ってしまった。
「全く、漏瑚も頭が固いねぇ。こんなに好き合っているというのに。呪いと人の恋も認めてあげたっていいじゃないか」
「漏瑚は真人に色々な意味で期待していますから」
「む、絶対に紫苑のこと認めさせてやる!」
夏油としては僕と真人の関係に反対する理由もないらしい。
とりあえず、花御には認めてもらえたからこれで良かったかな。
「何だか、親に結婚を申し込みに来た彼氏になった気分だよ……」
「おや?それじゃあ真人がお嫁さんというわけかい?」
「えー?どちらかというと、紫苑の方が俺のお嫁さんなんだけど??」
そんなことを話しながら、再び陀艮の生得領域である南国のビーチに戻った。
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南国の風を感じる暖かいビーチ。
他の特級呪霊達に見守られながら、僕は夏油と対峙していた。
「それで、紫苑君。君も私達の計画に協力してくれるってことでいいかい?」
「うん。それが真人の為になるなら」
「よし、これで君は今日から私達の仲間だ。
____これからよろしく頼むよ、紫苑」
僕の返事を聞いて夏油は口角を上げる。
生前の夏油とは仲間にならず、こうして死後に協力する関係になったから皮肉なものだと思う。
その日、僕は正式に呪霊達の仲間として認められた。
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