雨と猫
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【真人 side】
しとしと____
と、音を立てながら空から雫が落ちてくる。
太陽を隠す分厚い灰色の雲で染められた空、人間はこの現象を雨と呼ぶらしい。
「雨、降ってきちゃったな〜。もう少し遊びたかったけど」
そう言って下を見るとじわりじわりと血溜まりが広がっていっていた。
辺りには人だった肉片が転がっている。
「雨は嫌いだなぁ。服が濡れるし。
ま、こんなに返り血を浴びちゃったら意味無いか!」
『あはは』と、一人乾いた笑い声をあげればその声は狭い路地裏内に反響した。
当然返事などはなく俺は次の遊びを考える。
人間を使った楽しい遊び……そういえばアレなんかどうかな?
妙案が思いついたのでおもむろに服を脱ぎはじめた。
「ちょうど良かった!試したいことがあったんだよね」
その辺に服を脱ぎ捨てると、擬態する生き物をイメージする。
ここに来るまでにすれ違った野良猫。
あいつは俺の殺気を感じ取ったのか、さっさと何処かへ逃げて行ってしまったけど。
参考にさせてもらおう。
「自分より格下の獣如きに襲われて、死の恐怖を感じた時……人間はどんな表情 をするかなぁ」
趣味の悪い妄想に口角を上げ、人が愛してやまない生物に体を変化させていく。
ピンと立った獣耳、ふわふわの体毛に長いヒゲ、瞳孔が縦に開いたオッドアイ____
我ながら完璧に変化できたと思う。
その自信と共に俺は路地裏を駆けていった。
__________
雨が降る寂れた公園にて____
愛らしく『にゃーん』と鳴いてみれば、さっそく1人の少年がこちらに近づいてきた。
「__猫?」
俺に殺されることが決定した哀れな人間の顔を拝んでやろうと顔をあげれば。
そこには、雨降る灰色の世界の中。
花のように可憐な桜色の瞳の少年がいて。
俺はその瞳のあまりの綺麗さに一瞬、息を呑む。
再度、甘えるような声で鳴きつつ足元に擦り寄ると、少年はしゃがんで俺を撫で始めた。
「でも、こんな毛色の猫は見たことないし気配からして呪霊だよね……」
完璧に化けたと思ったのに正体を見破られてしまった。
俺は思わず殺気を出すけど、少年は撫でる手を止めない。
「うち、ペット不可のマンションだけど呪霊なら飼ってもいいかな」
あろうことか、呪霊だと分かった上で俺を家に招く。
こいつの家でゆっくりいたぶってやるのも悪くないと思いつつ、少年の甘い香りに惹かれた俺はついて行くことにした。
__________
少年が『ただいま』と声をかけながらどこかの部屋に入る。
どうやら、ここはマンションの一室らしい。
「(見た感じ他に人間はいなさそうだな)」
他に獲物がおらずガッカリするけど、少年と2人きりなことに心が踊った。
これなら邪魔が入ることなくゆっくりといたぶってやれる。
キッチンにいた少年が猫用の餌を運んできても無視して手に擦り寄る。
少年はそんな俺を抱き上げて風呂に向かい、そして、俺がいるにも関わらず目の前で服を脱ぎ始めた。
「(よく見たらこの人間……意外といい体してる)」
白い肌に華奢だけど均整の取れた筋肉。
胸の上にはピンクの突起が控えめに存在を主張しており、見る者を誘う色香を放つ。
その柔肌に爪を立てたらどんな反応をするかな。
首筋を噛んだら泣いて嫌がるかな?きっと、君の肌には赤い血の色が映えるだろうね。
嗜虐心を煽られた俺がまじまじと観察していると、少年は顔を赤くして腰をタオルで隠してしまった。
「(今すぐ元に戻って襲ってやってもいいけど、これはこれで……)」
今なら人間たちが何故、毎日熱心に風呂に入るのかわかる気がする。
いい香りのするシャンプーで泡もこにされ、ドライヤーで丁寧に乾かされた俺は至福感を味わっていた。
風呂から出た後も懲りずに少年へとまとわりついていればリビングへと向かう。
そして、また飽きもせず俺のふわさらになった体を触り始めた。
上機嫌な俺は寝転がり、腹も触らせてやる。
いつの間にかゴロゴロと喉も鳴らし少年の手を歓迎していた。
「(俺もすっかり猫に慣れてきたなぁ〜)」
しばらくじゃれ合った後、もう寝る時間だと寝室へ向かった。
寝室の扉を開けてもらい先に寝心地の良さそうなベッドに飛び乗る。
毛布の中に入り込むと、そこは少年の甘い不思議な香りで満たされていた。
少年は自分のベッドだというのに遠慮がちに入ってきて、俺の隣で眠る。
「(あーあ、俺の前で寝顔なんか晒しちゃって。でも、今日は見逃しといてあげる)」
呪いの前ですやすやと寝息を立てる少年に毒気を抜かれた俺はまぶたを閉じた。
そうして、俺も少年の隣で眠りについた。
__________
しとしと____
と、音を立てながら空から雫が落ちてくる。
太陽を隠す分厚い灰色の雲で染められた空、人間はこの現象を雨と呼ぶらしい。
「雨、降ってきちゃったな〜。もう少し遊びたかったけど」
そう言って下を見るとじわりじわりと血溜まりが広がっていっていた。
辺りには人だった肉片が転がっている。
「雨は嫌いだなぁ。服が濡れるし。
ま、こんなに返り血を浴びちゃったら意味無いか!」
『あはは』と、一人乾いた笑い声をあげればその声は狭い路地裏内に反響した。
当然返事などはなく俺は次の遊びを考える。
人間を使った楽しい遊び……そういえばアレなんかどうかな?
妙案が思いついたのでおもむろに服を脱ぎはじめた。
「ちょうど良かった!試したいことがあったんだよね」
その辺に服を脱ぎ捨てると、擬態する生き物をイメージする。
ここに来るまでにすれ違った野良猫。
あいつは俺の殺気を感じ取ったのか、さっさと何処かへ逃げて行ってしまったけど。
参考にさせてもらおう。
「自分より格下の獣如きに襲われて、死の恐怖を感じた時……人間はどんな
趣味の悪い妄想に口角を上げ、人が愛してやまない生物に体を変化させていく。
ピンと立った獣耳、ふわふわの体毛に長いヒゲ、瞳孔が縦に開いたオッドアイ____
我ながら完璧に変化できたと思う。
その自信と共に俺は路地裏を駆けていった。
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雨が降る寂れた公園にて____
愛らしく『にゃーん』と鳴いてみれば、さっそく1人の少年がこちらに近づいてきた。
「__猫?」
俺に殺されることが決定した哀れな人間の顔を拝んでやろうと顔をあげれば。
そこには、雨降る灰色の世界の中。
花のように可憐な桜色の瞳の少年がいて。
俺はその瞳のあまりの綺麗さに一瞬、息を呑む。
再度、甘えるような声で鳴きつつ足元に擦り寄ると、少年はしゃがんで俺を撫で始めた。
「でも、こんな毛色の猫は見たことないし気配からして呪霊だよね……」
完璧に化けたと思ったのに正体を見破られてしまった。
俺は思わず殺気を出すけど、少年は撫でる手を止めない。
「うち、ペット不可のマンションだけど呪霊なら飼ってもいいかな」
あろうことか、呪霊だと分かった上で俺を家に招く。
こいつの家でゆっくりいたぶってやるのも悪くないと思いつつ、少年の甘い香りに惹かれた俺はついて行くことにした。
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少年が『ただいま』と声をかけながらどこかの部屋に入る。
どうやら、ここはマンションの一室らしい。
「(見た感じ他に人間はいなさそうだな)」
他に獲物がおらずガッカリするけど、少年と2人きりなことに心が踊った。
これなら邪魔が入ることなくゆっくりといたぶってやれる。
キッチンにいた少年が猫用の餌を運んできても無視して手に擦り寄る。
少年はそんな俺を抱き上げて風呂に向かい、そして、俺がいるにも関わらず目の前で服を脱ぎ始めた。
「(よく見たらこの人間……意外といい体してる)」
白い肌に華奢だけど均整の取れた筋肉。
胸の上にはピンクの突起が控えめに存在を主張しており、見る者を誘う色香を放つ。
その柔肌に爪を立てたらどんな反応をするかな。
首筋を噛んだら泣いて嫌がるかな?きっと、君の肌には赤い血の色が映えるだろうね。
嗜虐心を煽られた俺がまじまじと観察していると、少年は顔を赤くして腰をタオルで隠してしまった。
「(今すぐ元に戻って襲ってやってもいいけど、これはこれで……)」
今なら人間たちが何故、毎日熱心に風呂に入るのかわかる気がする。
いい香りのするシャンプーで泡もこにされ、ドライヤーで丁寧に乾かされた俺は至福感を味わっていた。
風呂から出た後も懲りずに少年へとまとわりついていればリビングへと向かう。
そして、また飽きもせず俺のふわさらになった体を触り始めた。
上機嫌な俺は寝転がり、腹も触らせてやる。
いつの間にかゴロゴロと喉も鳴らし少年の手を歓迎していた。
「(俺もすっかり猫に慣れてきたなぁ〜)」
しばらくじゃれ合った後、もう寝る時間だと寝室へ向かった。
寝室の扉を開けてもらい先に寝心地の良さそうなベッドに飛び乗る。
毛布の中に入り込むと、そこは少年の甘い不思議な香りで満たされていた。
少年は自分のベッドだというのに遠慮がちに入ってきて、俺の隣で眠る。
「(あーあ、俺の前で寝顔なんか晒しちゃって。でも、今日は見逃しといてあげる)」
呪いの前ですやすやと寝息を立てる少年に毒気を抜かれた俺はまぶたを閉じた。
そうして、俺も少年の隣で眠りについた。
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