雨と猫
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夏油に連れられてやってきた人気のない空き地。
周囲は背の高いマンションの廃墟が立ち並んでいる為、人の目も入りずらい。
廃墟が太陽の光を遮るせいで昼間だというの不気味なほど暗かった。
「ねぇ、今から見せるけど……本当に俺のこと嫌いになったりしない?別れるって言ったりしない?」
「大丈夫だよ」
「ふん、どうだか。口では何とでも言えるからな」
「ちょっと漏瑚!不安になること言わないでよ!」
しばらくそうした押し問答が続く。
真人としては例の"改造人間"をどうしても僕に見せたくないらしい。
でも、これからも真人と一緒にいるならいつかは知らないといけないことだった。
僕は前世の知識で改造人間のことを知っているから、見てもそんなに衝撃ではないと思う。
「俺、紫苑に捨てられて捨て猫になっちゃうのは嫌だよ……」
「そんなことしないよ。ちゃんと拾った猫には責任を持たないとね、僕は真人の飼い主なんだから」
安心させたくて猫耳の生えた頭を撫でてあげる。
真人は乗り気ではなさそうだったけど、意を決したように『おえっ』と、口から小さな欠片を吐き出した。
そして、欠片はみるみる大きくなっていき改造人間へと姿を変える。
「これが……?」
「……改造人間。俺の術式"無為転変 "で姿を変えた、元人間だよ」
おおよそ人間としての形を保てていない、おぞましい化け物がそこにいた。
実物は初めて見たけどその異様さに思わず足がすくむ。
前世の知識で知ってたとはいえ、あまりに不気味な化け物に僕は身震いした。
真人はというと。
罰の悪そうな顔をして、僕から目を逸らしうつむいていた。
__________
初めて目にした改造人間。
一目見ただけであとはもう死ぬことしか出来ない哀れな駒だということが分かる。
真人が命令してないからか、改造人間は特に暴れる様子もなくその場に佇んでいた。
「襲ってはこないのかな。"これ"は元の姿に戻したり出来るの……?」
「……」
真人にそう問いかけたらふるふると首を横に振った。
よく見ると、アニメや漫画で見たものより少し形が不安定であちこち崩れかけている。
真人はまだ自分の術式を上手く扱えていないのかもしれない。
それでも、グロテスクなものが苦手だから吐き気が込み上げてくる。
なるべく冷静になれるよう僕は目を閉じて深呼吸をした。
「紫苑……」
「ぶぅ……」
一緒についてきてくれていた花御と陀艮が心配そうに僕の名前を呼んだ。
真人は相変わらず俯いたまま黙っている。
そんな様子を見かねてか、漏瑚が僕に向かって話しかけてきた。
「驚いて言葉も出んか。まぁ、そうだろうな。儂ら呪霊は本能のままに人間を襲う、それは真人とて同様。
お前もこうなりたくなければ身を引き……」
「____"崩壊 "」
漏瑚の言葉をさえぎり、僕は自分の術式を改造人間に向けて発動させる。
防御することも出来ないまま、哀れな駒は一瞬で光の粒となって消えていった。
ちゃんと"崩壊"で消えたのを確認してから僕は真人に歩み寄った。
__________
周囲は背の高いマンションの廃墟が立ち並んでいる為、人の目も入りずらい。
廃墟が太陽の光を遮るせいで昼間だというの不気味なほど暗かった。
「ねぇ、今から見せるけど……本当に俺のこと嫌いになったりしない?別れるって言ったりしない?」
「大丈夫だよ」
「ふん、どうだか。口では何とでも言えるからな」
「ちょっと漏瑚!不安になること言わないでよ!」
しばらくそうした押し問答が続く。
真人としては例の"改造人間"をどうしても僕に見せたくないらしい。
でも、これからも真人と一緒にいるならいつかは知らないといけないことだった。
僕は前世の知識で改造人間のことを知っているから、見てもそんなに衝撃ではないと思う。
「俺、紫苑に捨てられて捨て猫になっちゃうのは嫌だよ……」
「そんなことしないよ。ちゃんと拾った猫には責任を持たないとね、僕は真人の飼い主なんだから」
安心させたくて猫耳の生えた頭を撫でてあげる。
真人は乗り気ではなさそうだったけど、意を決したように『おえっ』と、口から小さな欠片を吐き出した。
そして、欠片はみるみる大きくなっていき改造人間へと姿を変える。
「これが……?」
「……改造人間。俺の術式"
おおよそ人間としての形を保てていない、おぞましい化け物がそこにいた。
実物は初めて見たけどその異様さに思わず足がすくむ。
前世の知識で知ってたとはいえ、あまりに不気味な化け物に僕は身震いした。
真人はというと。
罰の悪そうな顔をして、僕から目を逸らしうつむいていた。
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初めて目にした改造人間。
一目見ただけであとはもう死ぬことしか出来ない哀れな駒だということが分かる。
真人が命令してないからか、改造人間は特に暴れる様子もなくその場に佇んでいた。
「襲ってはこないのかな。"これ"は元の姿に戻したり出来るの……?」
「……」
真人にそう問いかけたらふるふると首を横に振った。
よく見ると、アニメや漫画で見たものより少し形が不安定であちこち崩れかけている。
真人はまだ自分の術式を上手く扱えていないのかもしれない。
それでも、グロテスクなものが苦手だから吐き気が込み上げてくる。
なるべく冷静になれるよう僕は目を閉じて深呼吸をした。
「紫苑……」
「ぶぅ……」
一緒についてきてくれていた花御と陀艮が心配そうに僕の名前を呼んだ。
真人は相変わらず俯いたまま黙っている。
そんな様子を見かねてか、漏瑚が僕に向かって話しかけてきた。
「驚いて言葉も出んか。まぁ、そうだろうな。儂ら呪霊は本能のままに人間を襲う、それは真人とて同様。
お前もこうなりたくなければ身を引き……」
「____"
漏瑚の言葉をさえぎり、僕は自分の術式を改造人間に向けて発動させる。
防御することも出来ないまま、哀れな駒は一瞬で光の粒となって消えていった。
ちゃんと"崩壊"で消えたのを確認してから僕は真人に歩み寄った。
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