雨と猫
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何かに上着を引っ張られているのを感じた僕は後ろへ振り返った。
すると、そこにはさっきまで大木のような呪霊の側にいた、蛸のような呪霊がいて。
僕と目が合えばその呪霊はまた鳴き声を上げた。
「えっと……?僕に何か用かな」
「ぶー!」
呪霊はそっと触手のようなものを僕の前に差し出す。
どうしたらいいのか分からず、困惑していると『ぶ!』とせがむようにまた鳴かれた。
もしかしたら、この呪霊も夏油を真似て挨拶をしたいのかも。
「挨拶……のつもりなのかな?よろしくね」
「ぶぶー!」
僕も手を差し出して握り返せば喜んでいるようだった。
嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねてみせる。
どうやら、この呪霊も挨拶をしたかったで正解だったらしい。
何だか可愛く思えてきて微笑めば、大木を思わせる背丈の呪霊も僕の側にやって来た。
「陀艮は懐いているようですね。初めまして、人の児よ。
__私は花御。真人の仲間であり、人が森を畏怖する感情から生まれた呪霊です」
何かされるかもと少し身構えてしまう。
そんな警戒心を見透かしたように、頭の中に直接言葉が流れ込んできた。
強そうな見た目とは裏腹に凛とした女性のような声に思える。
アニメ版の呪術廻戦を見ていなかったら、声と見た目のギャップに驚いていたかもしれない。
花御と名乗ったその呪霊も僕に手を差し出してきた。
「猫宮 紫苑です、花御さん。この子は陀艮っていうんですね」
「どうぞ私のことは花御と。貴方も私達の仲間なのですから」
「ぶ〜!」
どうやら、この二人は僕のことを受け入れてくれたらしい。
花御とも握手をしたら木のような温もりを感じた。
さっきまでの殺伐とした雰囲気とは違い、花御と陀艮からは和やかな空気を感じる。
もっと話してみたいな。
と、思って口を開こうとしたら僕達の会話に真人も混ざってきた。
「花御と陀艮はさっそく仲良くなってんじゃん。可愛いでしょ〜?俺の飼い主は♪」
「ふざけているのか真人ォ!!人間を主と呼ぶなど……!」
漏瑚と呼ばれた火山頭の呪霊は真人の発言にキレている。
まぁ、漏瑚は特に人間嫌いだったし仕方ない反応なのかも。
真人は僕のことを本当の意味での主だとは思っていないだろうし、そこまで怒る必要はないんだけどね。
それでも怒っている漏瑚に話しかけるほどの勇気はないので、見守っていれば夏油が茶々を入れてきた。
「ふむ、確かに紫苑君は可愛いよね。私も初めて君を見た時、花のように可憐な子だなと思ったんだよ。
真人もゾッコンのようだし、漏瑚も受け入れてあげたらどうだい?」
「夏油はお触り禁止ー!!」
本心かどうかは分からなくても、夏油には可愛いと思われていたらしい。
夏油は僕の頭を撫でてきたけど真人がそれを払いのける。
それはそうと、漏瑚はその発言を聞いて更に怒りを募らせているようだった。
「揃いも揃って人間にほだされおって……!!そもそも、お前は真人の本性を知って一緒にいるのか!?」
「……僕?」
「貴様以外おらんだろう!」
急に漏瑚の怒りの矛先が僕へと向かう。
反論したりするのは怖いけど、真人のこととなれば話は別だった。
「その、直接は見たことないけど……」
僕は真人が裏で何をしているのか知っている。
だけど、直接人を殺めた所は見たことがなかった。
それを伝えれば漏瑚はニヤリと笑い。
「真人よ、こやつもアレを見たら逃げ出すわい」
「……言っとくけど、紫苑には見せないから。嫌われたくないし」
漏瑚の意図を察した真人はそれを拒否する。
でも、僕だって真人との仲を疑われるのは我慢できない。
「いいよ、真人の全部……僕に見せて」
「……それなら場所を移そうか」
自分から提案したら、夏油に人気のない空き地へ行こうと誘われた。
僕の真人への思いを証明する為、僕もついて行くことにした。
__________
すると、そこにはさっきまで大木のような呪霊の側にいた、蛸のような呪霊がいて。
僕と目が合えばその呪霊はまた鳴き声を上げた。
「えっと……?僕に何か用かな」
「ぶー!」
呪霊はそっと触手のようなものを僕の前に差し出す。
どうしたらいいのか分からず、困惑していると『ぶ!』とせがむようにまた鳴かれた。
もしかしたら、この呪霊も夏油を真似て挨拶をしたいのかも。
「挨拶……のつもりなのかな?よろしくね」
「ぶぶー!」
僕も手を差し出して握り返せば喜んでいるようだった。
嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねてみせる。
どうやら、この呪霊も挨拶をしたかったで正解だったらしい。
何だか可愛く思えてきて微笑めば、大木を思わせる背丈の呪霊も僕の側にやって来た。
「陀艮は懐いているようですね。初めまして、人の児よ。
__私は花御。真人の仲間であり、人が森を畏怖する感情から生まれた呪霊です」
何かされるかもと少し身構えてしまう。
そんな警戒心を見透かしたように、頭の中に直接言葉が流れ込んできた。
強そうな見た目とは裏腹に凛とした女性のような声に思える。
アニメ版の呪術廻戦を見ていなかったら、声と見た目のギャップに驚いていたかもしれない。
花御と名乗ったその呪霊も僕に手を差し出してきた。
「猫宮 紫苑です、花御さん。この子は陀艮っていうんですね」
「どうぞ私のことは花御と。貴方も私達の仲間なのですから」
「ぶ〜!」
どうやら、この二人は僕のことを受け入れてくれたらしい。
花御とも握手をしたら木のような温もりを感じた。
さっきまでの殺伐とした雰囲気とは違い、花御と陀艮からは和やかな空気を感じる。
もっと話してみたいな。
と、思って口を開こうとしたら僕達の会話に真人も混ざってきた。
「花御と陀艮はさっそく仲良くなってんじゃん。可愛いでしょ〜?俺の飼い主は♪」
「ふざけているのか真人ォ!!人間を主と呼ぶなど……!」
漏瑚と呼ばれた火山頭の呪霊は真人の発言にキレている。
まぁ、漏瑚は特に人間嫌いだったし仕方ない反応なのかも。
真人は僕のことを本当の意味での主だとは思っていないだろうし、そこまで怒る必要はないんだけどね。
それでも怒っている漏瑚に話しかけるほどの勇気はないので、見守っていれば夏油が茶々を入れてきた。
「ふむ、確かに紫苑君は可愛いよね。私も初めて君を見た時、花のように可憐な子だなと思ったんだよ。
真人もゾッコンのようだし、漏瑚も受け入れてあげたらどうだい?」
「夏油はお触り禁止ー!!」
本心かどうかは分からなくても、夏油には可愛いと思われていたらしい。
夏油は僕の頭を撫でてきたけど真人がそれを払いのける。
それはそうと、漏瑚はその発言を聞いて更に怒りを募らせているようだった。
「揃いも揃って人間にほだされおって……!!そもそも、お前は真人の本性を知って一緒にいるのか!?」
「……僕?」
「貴様以外おらんだろう!」
急に漏瑚の怒りの矛先が僕へと向かう。
反論したりするのは怖いけど、真人のこととなれば話は別だった。
「その、直接は見たことないけど……」
僕は真人が裏で何をしているのか知っている。
だけど、直接人を殺めた所は見たことがなかった。
それを伝えれば漏瑚はニヤリと笑い。
「真人よ、こやつもアレを見たら逃げ出すわい」
「……言っとくけど、紫苑には見せないから。嫌われたくないし」
漏瑚の意図を察した真人はそれを拒否する。
でも、僕だって真人との仲を疑われるのは我慢できない。
「いいよ、真人の全部……僕に見せて」
「……それなら場所を移そうか」
自分から提案したら、夏油に人気のない空き地へ行こうと誘われた。
僕の真人への思いを証明する為、僕もついて行くことにした。
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