雨と猫
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真人はニコニコしているけど、突然現れた呪霊達に戸惑っていると。
頭に縫い目のある因縁の相手が胡散臭い笑みを浮かべたまま、僕達に近づいてきた。
「まさか、こんなところで再会することになるとは思わなかったよ。
君とは少し前に会ったことがあるね?改めて、夏油 傑だ。よろしく」
そう言って夏油は笑顔で手を差し出す。
だけど、額には縫い目があるし中身は……既に入れ替わっているのだろう。
特級呪詛師である夏油 傑は、去年の"百鬼夜行"の際に五条先生によって一度殺されている。
相手は本当の名前を僕に名乗る気はないらしいけど、前世の知識で夏油の体を乗っ取ったのは"羂索"と呼ばれる呪詛師であることは知っていた。
知っているといっても、前世の記憶は曖昧な上、呪術廻戦の話が完結する前に転生してしまったから詳しいことは知らない。
ただ、人の死体を乗っ取り平安時代から生き永らえている呪詛師だということは覚えていた。
とりあえず、何かのはずみで名前を言い間違えると不味いので、前と同じく夏油と呼ぶことにした。
乗っ取った体の記憶も引き継がれているらしく、夏油は知り合いの風に話しかけてくる。
「夏油……生きてたんだ。てっきり、五条先生に殺されたものだと思ってたのに。
でも、襲ってきた人と仲良くすると思う?」
「ははっ、手厳しいね」
中に入っている人間は違うとしても、少し仕返しがしてやりたくて襲撃された時のことを咎めた。
すると、側で聞いていた真人が驚く。
「えっ、前に紫苑を襲ったのって夏油なの?
……ふーん。じゃあ、漏瑚達には悪いけど夏油にはここで消えてもらおっか」
僕と夏油の関係を察した真人が守ってくれるかのように前に出る。
真人は腕を刃に変形させ、夏油の首に突きつけた。
夏油は真人に僕のことを話していなかったのだろう。
まさか、以前襲撃した人間と真人が関係あるなんてさすがに予想外だよね。
「やれやれ、誤解なんだからそう怒らないでくれよ。最初からこの子が真人のものだって知ってたら手を出さなかったさ」
夏油は抵抗する様子もなく、両手を上げて降参している。
だけど、静かな怒りを滲ませる真人は腕を降ろすことなく、更に夏油の首元へと刃を食い込ませた。
刃と化した腕ははかなり切れ味がいいのか、夏油の首元が薄く傷つけられ血が滴り落ちる。
一触即発の空気の中。
急に真人の腕が弾かれたかと思えば、二人の間に富士山のような呪霊が割り込んできた。
「やめんか真人ッ……!たかが人間一人の為に儂らの計画を無駄にするつもりか!?」
「……漏瑚は黙っててくれる?俺にとって紫苑は一番大事な存在なんだ」
「此奴が計画に必要なのはいくらお前とて分かるだろう!?」
僕と夏油の間で言い争いを始めた火山頭の呪霊と真人。
更に悪化した雰囲気に、夏油は困ったようにチラッと僕の方へと視線をよこした。
「……はぁ、もういいよ。今の夏油には敵対するつもりはないみたいだし」
「 えー?でも、紫苑がそう言うなら……」
「助かったよ紫苑君。君は私の命の恩人だね」
真人の腕を押さえ脅迫をやめさせる。
そしたら、夏油は両手で恭しく僕の手を握った。
僕が反応するより早く手を握られ驚いていると、隣で見ていた真人が声を上げた。
「はぁ!?何勝手に紫苑に触ってんの?」
「何って、感謝の意を伝えたかっただけだよ。変なことはしてないさ」
夏油が僕の手を握ったことが許せないのか、また喧嘩しそうな二人をなだめていると。
「ぶーぶぅー」
そんな鳴き声が聞こえてきたかと思えば、僕の上着を何かが引っ張った。
__________
頭に縫い目のある因縁の相手が胡散臭い笑みを浮かべたまま、僕達に近づいてきた。
「まさか、こんなところで再会することになるとは思わなかったよ。
君とは少し前に会ったことがあるね?改めて、夏油 傑だ。よろしく」
そう言って夏油は笑顔で手を差し出す。
だけど、額には縫い目があるし中身は……既に入れ替わっているのだろう。
特級呪詛師である夏油 傑は、去年の"百鬼夜行"の際に五条先生によって一度殺されている。
相手は本当の名前を僕に名乗る気はないらしいけど、前世の知識で夏油の体を乗っ取ったのは"羂索"と呼ばれる呪詛師であることは知っていた。
知っているといっても、前世の記憶は曖昧な上、呪術廻戦の話が完結する前に転生してしまったから詳しいことは知らない。
ただ、人の死体を乗っ取り平安時代から生き永らえている呪詛師だということは覚えていた。
とりあえず、何かのはずみで名前を言い間違えると不味いので、前と同じく夏油と呼ぶことにした。
乗っ取った体の記憶も引き継がれているらしく、夏油は知り合いの風に話しかけてくる。
「夏油……生きてたんだ。てっきり、五条先生に殺されたものだと思ってたのに。
でも、襲ってきた人と仲良くすると思う?」
「ははっ、手厳しいね」
中に入っている人間は違うとしても、少し仕返しがしてやりたくて襲撃された時のことを咎めた。
すると、側で聞いていた真人が驚く。
「えっ、前に紫苑を襲ったのって夏油なの?
……ふーん。じゃあ、漏瑚達には悪いけど夏油にはここで消えてもらおっか」
僕と夏油の関係を察した真人が守ってくれるかのように前に出る。
真人は腕を刃に変形させ、夏油の首に突きつけた。
夏油は真人に僕のことを話していなかったのだろう。
まさか、以前襲撃した人間と真人が関係あるなんてさすがに予想外だよね。
「やれやれ、誤解なんだからそう怒らないでくれよ。最初からこの子が真人のものだって知ってたら手を出さなかったさ」
夏油は抵抗する様子もなく、両手を上げて降参している。
だけど、静かな怒りを滲ませる真人は腕を降ろすことなく、更に夏油の首元へと刃を食い込ませた。
刃と化した腕ははかなり切れ味がいいのか、夏油の首元が薄く傷つけられ血が滴り落ちる。
一触即発の空気の中。
急に真人の腕が弾かれたかと思えば、二人の間に富士山のような呪霊が割り込んできた。
「やめんか真人ッ……!たかが人間一人の為に儂らの計画を無駄にするつもりか!?」
「……漏瑚は黙っててくれる?俺にとって紫苑は一番大事な存在なんだ」
「此奴が計画に必要なのはいくらお前とて分かるだろう!?」
僕と夏油の間で言い争いを始めた火山頭の呪霊と真人。
更に悪化した雰囲気に、夏油は困ったようにチラッと僕の方へと視線をよこした。
「……はぁ、もういいよ。今の夏油には敵対するつもりはないみたいだし」
「 えー?でも、紫苑がそう言うなら……」
「助かったよ紫苑君。君は私の命の恩人だね」
真人の腕を押さえ脅迫をやめさせる。
そしたら、夏油は両手で恭しく僕の手を握った。
僕が反応するより早く手を握られ驚いていると、隣で見ていた真人が声を上げた。
「はぁ!?何勝手に紫苑に触ってんの?」
「何って、感謝の意を伝えたかっただけだよ。変なことはしてないさ」
夏油が僕の手を握ったことが許せないのか、また喧嘩しそうな二人をなだめていると。
「ぶーぶぅー」
そんな鳴き声が聞こえてきたかと思えば、僕の上着を何かが引っ張った。
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