雨と猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
一月も瞬く間に過ぎ、二月も中旬に入った頃。
学校も高専も休みのある日。
リビングでテレビを見ながらくつろいでいると、玄関からガチャりとドアの開く音が聞こえた。
今朝から出かけていた真人が帰ってきたらしい。
最近の真人はこうして一人でどこかに出かけることが多くなっていた。
どこに行っているのか聞いても『内緒だよ♪でも、楽しいところさ』と、はぐらかされるから詳しくは聞かないけど。
迎えに行こうか迷っていると一足早く、真人がリビングに入ってきた。
「たっだいまー!
ねぇ、今ひま?紫苑に紹介したい人がいるからついてきてくれない?」
「おかえり。別にいいけど……どこに行くの?」
「それはついてからのお楽しみ!ってことで、さっそく出かけようか」
何故か上機嫌な真人に手を引かれ家を出る。
どこに連れていかれるのか分からないまま、僕は大人しく真人について行っていた。
__________
しばらく歩いて、築十年は経っているであろう古びたマンションへと連れてこられた。
呪霊の真人にはセンサーが反応しないのでエレベーターは使わず、外階段を上がっていく。
どことなく見覚えのある風景に僕は不安を感じていた。
「ねぇ、いい加減どこに連れていく気なのか教えてよ。これじゃあ不法侵入だよ」
「あともう少しだから!ほら、もう着いたよ」
ドアが立ち並ぶマンションの廊下で、真人は一つのドアノブに手をかけた。
そのまま真人が軋むドアを開けると。
そこは真冬だというのに晴れ渡った青空、太陽の光が惜しげもなく降り注ぐ、南国の暖かなビーチが広がっていた。
「マンションの部屋の中に……海??いったいどうなっているの……いや、それならここは……」
「__おや、真人。その子が君の言っていた人かい?」
あまりの景色よ変わりように驚いていると、真人が腰に手を回してきてそのまま砂浜へと足を踏み入れた。
辺りを見回していると、頭に縫い目のある、袈裟を着た見覚えのある男が僕達を出迎えてくれる。
その男の他にも特級呪霊であろう三人の呪霊が訝しげにこちらを見ていた。
「まさか、本当に人間を連れてくるとは……!」
「__まぁ、まずは落ち着きましょう」
「ぶぶぅー!」
頭の火山から今にも火が吹きでそうな呪霊を、大木のように体の大きな呪霊がなだめている。
その呪霊の側には赤い蛸のような呪霊もいて、本編に登場するキャラクター達で間違いはなさそうだった。
ただ、普通のキャラクターならまだしもこの空間にいるのは主人公と対峙することになる、悪役達で。
僕は思わず真人へと振り返った。
「真人、これって……」
真人は僕の驚いた顔を見ると、まるで安心させるかのようににっこりと笑って見せ。
「あぁ、心配しないで紫苑。皆んな俺の誇れる仲間達だからさ!」
__________
学校も高専も休みのある日。
リビングでテレビを見ながらくつろいでいると、玄関からガチャりとドアの開く音が聞こえた。
今朝から出かけていた真人が帰ってきたらしい。
最近の真人はこうして一人でどこかに出かけることが多くなっていた。
どこに行っているのか聞いても『内緒だよ♪でも、楽しいところさ』と、はぐらかされるから詳しくは聞かないけど。
迎えに行こうか迷っていると一足早く、真人がリビングに入ってきた。
「たっだいまー!
ねぇ、今ひま?紫苑に紹介したい人がいるからついてきてくれない?」
「おかえり。別にいいけど……どこに行くの?」
「それはついてからのお楽しみ!ってことで、さっそく出かけようか」
何故か上機嫌な真人に手を引かれ家を出る。
どこに連れていかれるのか分からないまま、僕は大人しく真人について行っていた。
__________
しばらく歩いて、築十年は経っているであろう古びたマンションへと連れてこられた。
呪霊の真人にはセンサーが反応しないのでエレベーターは使わず、外階段を上がっていく。
どことなく見覚えのある風景に僕は不安を感じていた。
「ねぇ、いい加減どこに連れていく気なのか教えてよ。これじゃあ不法侵入だよ」
「あともう少しだから!ほら、もう着いたよ」
ドアが立ち並ぶマンションの廊下で、真人は一つのドアノブに手をかけた。
そのまま真人が軋むドアを開けると。
そこは真冬だというのに晴れ渡った青空、太陽の光が惜しげもなく降り注ぐ、南国の暖かなビーチが広がっていた。
「マンションの部屋の中に……海??いったいどうなっているの……いや、それならここは……」
「__おや、真人。その子が君の言っていた人かい?」
あまりの景色よ変わりように驚いていると、真人が腰に手を回してきてそのまま砂浜へと足を踏み入れた。
辺りを見回していると、頭に縫い目のある、袈裟を着た見覚えのある男が僕達を出迎えてくれる。
その男の他にも特級呪霊であろう三人の呪霊が訝しげにこちらを見ていた。
「まさか、本当に人間を連れてくるとは……!」
「__まぁ、まずは落ち着きましょう」
「ぶぶぅー!」
頭の火山から今にも火が吹きでそうな呪霊を、大木のように体の大きな呪霊がなだめている。
その呪霊の側には赤い蛸のような呪霊もいて、本編に登場するキャラクター達で間違いはなさそうだった。
ただ、普通のキャラクターならまだしもこの空間にいるのは主人公と対峙することになる、悪役達で。
僕は思わず真人へと振り返った。
「真人、これって……」
真人は僕の驚いた顔を見ると、まるで安心させるかのようににっこりと笑って見せ。
「あぁ、心配しないで紫苑。皆んな俺の誇れる仲間達だからさ!」
__________