雨と猫
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朝、小鳥のさえずりに目を覚ます。
気だるい体で寝返りをうてば愛しい猫が微笑みながらでこちらを見つめていた。
「おはよう、紫苑。よく眠ってたね」
寝ぼけ眼でぼーっとしていると昨日の記憶が蘇ってくる。
飼い猫との情事を思い出しているうちに、頬に熱が集まってくるのを感じた。
初めてだというのにあられもない姿を見せてしまったな。
「……おはよ、真人。えっと、昨日はその……」
「ん、とっても可愛かったよ。今も赤くなっちゃって……食べたいくらい♪」
赤面してると抱き寄せられ、おでこにキスされる。
真人の胸に収まっていたら自分のドキドキしてる心臓の音が聞こえてそうで、恥ずかしくてたまらなかった。
「さすがにもうムリだよ。シャワーも浴びたいし……」
「そっかぁ。お風呂は一緒に入ろ?無理をさせちゃったから心配なんだ」
「いい。自分で入れる……うっ!?」
一刻も早くこの場から逃げたくてベッドから降りて立ち上がろうとしたら。
腰に鈍い痛みを感じて転びそうになった。
側にいた真人がすぐに抱き寄せてくれたおかげで無事だったけれど。
「ほら、だから言ったのに。こんな状態で一人でお風呂なんて危ないよ?俺が連れていってあげるから大人しくしててね〜」
「うわっ!?この格好って……」
「あはっ!君ってすごく軽いんだね。こんな細い体で昨日は無理させちゃったなぁ」
膝の下に腕を入れられ、姫抱きの状態で浴室に連れていかれた。
昨夜の情事の後だから二人とも服を着ておらず、恥ずかしくて真人の肩に顔を埋める。
真人にはそんなのお見通しみたいで身元で囁かれた。
「昨日あんなに愛し合ったんだから今さら恥ずかしがらなくてもいいのに。ほら、ついたよ」
「……あれ?真人、その背中の傷って……」
「ん?あぁ、これ?やってる最中に君がつけちゃったんだろうね」
顔を上げ脱衣所の鏡を見れば、真人の背中には僕がつけたであろう、引っかき傷がついていた。
そんなに激しく求めあったのかと恥ずかしくなるけど。
魂の輪郭を掴んでない限り真人を傷つけるのは不可能なはず。
疑問に思いつつもそっとその傷に触れれば、真人はくすぐったそうに身を捩らせた。
「痛くない……?大丈夫?」
「このくらい平気さ。でも、これじゃあどっちが猫なのか分からないね?」
そう冗談を言って笑ってみせる。
それでも、背中の傷が心配で引っかき傷を眺めていれば、真人は僕の首元に指をはわせた。
「君の首元にも俺がつけた痕が残ってるよ?」
「っ!?……もう」
指摘され鏡を見てみたら、僕の首元にも赤い花のような痕がたくさんつけられていた。
その痕をなぞるかのような指使いにまた体が快感を拾い始める。
ただシャワーを浴びるだけなのに、また厭らしく鳴かされてしまっていた。
__________
シャワーを浴びてようやく体の熱も収まってきた。
窓の外は快晴で、深夜に降っていた雪がほんの少し積もっているくらい。
ニュースを見ても特に変わった様子はないし"百鬼夜行"は原作通り高専側の勝利で終わったんだろう。
そう考えながらリビングでくつろいでいると、真人が話しかけてきた。
「あのさ、順番が前後しちゃったけど……俺の告白聞いてくれる?」
「……うん」
そわそわとした様子で真人は手を取り、意を決したように僕をその青と灰の瞳に映した。
「俺、紫苑のことが好きだ。その目も唇も魂も……全部を俺だけのものにしたい。きっと、初めて紫苑に会った時から恋してたんだと思う。
君は人間で、俺は呪いだけど……ずっと一緒にいたいんだ。ねぇ紫苑、俺の恋人になってよ」
そう言ってそっと指を絡めてくる。
僕の答えはもう決まっていた。
返事を待ちわびる真人のツギハギの手を僕も握り返してあげる。
「……僕も真人のことが好きだよ。飼い猫として、家族の一員として。でも、最近になってやっぱりもうひとつの意味でも好きだって気がついたんだ。
だから……こちらこそ、これからは恋人としてよろしくね」
青と灰のオッドアイを見つめながら承諾の返事を伝えれば。
猫耳をピンと立たせて、思い切り僕に抱きついてきた。
大好きな飼い猫の腕に包まれれば自然と頬が緩んだ。
「……!ありがとう……!紫苑、愛してるよ」
今度は愛を確かめるようにそっと触れるだけのキスをされる。
唇を離されるのがなんだか名残惜しくて、僕も真人の頬に手を添えた。
指でツギハギをなぞりながらはにかんでみせる。
「僕も真人を愛してる。飼い猫としても大好きだよ」
降り積った雪が陽の光を浴びてキラキラ煌めく冬の朝、二人の部屋には暖かな空気が満たされていた。
今だけは人と呪いという関係も忘れてしまえるくらい幸せに思える。
そうして、僕達はこの日を境に付き合うことにした。
気だるい体で寝返りをうてば愛しい猫が微笑みながらでこちらを見つめていた。
「おはよう、紫苑。よく眠ってたね」
寝ぼけ眼でぼーっとしていると昨日の記憶が蘇ってくる。
飼い猫との情事を思い出しているうちに、頬に熱が集まってくるのを感じた。
初めてだというのにあられもない姿を見せてしまったな。
「……おはよ、真人。えっと、昨日はその……」
「ん、とっても可愛かったよ。今も赤くなっちゃって……食べたいくらい♪」
赤面してると抱き寄せられ、おでこにキスされる。
真人の胸に収まっていたら自分のドキドキしてる心臓の音が聞こえてそうで、恥ずかしくてたまらなかった。
「さすがにもうムリだよ。シャワーも浴びたいし……」
「そっかぁ。お風呂は一緒に入ろ?無理をさせちゃったから心配なんだ」
「いい。自分で入れる……うっ!?」
一刻も早くこの場から逃げたくてベッドから降りて立ち上がろうとしたら。
腰に鈍い痛みを感じて転びそうになった。
側にいた真人がすぐに抱き寄せてくれたおかげで無事だったけれど。
「ほら、だから言ったのに。こんな状態で一人でお風呂なんて危ないよ?俺が連れていってあげるから大人しくしててね〜」
「うわっ!?この格好って……」
「あはっ!君ってすごく軽いんだね。こんな細い体で昨日は無理させちゃったなぁ」
膝の下に腕を入れられ、姫抱きの状態で浴室に連れていかれた。
昨夜の情事の後だから二人とも服を着ておらず、恥ずかしくて真人の肩に顔を埋める。
真人にはそんなのお見通しみたいで身元で囁かれた。
「昨日あんなに愛し合ったんだから今さら恥ずかしがらなくてもいいのに。ほら、ついたよ」
「……あれ?真人、その背中の傷って……」
「ん?あぁ、これ?やってる最中に君がつけちゃったんだろうね」
顔を上げ脱衣所の鏡を見れば、真人の背中には僕がつけたであろう、引っかき傷がついていた。
そんなに激しく求めあったのかと恥ずかしくなるけど。
魂の輪郭を掴んでない限り真人を傷つけるのは不可能なはず。
疑問に思いつつもそっとその傷に触れれば、真人はくすぐったそうに身を捩らせた。
「痛くない……?大丈夫?」
「このくらい平気さ。でも、これじゃあどっちが猫なのか分からないね?」
そう冗談を言って笑ってみせる。
それでも、背中の傷が心配で引っかき傷を眺めていれば、真人は僕の首元に指をはわせた。
「君の首元にも俺がつけた痕が残ってるよ?」
「っ!?……もう」
指摘され鏡を見てみたら、僕の首元にも赤い花のような痕がたくさんつけられていた。
その痕をなぞるかのような指使いにまた体が快感を拾い始める。
ただシャワーを浴びるだけなのに、また厭らしく鳴かされてしまっていた。
__________
シャワーを浴びてようやく体の熱も収まってきた。
窓の外は快晴で、深夜に降っていた雪がほんの少し積もっているくらい。
ニュースを見ても特に変わった様子はないし"百鬼夜行"は原作通り高専側の勝利で終わったんだろう。
そう考えながらリビングでくつろいでいると、真人が話しかけてきた。
「あのさ、順番が前後しちゃったけど……俺の告白聞いてくれる?」
「……うん」
そわそわとした様子で真人は手を取り、意を決したように僕をその青と灰の瞳に映した。
「俺、紫苑のことが好きだ。その目も唇も魂も……全部を俺だけのものにしたい。きっと、初めて紫苑に会った時から恋してたんだと思う。
君は人間で、俺は呪いだけど……ずっと一緒にいたいんだ。ねぇ紫苑、俺の恋人になってよ」
そう言ってそっと指を絡めてくる。
僕の答えはもう決まっていた。
返事を待ちわびる真人のツギハギの手を僕も握り返してあげる。
「……僕も真人のことが好きだよ。飼い猫として、家族の一員として。でも、最近になってやっぱりもうひとつの意味でも好きだって気がついたんだ。
だから……こちらこそ、これからは恋人としてよろしくね」
青と灰のオッドアイを見つめながら承諾の返事を伝えれば。
猫耳をピンと立たせて、思い切り僕に抱きついてきた。
大好きな飼い猫の腕に包まれれば自然と頬が緩んだ。
「……!ありがとう……!紫苑、愛してるよ」
今度は愛を確かめるようにそっと触れるだけのキスをされる。
唇を離されるのがなんだか名残惜しくて、僕も真人の頬に手を添えた。
指でツギハギをなぞりながらはにかんでみせる。
「僕も真人を愛してる。飼い猫としても大好きだよ」
降り積った雪が陽の光を浴びてキラキラ煌めく冬の朝、二人の部屋には暖かな空気が満たされていた。
今だけは人と呪いという関係も忘れてしまえるくらい幸せに思える。
そうして、僕達はこの日を境に付き合うことにした。
