雨と猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
先程出会った猫をトートバッグに入れ帰路を急ぐ。
小さく愛らしい猫の呪霊といえど、呪術師や窓に見つかれば面倒なことになるだろう。
なるべく人が少ない通りを選び早歩きで進む。
まだ雨は振り続けており、傘で視界のほとんどを隠しつつ水たまりを避けるように歩いていた。
猫には少し窮屈にさせるとはいえ仕方のない運び方だった。
嫌がると思ったけど、案外猫の方からすんなり入ってきてくれたから助かった。
「まぁ、猫は狭い所とか好きだもんね」
「にゃぁ」
時折もぞもぞとカバンの中で動く猫に思わず笑みがこぼれる。
今のところ何もしてこないし無害な呪霊なのかもしれない、油断は禁物だけどそう信じることにした。
新たな同居人を愛しく思いつつ、我が家へ帰った。
__________
東京近郊のマンションの一室____
「ただいま〜」
硬く重いオートロックのドアを開け、誰もいない静かな空間に帰宅を知らせる。
返事は何も返ってこずただ静かで無人の部屋が僕を出迎えていた。
両親には高校に入ってから一度も会っていない。
二人とも春から海外出張に行っているから、これまでずっと一人暮らしだった。
僕の両親がいったい何の職に就いているかのかよく知らない。
聞いても二人とも曖昧に笑って誤魔化されてしまうだけで、いつも忙しそうにしていたことは覚えている。
まぁ、海外にずっといるってことは外交官か何かなんだろう。
父親の方はイギリス人だし大方イギリスにいることが多いって聞いたから。
「別に、今世の両親にはあまり興味ないし。一緒にいてくれた記憶だって……全然ないから」
誰もいないリビングに向けてぽつりと呟く。
海外と比べて日本には呪霊が多くいるし、本当は僕も両親について行きたかったのだけれど。
何故か僕だけこのやけに広い家族用のマンションに取り残されてしまった。
とりあえず、まだ当分親は帰ってこないだろうし猫を連れ帰るのには好都合だったけど。
家族が住むように設計されたこの広い部屋を一人で過ごすのはやっぱり少し寂しい。
「もう出てきていいよ。今日からここが君の家だからね」
「__にゃん」
猫はするりとカバンから出てくると、ぴょいと玄関マットの上に降り立つ。
廊下の電気をつけてあげればさっそく室内を探検しはじめた。
ピンとたったふわふわな尻尾をつい目で追ってしまうけど、僕にはしなければならないことがある。
ひとまずキッチンに行って戸棚に置かれていた猫缶の中身と水を皿に移し替えた。
「呪霊に餌が必要なのか分からないけど……とりあえず、置いておくから。
お腹が空いたらちゃんと食べるんだよ」
そう声をかけるとリビングの方まで探検してた猫が駆け寄ってくる。
だけど、餌には見向きもせず僕の手に顔をすりすりと押し付けてきた。
ふわふわな毛とピンとはったヒゲが掌に当たってくすぐったい。
「にゃーお、ゴロゴロ……」
「ふふ、ひげが当たってくすぐったいよ。
……餌はいらないのかな?それなら、先にお風呂に入ろうか」
こちらに甘える猫を優しく抱き上げ脱衣所に向かう。
猫は水が苦手だけど、外にいた以上一回洗っておいた方がいいと思った。
この子は本物の猫じゃなくて呪霊なんだけどね。
ついでに自分も入ろうと制服を脱げば下から強烈な視線を感じた。
何かと思っとチラリと視線を落とせば。
「ん?どうしたの……?人間の裸なんて見ても面白くないよ?」
熱烈な視線の正体は猫で。
何が興味を引いたのか分からないけど、じーっと熱心に見つめられる。
自分の裸体を凝視されていることに気づけば、猫といえどなんだか恥ずかしくなってきた。
猫を気にするなんて自意識過剰すぎる。
それでもその視線に耐えきれず、タオルを腰に巻いて風呂場への扉を開けた。
基本、猫は濡れることを嫌う。
呪霊といえど猫の姿をしているから暴れるかもと身構えていた。
だけど、暴れるどころか猫は大人しく僕に体を預け気持ちよさそうに洗われていた。
「いい子だね。ほら、シャンプー洗い流すよ」
シャンプーの泡でモコモコにされても猫は大人しく目を閉じている。
慎重にお湯で流し濡れた体を撫でていれば、ふと指先に不思議な感触が当たった。
「あれ?よく見たら……毛の下にツギハギみたいな傷があるな。
どこか怪我してるの?」
ふわふわな毛に隠れていたのか、猫の体にはところどころツギハギのような傷跡があった。
それは滑らかで怪我の痕というより生まれついての模様に見える。
どこか見覚えのあるツギハギを思い出そうとすれば、猫は続きを催促するように『にゃあ』と声を上げた。
『まぁ呪霊だし普通の猫とは違うよね』と、特に気にすることなく猫の体をタオルで拭いてあげた。
小さく愛らしい猫の呪霊といえど、呪術師や窓に見つかれば面倒なことになるだろう。
なるべく人が少ない通りを選び早歩きで進む。
まだ雨は振り続けており、傘で視界のほとんどを隠しつつ水たまりを避けるように歩いていた。
猫には少し窮屈にさせるとはいえ仕方のない運び方だった。
嫌がると思ったけど、案外猫の方からすんなり入ってきてくれたから助かった。
「まぁ、猫は狭い所とか好きだもんね」
「にゃぁ」
時折もぞもぞとカバンの中で動く猫に思わず笑みがこぼれる。
今のところ何もしてこないし無害な呪霊なのかもしれない、油断は禁物だけどそう信じることにした。
新たな同居人を愛しく思いつつ、我が家へ帰った。
__________
東京近郊のマンションの一室____
「ただいま〜」
硬く重いオートロックのドアを開け、誰もいない静かな空間に帰宅を知らせる。
返事は何も返ってこずただ静かで無人の部屋が僕を出迎えていた。
両親には高校に入ってから一度も会っていない。
二人とも春から海外出張に行っているから、これまでずっと一人暮らしだった。
僕の両親がいったい何の職に就いているかのかよく知らない。
聞いても二人とも曖昧に笑って誤魔化されてしまうだけで、いつも忙しそうにしていたことは覚えている。
まぁ、海外にずっといるってことは外交官か何かなんだろう。
父親の方はイギリス人だし大方イギリスにいることが多いって聞いたから。
「別に、今世の両親にはあまり興味ないし。一緒にいてくれた記憶だって……全然ないから」
誰もいないリビングに向けてぽつりと呟く。
海外と比べて日本には呪霊が多くいるし、本当は僕も両親について行きたかったのだけれど。
何故か僕だけこのやけに広い家族用のマンションに取り残されてしまった。
とりあえず、まだ当分親は帰ってこないだろうし猫を連れ帰るのには好都合だったけど。
家族が住むように設計されたこの広い部屋を一人で過ごすのはやっぱり少し寂しい。
「もう出てきていいよ。今日からここが君の家だからね」
「__にゃん」
猫はするりとカバンから出てくると、ぴょいと玄関マットの上に降り立つ。
廊下の電気をつけてあげればさっそく室内を探検しはじめた。
ピンとたったふわふわな尻尾をつい目で追ってしまうけど、僕にはしなければならないことがある。
ひとまずキッチンに行って戸棚に置かれていた猫缶の中身と水を皿に移し替えた。
「呪霊に餌が必要なのか分からないけど……とりあえず、置いておくから。
お腹が空いたらちゃんと食べるんだよ」
そう声をかけるとリビングの方まで探検してた猫が駆け寄ってくる。
だけど、餌には見向きもせず僕の手に顔をすりすりと押し付けてきた。
ふわふわな毛とピンとはったヒゲが掌に当たってくすぐったい。
「にゃーお、ゴロゴロ……」
「ふふ、ひげが当たってくすぐったいよ。
……餌はいらないのかな?それなら、先にお風呂に入ろうか」
こちらに甘える猫を優しく抱き上げ脱衣所に向かう。
猫は水が苦手だけど、外にいた以上一回洗っておいた方がいいと思った。
この子は本物の猫じゃなくて呪霊なんだけどね。
ついでに自分も入ろうと制服を脱げば下から強烈な視線を感じた。
何かと思っとチラリと視線を落とせば。
「ん?どうしたの……?人間の裸なんて見ても面白くないよ?」
熱烈な視線の正体は猫で。
何が興味を引いたのか分からないけど、じーっと熱心に見つめられる。
自分の裸体を凝視されていることに気づけば、猫といえどなんだか恥ずかしくなってきた。
猫を気にするなんて自意識過剰すぎる。
それでもその視線に耐えきれず、タオルを腰に巻いて風呂場への扉を開けた。
基本、猫は濡れることを嫌う。
呪霊といえど猫の姿をしているから暴れるかもと身構えていた。
だけど、暴れるどころか猫は大人しく僕に体を預け気持ちよさそうに洗われていた。
「いい子だね。ほら、シャンプー洗い流すよ」
シャンプーの泡でモコモコにされても猫は大人しく目を閉じている。
慎重にお湯で流し濡れた体を撫でていれば、ふと指先に不思議な感触が当たった。
「あれ?よく見たら……毛の下にツギハギみたいな傷があるな。
どこか怪我してるの?」
ふわふわな毛に隠れていたのか、猫の体にはところどころツギハギのような傷跡があった。
それは滑らかで怪我の痕というより生まれついての模様に見える。
どこか見覚えのあるツギハギを思い出そうとすれば、猫は続きを催促するように『にゃあ』と声を上げた。
『まぁ呪霊だし普通の猫とは違うよね』と、特に気にすることなく猫の体をタオルで拭いてあげた。
