雨と猫
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皆んな医務室から出ていってしまえば途端に静かになる。
気まずさを感じるほど静かになった室内。
静かになったら夏油が真人の事をなんていったのか、それとも真人はもう捕らえられたのか。
飼い猫を心配しすぎてソワソワする僕をよそに、最初に口を開いたのは五条先生だった。
「まずはここの説明からしようか。
ここは都立呪術高等専門学校。
多くの呪術師がここで学び、卒業後もここを拠点に活動している。任務の斡旋やサポートもする呪術界の要だね」
今いる学校の説明をしてくれるけど、今まで呪術界とは無縁だった人にはよく分からないだろう。
僕は前世の知識で知っていたおかげで難なく事情を飲み込める。
五条先生も僕がどこまで呪術を知っているのか考えあぐねている様子だった。
「それで、猫宮 紫苑。君は呪術についてどこまで知ってる?」
「えっと、基本のことなら……。誰に教わったとか、どこで知ったのかなどは言えませんけど」
「なるほどね。まぁフリーの呪術師もいるっちゃいるしその辺はいいよ」
急に名前を呼ばれビクッと肩が揺れた。
包帯で目を隠しているけど、あの六眼に全部見透かされているようで緊張してくる。
五条先生はそんな僕の様子に構うことなく話を続けた。
「でも、上の連中には君が呪詛師__夏油一派の仲間じゃないかと疑ってる奴もいる。
夏油と戦ってたのは君なのにおかしな話だよね?」
「……!夏油と僕は無関係です!なんなら向こうが襲ってきて」
「分かってるよ。大方、夏油が無理やり君を仲間に引き入れようとしたんだろ。
君の術式は夏油にとって使い勝手がいいし、まだどこの勢力にも属していないならなおさらね」
少し事情は違うけど、襲われたのは事実だから頷いて肯定しておいた。
ここで下手に言い訳をして真人の存在に気づかれたくないというのもある。
「全く……あいかわらず強引なところは変わってないなぁ。
おっと、話を戻そう。君もまた夏油に襲われたり、呪詛師だと疑われるのは嫌だろ?」
「そうですね……」
「そこでだ!君、呪術高専に入らない?」
自信たっぷりといった感じで勧誘してきた。
あまりにも自信ありげな姿に戸惑うも、五条先生の提案に僕は返事をした。
「ありがたい話なんですけど。ごめんなさい……無理です」
「なんで!?」
なぜと言われても、真人と敵対する組織に入るのは気が引ける。
呪霊を飼い猫として飼っているのに率先して呪霊を祓う気にもなれない。
予想を裏切られた返答に五条先生は慌てた様子で、畳み掛けるようにたくさん話しかけてきた。
「君は領域展開まで使える上、特級仮想怨霊"八岐大蛇"を一人で祓ってみせたんだ……!
実力は僕が保障するし、今すぐにでも呪術師としてやってけるよ……!?」
「そこまでにしとけよ、悟」
「ツナ!」
ヒートアップする五条先生を凛とした声が諌める。
外でこっそり話を聞いていたらしい、真希と棘が扉を開けて入ってきた。
憂太も盗み聞きをしていたことを申し訳なさそうにしながら部屋に入ってくる。
「嫌がってるのに無理やりやらせても仕方ねぇだろ。ただでさえこの世界は、呪術師はキツいのに」
「そう、だね……逸材だったからつい……」
生徒に諭され落ち込んだように項垂れる。
これで引いてくれるかなと見守っていると、五条先生は諦めないといったように別の提案を重ねてしてきた。
「それならさ、たまに通うっていうのはどう?
塾みたいな感じでさ。ここなら正しい力の扱い方を学べるし、仲間だってたくさんいるよ?」
『上の疑いを晴らす為に任務はいくつか受けてもらうけど』と付け足す。
あまりにも必死な声にだんだん可哀想になってくる。
原作キャラに近づくなんて危険すぎる、しかも来年から本編である話が進行するというのに。
でも僕の心は"仲間"という言葉に揺らぎ始めていた。
「それくらいなら……いいかな」
勢いに押された僕はあえなく了承してしまった。
呪術界に目をつけられるのは避けたいし、なにより夏油にまた襲われないとも限らない。
僕にとっても、作中最強である五条 悟が味方についてくれるなら安心だった。
__________
気まずさを感じるほど静かになった室内。
静かになったら夏油が真人の事をなんていったのか、それとも真人はもう捕らえられたのか。
飼い猫を心配しすぎてソワソワする僕をよそに、最初に口を開いたのは五条先生だった。
「まずはここの説明からしようか。
ここは都立呪術高等専門学校。
多くの呪術師がここで学び、卒業後もここを拠点に活動している。任務の斡旋やサポートもする呪術界の要だね」
今いる学校の説明をしてくれるけど、今まで呪術界とは無縁だった人にはよく分からないだろう。
僕は前世の知識で知っていたおかげで難なく事情を飲み込める。
五条先生も僕がどこまで呪術を知っているのか考えあぐねている様子だった。
「それで、猫宮 紫苑。君は呪術についてどこまで知ってる?」
「えっと、基本のことなら……。誰に教わったとか、どこで知ったのかなどは言えませんけど」
「なるほどね。まぁフリーの呪術師もいるっちゃいるしその辺はいいよ」
急に名前を呼ばれビクッと肩が揺れた。
包帯で目を隠しているけど、あの六眼に全部見透かされているようで緊張してくる。
五条先生はそんな僕の様子に構うことなく話を続けた。
「でも、上の連中には君が呪詛師__夏油一派の仲間じゃないかと疑ってる奴もいる。
夏油と戦ってたのは君なのにおかしな話だよね?」
「……!夏油と僕は無関係です!なんなら向こうが襲ってきて」
「分かってるよ。大方、夏油が無理やり君を仲間に引き入れようとしたんだろ。
君の術式は夏油にとって使い勝手がいいし、まだどこの勢力にも属していないならなおさらね」
少し事情は違うけど、襲われたのは事実だから頷いて肯定しておいた。
ここで下手に言い訳をして真人の存在に気づかれたくないというのもある。
「全く……あいかわらず強引なところは変わってないなぁ。
おっと、話を戻そう。君もまた夏油に襲われたり、呪詛師だと疑われるのは嫌だろ?」
「そうですね……」
「そこでだ!君、呪術高専に入らない?」
自信たっぷりといった感じで勧誘してきた。
あまりにも自信ありげな姿に戸惑うも、五条先生の提案に僕は返事をした。
「ありがたい話なんですけど。ごめんなさい……無理です」
「なんで!?」
なぜと言われても、真人と敵対する組織に入るのは気が引ける。
呪霊を飼い猫として飼っているのに率先して呪霊を祓う気にもなれない。
予想を裏切られた返答に五条先生は慌てた様子で、畳み掛けるようにたくさん話しかけてきた。
「君は領域展開まで使える上、特級仮想怨霊"八岐大蛇"を一人で祓ってみせたんだ……!
実力は僕が保障するし、今すぐにでも呪術師としてやってけるよ……!?」
「そこまでにしとけよ、悟」
「ツナ!」
ヒートアップする五条先生を凛とした声が諌める。
外でこっそり話を聞いていたらしい、真希と棘が扉を開けて入ってきた。
憂太も盗み聞きをしていたことを申し訳なさそうにしながら部屋に入ってくる。
「嫌がってるのに無理やりやらせても仕方ねぇだろ。ただでさえこの世界は、呪術師はキツいのに」
「そう、だね……逸材だったからつい……」
生徒に諭され落ち込んだように項垂れる。
これで引いてくれるかなと見守っていると、五条先生は諦めないといったように別の提案を重ねてしてきた。
「それならさ、たまに通うっていうのはどう?
塾みたいな感じでさ。ここなら正しい力の扱い方を学べるし、仲間だってたくさんいるよ?」
『上の疑いを晴らす為に任務はいくつか受けてもらうけど』と付け足す。
あまりにも必死な声にだんだん可哀想になってくる。
原作キャラに近づくなんて危険すぎる、しかも来年から本編である話が進行するというのに。
でも僕の心は"仲間"という言葉に揺らぎ始めていた。
「それくらいなら……いいかな」
勢いに押された僕はあえなく了承してしまった。
呪術界に目をつけられるのは避けたいし、なにより夏油にまた襲われないとも限らない。
僕にとっても、作中最強である五条 悟が味方についてくれるなら安心だった。
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