雨と猫
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『とりあえず傷の手当てをしよう』と、言い聞かせ僕は半ば強引に順平を近くの川原に連れてきた。
もともと引っ込み思案なのか、それともいじめという名の暴力に晒され臆病になったのか。
そのどちらか分からないけど、順平は大人しく僕についてきてくれる。
原作のキャラには関わらないようにしていたのに、こんなボロボロの姿を見せられたら放っておけなかった。
「手当てとかいいよ、僕は大丈夫……いたッ!」
「全然大丈夫じゃないじゃん!ここもあそこも傷だらけで……先に消毒するね」
ここまで来ても順平は遠慮するような態度を見せる。
それでも手当てだけはしておきたかったから『しみるよ』と言いながら痛々しい傷口に消毒液をかけていく。
順平はというと、痛みに震えながらも手当てに耐えていた。
ぽんぽんと優しくコットンで血を取り除いていけば少しずつ傷口が顕 あらわになっていった。
「……ごめんなさい。他校の人に迷惑かけるなんて、僕……」
「謝らないで。僕が好きでしたことだから」
消毒液と一緒に買ってきた絆創膏や包帯を取り出し、丁寧に巻いていく。
擦り傷や打撲痕は最近できたものが多かった。
どれも服の下や見えない箇所に多くあるし、周りの人達にバレないよう虐めていたんだろう。
人の悪意に思わず歯ぎしりしそうになる。
そんな僕の様子を順平は恐る恐るといった感じで見つめていた。
「……よしっと。こんなものかな?素人の処置だから後で病院に行ってちゃんと診てもらってね」
「助けてくれた上に手当てまで……。ありがとう」
そう順平は感動した様子で手当した包帯を見つめていた。
まさか、たまたま助けたのが"呪術廻戦"のキャラだったなんて思わなかった。
順平がイジメを受けていたのってこの頃なんだ。
生々しく酷いイジメの現場を見てつい手を出してしまったけど、順平の過去を大きく変えてしまったかもしれない。
でも、あのまま見て見ぬふりはしたくなかったし助けたことに後悔はなかった。
そう思いながら順平の方を見たら、まだ学校に帰りたくないのかソワソワとした様子で僕を見ていた。
「少し話してかない?実は僕さ、今日は学校サボりなんだよね。話し相手がいると助かるんだけど」
「僕で良ければ!ぜひお願いします……!」
「ふふ、敬語はいいよ。見たところ同い年っぽいし」
少し話そうと誘えば順平は明るい表情になった。
二人で川原の土手部分にある階段に並んで座る。
午前中の河原はとても静かで、平日なのに学校にいない僕達を咎める人は誰もいなかった。
「あの、さっきは本当にありがとう……!名前を聞いてもいいかな?」
「僕は猫宮 紫苑っていうんだ、紫苑でいいよ。順平はさっき自己紹介してくれたよね」
「うん。えっと、さっきの事なんだけどさ……」
順平は再び表情を暗くして語り始めた。
どうしていじめられることになったのかや、それを見て見ぬふりする教師陣のことを話す。
周りの生徒にも助けてくれる人はおらず卑怯な手も散々使われたらしい。
「実は僕、アイツらにイジめられてるんだ。最近いじめもエスカレートしてきてたから、今日は本当に助かったよ」
「順平……また何かされたら僕に連絡してよ。連絡先も交換しとこ?」
「紫苑君の連絡先……!?そ、そんな悪いよ」
戸惑う順平につけ入り連絡先を交換させた。
これで順平に何かあればすぐに駆けつけることが出来る。
助けてどうするんだって話だけど、原作での順平の未来を思えば見過ごせなかった。
僕の飼い猫にも関係あることだから助けるにこしたことはない。
「ねぇ、せっかくだしさ。もう少し話していかない?趣味とか……順平のこともっと知りたいな」
「僕のことなんか聞いても面白くないよ?でも、そうだなぁ……僕映画が好きなんだけど、紫苑君は?」
「僕も映画は好きだな〜。最近ならジュラ○ックワールドを見たんだけど、僕怖いの苦手だから飼い猫と一緒に見たんだよ」
「!ジュラ○ックワールドといえばさ、パークの頃のオマージュが……」
映画の話をふれば順平はさっきまでとは打って変わって楽しげな表情を見せる。
そんな順平の様子につられいつの間にか僕も微笑んでいた。
ある程度語ったところで、順平はハッとしたように口を閉じる。
「あ……ご、ごめん!映画を語れる人なんて久しぶりで……いや、そもそも友達とも最近話せてなくて。ちょっと喋りすぎたかも」
「大丈夫だよ。聞いてる方も楽しいし、邪魔する人はいないんだから思いっきり語ろうよ」
「紫苑君って天使なの……?あ、いや何でもないよ!」
恥ずかしそう頬をかく順平を肯定してあげれば、何故か天使なのかと聞かれてしまった。
僕が首を傾げれば慌ててなんでもない風を装いまた映画の話に戻った。
相手は呪術廻戦のキャラとはいえ、僕も久々に同年代との会話を楽しむことにした。
もともと引っ込み思案なのか、それともいじめという名の暴力に晒され臆病になったのか。
そのどちらか分からないけど、順平は大人しく僕についてきてくれる。
原作のキャラには関わらないようにしていたのに、こんなボロボロの姿を見せられたら放っておけなかった。
「手当てとかいいよ、僕は大丈夫……いたッ!」
「全然大丈夫じゃないじゃん!ここもあそこも傷だらけで……先に消毒するね」
ここまで来ても順平は遠慮するような態度を見せる。
それでも手当てだけはしておきたかったから『しみるよ』と言いながら痛々しい傷口に消毒液をかけていく。
順平はというと、痛みに震えながらも手当てに耐えていた。
ぽんぽんと優しくコットンで血を取り除いていけば少しずつ傷口が顕 あらわになっていった。
「……ごめんなさい。他校の人に迷惑かけるなんて、僕……」
「謝らないで。僕が好きでしたことだから」
消毒液と一緒に買ってきた絆創膏や包帯を取り出し、丁寧に巻いていく。
擦り傷や打撲痕は最近できたものが多かった。
どれも服の下や見えない箇所に多くあるし、周りの人達にバレないよう虐めていたんだろう。
人の悪意に思わず歯ぎしりしそうになる。
そんな僕の様子を順平は恐る恐るといった感じで見つめていた。
「……よしっと。こんなものかな?素人の処置だから後で病院に行ってちゃんと診てもらってね」
「助けてくれた上に手当てまで……。ありがとう」
そう順平は感動した様子で手当した包帯を見つめていた。
まさか、たまたま助けたのが"呪術廻戦"のキャラだったなんて思わなかった。
順平がイジメを受けていたのってこの頃なんだ。
生々しく酷いイジメの現場を見てつい手を出してしまったけど、順平の過去を大きく変えてしまったかもしれない。
でも、あのまま見て見ぬふりはしたくなかったし助けたことに後悔はなかった。
そう思いながら順平の方を見たら、まだ学校に帰りたくないのかソワソワとした様子で僕を見ていた。
「少し話してかない?実は僕さ、今日は学校サボりなんだよね。話し相手がいると助かるんだけど」
「僕で良ければ!ぜひお願いします……!」
「ふふ、敬語はいいよ。見たところ同い年っぽいし」
少し話そうと誘えば順平は明るい表情になった。
二人で川原の土手部分にある階段に並んで座る。
午前中の河原はとても静かで、平日なのに学校にいない僕達を咎める人は誰もいなかった。
「あの、さっきは本当にありがとう……!名前を聞いてもいいかな?」
「僕は猫宮 紫苑っていうんだ、紫苑でいいよ。順平はさっき自己紹介してくれたよね」
「うん。えっと、さっきの事なんだけどさ……」
順平は再び表情を暗くして語り始めた。
どうしていじめられることになったのかや、それを見て見ぬふりする教師陣のことを話す。
周りの生徒にも助けてくれる人はおらず卑怯な手も散々使われたらしい。
「実は僕、アイツらにイジめられてるんだ。最近いじめもエスカレートしてきてたから、今日は本当に助かったよ」
「順平……また何かされたら僕に連絡してよ。連絡先も交換しとこ?」
「紫苑君の連絡先……!?そ、そんな悪いよ」
戸惑う順平につけ入り連絡先を交換させた。
これで順平に何かあればすぐに駆けつけることが出来る。
助けてどうするんだって話だけど、原作での順平の未来を思えば見過ごせなかった。
僕の飼い猫にも関係あることだから助けるにこしたことはない。
「ねぇ、せっかくだしさ。もう少し話していかない?趣味とか……順平のこともっと知りたいな」
「僕のことなんか聞いても面白くないよ?でも、そうだなぁ……僕映画が好きなんだけど、紫苑君は?」
「僕も映画は好きだな〜。最近ならジュラ○ックワールドを見たんだけど、僕怖いの苦手だから飼い猫と一緒に見たんだよ」
「!ジュラ○ックワールドといえばさ、パークの頃のオマージュが……」
映画の話をふれば順平はさっきまでとは打って変わって楽しげな表情を見せる。
そんな順平の様子につられいつの間にか僕も微笑んでいた。
ある程度語ったところで、順平はハッとしたように口を閉じる。
「あ……ご、ごめん!映画を語れる人なんて久しぶりで……いや、そもそも友達とも最近話せてなくて。ちょっと喋りすぎたかも」
「大丈夫だよ。聞いてる方も楽しいし、邪魔する人はいないんだから思いっきり語ろうよ」
「紫苑君って天使なの……?あ、いや何でもないよ!」
恥ずかしそう頬をかく順平を肯定してあげれば、何故か天使なのかと聞かれてしまった。
僕が首を傾げれば慌ててなんでもない風を装いまた映画の話に戻った。
相手は呪術廻戦のキャラとはいえ、僕も久々に同年代との会話を楽しむことにした。
