雨と猫
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首都からさほど離れていない東京近郊の街、行方不明者が多発しているという地区にて。
特級呪霊がいるかもしれないとのことで、私は自ら足を運んだ。
呪霊を見つけても祓うのではなく"呪霊操術"の手駒として加えるつもりだ。
今後の計画の為にも戦力は増強しておいた方がいい。
手当り次第に探すわけにはいかないのでわずかな残穢をたどる。
「ほぅ、あの少年は……」
呪霊の気配を探していると、ふと儚げな雰囲気の少年が目に止まった。
巧妙に隠されてはいるが少年からは微かな残穢と強い呪力が感じられる。
立ち振る舞いや呪力の流れからして、呪術師ではなさそうだが気になった私は声をかけようと近づいた。
「美々子、菜々子。周りの猿共を駆除しておきなさい。私はあの少年と少し話をしてこよう」
「はーい!」
「分かりました、夏油様」
側にいた二人に非呪術師である猿どもを排除するよう命じる。
そして、私は花のように可憐な少年に近づいた。
「こんにちは。何か悩んでいる顔をしているね?」
気さくな風を装い話しかければ、少年はあからさまに私を警戒していた。
「あぁ、突然すまない。私は夏油 傑、君に聞きたいことがあって声をかけたんだ」
自ら名乗り行方不明事件について聞く。
しかし、少年は強情にも何かを隠そうとしていた。
「っ……!は、離して……ッ!」
逃げられないよう両肩を掴めば、途端に強く感じる呪力。
どうやら私の読み通りこの少年は件の呪霊と何か関係があるようだ。
____だが。
「(__ッ!?これほど強い呪力で守られているとは……!
それにとり憑くというより、これではまるで……獣の所有印 のような……)」
一筋縄ではいかないと悟り、私はいったんは少年を逃がすことにした。
怯えたように走っていった少年の後ろ姿を見送っていると仕事を終えた二人が戻ってくる。
「夏油様、逃がしてよかったの?」
「今からでも私達が追いかければ……」
「あぁ、あの少年には呪術師としての才能がある。
いつか……私達の仲間として迎え入れたいから乱暴はしないよ」
それに。
「特級過呪怨霊"祈本里香 "__今は呪いの女王に集中したいからね。
……だけど、決戦の日までにはあの少年の呪霊もいただくとしよう」
手駒は多い方がいい。
ようやく見つけた手がかりを名残惜しく思いながらも、私達はその場から立ち去った。
__________
特級呪霊がいるかもしれないとのことで、私は自ら足を運んだ。
呪霊を見つけても祓うのではなく"呪霊操術"の手駒として加えるつもりだ。
今後の計画の為にも戦力は増強しておいた方がいい。
手当り次第に探すわけにはいかないのでわずかな残穢をたどる。
「ほぅ、あの少年は……」
呪霊の気配を探していると、ふと儚げな雰囲気の少年が目に止まった。
巧妙に隠されてはいるが少年からは微かな残穢と強い呪力が感じられる。
立ち振る舞いや呪力の流れからして、呪術師ではなさそうだが気になった私は声をかけようと近づいた。
「美々子、菜々子。周りの猿共を駆除しておきなさい。私はあの少年と少し話をしてこよう」
「はーい!」
「分かりました、夏油様」
側にいた二人に非呪術師である猿どもを排除するよう命じる。
そして、私は花のように可憐な少年に近づいた。
「こんにちは。何か悩んでいる顔をしているね?」
気さくな風を装い話しかければ、少年はあからさまに私を警戒していた。
「あぁ、突然すまない。私は夏油 傑、君に聞きたいことがあって声をかけたんだ」
自ら名乗り行方不明事件について聞く。
しかし、少年は強情にも何かを隠そうとしていた。
「っ……!は、離して……ッ!」
逃げられないよう両肩を掴めば、途端に強く感じる呪力。
どうやら私の読み通りこの少年は件の呪霊と何か関係があるようだ。
____だが。
「(__ッ!?これほど強い呪力で守られているとは……!
それにとり憑くというより、これではまるで……獣の
一筋縄ではいかないと悟り、私はいったんは少年を逃がすことにした。
怯えたように走っていった少年の後ろ姿を見送っていると仕事を終えた二人が戻ってくる。
「夏油様、逃がしてよかったの?」
「今からでも私達が追いかければ……」
「あぁ、あの少年には呪術師としての才能がある。
いつか……私達の仲間として迎え入れたいから乱暴はしないよ」
それに。
「特級過呪怨霊"
……だけど、決戦の日までにはあの少年の呪霊もいただくとしよう」
手駒は多い方がいい。
ようやく見つけた手がかりを名残惜しく思いながらも、私達はその場から立ち去った。
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