雨と猫
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【真人 side】
カーテンの隙間から朝日が射す部屋の中____
隣で何か動く気配がして目を覚ます。
目を開けたら、怯えるように俺を見つめる桜色の瞳と目があった。
「だ、だれ……ですか?」
「え〜?酷いなぁ。
昨日あんなに熱い夜を過ごしたのに、もう忘れちゃったの?」
震える少年の反応が面白いのでからかってやりつつ、自分の名を明かす。
「俺は真人、人が人を憎み恐れた腹から生まれた呪いさ。
____そして、君に拾われた猫だよ」
「真人……?」
少年の小さく愛らしい唇が俺の名を紡ぐ。
まだピンと来てなさそうなので俺が何なのか、猫耳と尻尾でヒントを与えた。
尻尾を絡ませれば少年はすぐに拾った猫のことを思い出したようだ。
思い出してもらったところで、俺も少年の名前を聞き出すことにした。
だけど、少年はなかなか強情なようで。
俺に名前を教えるのを渋っていた様子だったから、首元に牙を押し当てた。
「あはっ、いい反応するじゃん♪」
少し刺激を与えてやれば潤んだ瞳で見つめ返してくる。
そして、やっとその口を開いた。
「__紫苑、僕の名前は、猫宮 紫苑……だよ」
「紫苑……!うん覚えた。これからよろしくね、紫苑!」
ようやく少年の名前を知れた俺は忘れないよう何度も呟く。
紫苑は『他に仲間ができるまで』という条件付きで一緒に住むことを許可してくれた。
一時的な居候だと思っているようだけど。
____俺はもう#紫苑#を手放すつもりはない。
紫苑はというとそんな俺の思惑に気づくはずもなく、俺の裸に恥ずかしがっていた。
俺は人の姿にかなり近い呪霊だから気にする必要なんてないのに。
顔を赤くしながらわざわざ服まで用意してくれる。
聞けば父の服だという。
親には興味ないけれど、俺を拾ったのも親がいない寂しさ故だろう。
つけ込む隙を見つけ、紫苑を俺に依存させようと企んだ。
__________
「それで……僕と一緒に過ごすなら守ってほしいことがあるんだ。
まず、僕の周りの人は殺さないで。飼い猫が人を傷つけるなんて嫌だから」
あくまで俺を猫として飼うことにしたらしい。
殺させない対象を『自分と周りの人間』に限定したのは、呪霊のことを知っているからだろうか。
俺たち呪霊は本能で人を殺める。
それは抗いようのない衝動で抑えることは到底出来ない。
だから、この少年は自分達を傷つけさえしなければ他人を傷つけてもいいと言っているのだ。
____人間らしい、自己中心的な考え。
俺はそんなエゴにまみれたルールを聞いてあげることにした。
__________
ペロリと少年の指を舐めると、鉄の匂いと血の味が口内に広がった。
俺の持つ術式____"無為転変 "で小さな傷を治してあげる。
人間の血なんて飲む趣味はないけれど、紫苑の血は不思議と甘く感じた。
それから俺は紫苑の作る甘い料理が好きになった。
本来、呪霊に食事は必要ないけど嗜好品として味わう分には問題ない。
俺が甘いものを気に入ったと言えば、夕食のカレーも甘口にしていた。
そんな健気な紫苑を好ましく思う。
仲良くろうと近づけばすぐ赤くなるし、いつの間にか紫苑のことを可愛いと思うようになってきた。
____もしかして、人間も猫に対してこんな風に感じているのかな?もっと紫苑のこと知りたいな。
__________
日曜の夜____
一緒にベッドに入れば#紫苑#はすぐに眠りに落ちた。
今日は外出したから疲れたんだろう。
思えば、俺も子供のように手を引かれて喜んでいた。
すやすやと穏やかな寝息を立てる紫苑を見ていると、なんとも言えない気持ちになってくる。
暇になった俺は興味本位で(名前)の魂に触れてみた。
すると、あることに気がつく。
「おかしいな……魂が二重になってる……?」
まるで、魂が薄い膜に覆われているような感覚があった。
その膜も魂のように思える。
つまり、紫苑の魂は二重になっていると判断した。
こんな魂の形は見たことがないし、どうなっているのかもう少し探ってみる。
「この感じだと……小さな傷は治せても大幅な改造は無理だな」
まぁ、せっかく見つけた飼い主を壊すつもりはさらさらないけど。
昨日、"無為転変"で傷を治せたのはこの膜の部分の魂に触れていたからだろう。
膜に覆われた奥の魂にはなぜか触れることが出来ない。
「君って本当に俺を飽きさせないよねぇ」
その日は一晩中、紫苑の魂の秘密を解き明かそうと紫苑の体を触り続けていた。
__________
カーテンの隙間から朝日が射す部屋の中____
隣で何か動く気配がして目を覚ます。
目を開けたら、怯えるように俺を見つめる桜色の瞳と目があった。
「だ、だれ……ですか?」
「え〜?酷いなぁ。
昨日あんなに熱い夜を過ごしたのに、もう忘れちゃったの?」
震える少年の反応が面白いのでからかってやりつつ、自分の名を明かす。
「俺は真人、人が人を憎み恐れた腹から生まれた呪いさ。
____そして、君に拾われた猫だよ」
「真人……?」
少年の小さく愛らしい唇が俺の名を紡ぐ。
まだピンと来てなさそうなので俺が何なのか、猫耳と尻尾でヒントを与えた。
尻尾を絡ませれば少年はすぐに拾った猫のことを思い出したようだ。
思い出してもらったところで、俺も少年の名前を聞き出すことにした。
だけど、少年はなかなか強情なようで。
俺に名前を教えるのを渋っていた様子だったから、首元に牙を押し当てた。
「あはっ、いい反応するじゃん♪」
少し刺激を与えてやれば潤んだ瞳で見つめ返してくる。
そして、やっとその口を開いた。
「__紫苑、僕の名前は、猫宮 紫苑……だよ」
「紫苑……!うん覚えた。これからよろしくね、紫苑!」
ようやく少年の名前を知れた俺は忘れないよう何度も呟く。
紫苑は『他に仲間ができるまで』という条件付きで一緒に住むことを許可してくれた。
一時的な居候だと思っているようだけど。
____俺はもう#紫苑#を手放すつもりはない。
紫苑はというとそんな俺の思惑に気づくはずもなく、俺の裸に恥ずかしがっていた。
俺は人の姿にかなり近い呪霊だから気にする必要なんてないのに。
顔を赤くしながらわざわざ服まで用意してくれる。
聞けば父の服だという。
親には興味ないけれど、俺を拾ったのも親がいない寂しさ故だろう。
つけ込む隙を見つけ、紫苑を俺に依存させようと企んだ。
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「それで……僕と一緒に過ごすなら守ってほしいことがあるんだ。
まず、僕の周りの人は殺さないで。飼い猫が人を傷つけるなんて嫌だから」
あくまで俺を猫として飼うことにしたらしい。
殺させない対象を『自分と周りの人間』に限定したのは、呪霊のことを知っているからだろうか。
俺たち呪霊は本能で人を殺める。
それは抗いようのない衝動で抑えることは到底出来ない。
だから、この少年は自分達を傷つけさえしなければ他人を傷つけてもいいと言っているのだ。
____人間らしい、自己中心的な考え。
俺はそんなエゴにまみれたルールを聞いてあげることにした。
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ペロリと少年の指を舐めると、鉄の匂いと血の味が口内に広がった。
俺の持つ術式____"
人間の血なんて飲む趣味はないけれど、紫苑の血は不思議と甘く感じた。
それから俺は紫苑の作る甘い料理が好きになった。
本来、呪霊に食事は必要ないけど嗜好品として味わう分には問題ない。
俺が甘いものを気に入ったと言えば、夕食のカレーも甘口にしていた。
そんな健気な紫苑を好ましく思う。
仲良くろうと近づけばすぐ赤くなるし、いつの間にか紫苑のことを可愛いと思うようになってきた。
____もしかして、人間も猫に対してこんな風に感じているのかな?もっと紫苑のこと知りたいな。
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日曜の夜____
一緒にベッドに入れば#紫苑#はすぐに眠りに落ちた。
今日は外出したから疲れたんだろう。
思えば、俺も子供のように手を引かれて喜んでいた。
すやすやと穏やかな寝息を立てる紫苑を見ていると、なんとも言えない気持ちになってくる。
暇になった俺は興味本位で(名前)の魂に触れてみた。
すると、あることに気がつく。
「おかしいな……魂が二重になってる……?」
まるで、魂が薄い膜に覆われているような感覚があった。
その膜も魂のように思える。
つまり、紫苑の魂は二重になっていると判断した。
こんな魂の形は見たことがないし、どうなっているのかもう少し探ってみる。
「この感じだと……小さな傷は治せても大幅な改造は無理だな」
まぁ、せっかく見つけた飼い主を壊すつもりはさらさらないけど。
昨日、"無為転変"で傷を治せたのはこの膜の部分の魂に触れていたからだろう。
膜に覆われた奥の魂にはなぜか触れることが出来ない。
「君って本当に俺を飽きさせないよねぇ」
その日は一晩中、紫苑の魂の秘密を解き明かそうと紫苑の体を触り続けていた。
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