「今年」に取り残された篝火
冬の氷点下にて雨粒の結晶が吹き荒ぶ中、
目の前をものすごい勢いで駆けて行った炎塊の熱気がまだ首元に残っていて、
ああ、今日を越えてしまうと、きっともうここには戻ってこられない。
少し焦げたような匂いが消えてしまう前にきっと年を跨ごしてしまう。
神社の鳥居を潜る時のような、此方と其方を分ける結界の端の一線のようなものが、刻々と迫ってきている。
きっとこの粗熱はこの境界を越えられない。彼はきっと。
目の前をものすごい勢いで駆けて行った炎塊の熱気がまだ首元に残っていて、
ああ、今日を越えてしまうと、きっともうここには戻ってこられない。
少し焦げたような匂いが消えてしまう前にきっと年を跨ごしてしまう。
神社の鳥居を潜る時のような、此方と其方を分ける結界の端の一線のようなものが、刻々と迫ってきている。
きっとこの粗熱はこの境界を越えられない。彼はきっと。
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