Second Week
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「おやあ、お譲さん見ない顔だねえ」
夕食の買い出しを終わらせて万屋に戻ると、
玄関先に見覚えのないおじさんが立っていた。
「何か御用ですか?」
「いや、銀さんに頼みがあってね」
というかなんで誰も出てこないんだろう。
「銀時さーん!お客さんですよ」
玄関を開けて声をかけるも、返事がない。
「ちょっと探してくるのでお待ちくださいね」
お客様にリビングのソファへ座っていただいてから、私は家の周辺を歩きまわる。
「銀時さん?」
というか、神楽ちゃんも新八君もいないや、みんな何やってるんだろう。
まさかと思って寝室の襖を開けると、
川の字になって眠る万屋の3人がいた。
なかよしだなあ
「銀時さん、ちょっと、お客さんですよ。起きて下さい」
銀時さんの肩を何度か揺らす。
にしても、新八君も一緒になって寝てるなんて、珍しいな。
「ん、んぅ?」
寝ぼけてる。
「だから、お客さんがいらっしゃってるんですってば!
早く起きてください!」
銀時さんを叩きおこしてリビングに向かわせる。
こんなだからお客さんこないんじゃないの?
「ああ、銀さん。インターホン鳴らしても出ないから出直そうと思ってたんだが助かったよ」
「だれかと思ったら酒屋のじいさんじゃねえか、また雨漏りか?
事前に連絡しろっていつも言ってるだろ」
いやあすまんねえ、なんてお客さんと慣れたように会話する銀時さん。もしかして顔見知りなのかな。
「はる、ちょっくら出かけてくるから留守番頼むわ」
「依頼ですか?」
「おう、夕方には戻る」
「私も行きたいです」
「はあ?お前屋根の修理なんてできんの?」
「できないですけど」
完全に興味本位だ。
行っても全く役に立たないことは理解しているので、どうしてもだめなら諦めるけど。
「なら黙って留守番してろ、おーい新八!神楽!出かけるぞ」
銀時さんは2人を足蹴にしてたたき起こす。そんな横暴な。
「わたしだけ留守番なんてヤです」
「うるせえなあ晩飯つくっておとなしく待ってろ」
「え、それってなんだかお嫁さんみたいですね」
「みたいじゃなくて嫁だろ」
「なんだ、銀さん、ついに嫁さんもらったのか」
「ああもうややこしくなるからアンタは入ってくんな!」
私と銀時さんの会話に、お客さんのおじさんが入ってくる。
銀時さんの静止も無視して、おじさんはぐいぐい私に近付いて来る。
「奥さん、アンタ将棋はできるかい?」
「ええ、将棋でも囲碁でもUN○でも」
「そりゃあいい!
作業中1人で暇なんだ。よければおじさんの暇つぶしに浮き合ってくれないか。お礼は弾むからさ」
おじさんの言葉に思わず私は銀時さんの方を見る。
銀時さんはわたしと目を合わせると、しょうがねえな、とため息を付いた。
「やった!ありがとうございます!」
どちからというとおじさんにお礼を言って、
どうせなら早い方がいいという銀時さんの判断に任せて、
私はその日のうちに私は万屋の3人と共に初めての依頼に赴くのだった。
「ほんっとにおとなしくしてろよ、いい子だからな」
なにやら念押しする銀時さんをそこそこに瓦の上に見送ると、
私はおじさんとひとまず一局勝負をすることにする。
「これで、王手です」
「おっと参った。お嬢さん強いんだね」
「えへへ、昔よく兄と遊んでたんですよね」
おじさんとの対局を5連勝したらあたりで、銀時さんが作業を終えて私たちのもとへ戻ってくる。
「おいおっさん、終わったぞ」
「ああ、銀さん。毎度ありがとうね。お嬢さんも」
「いえいえー!こちらこそまたよろしくお願いしますねー!」
そうしておじさんの家を出るころには、すっかり陽が沈んでしまっていた。
「あーおなかすいたアルー!」
「だからお前は家にいろって言ったのに」
「はいはい、今日は追加報酬分と合わせて焼肉にしましょ!」
「やった!肉腹いっぱい食べるアル!!」
スーパーで焼肉分のお肉を追加で購入してから万屋へ戻る。
お昼に野菜も買ったからいっぱい焼くぞー!
やっきにく!やっきにく!なんてノリノリで歌い始める神楽ちゃんと共に足を進める。
初めて一緒にお仕事したけど、なんだか楽しいな。
まあ今回は私は全く役に立ってないけど。
いつか役に立てるといいなあ。
なんて考えて、ひとり笑みを浮かべているとき。
「ありゃあ、旦那じゃないですかぃ」
黒い制服に身を包む、男の声が聞こえた。