Last Week
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がしゃんと大きな音が鳴り響いて、飛行機の動きが止まった。
見渡せば、騒然とする船内。どうやら戻ってきたようだ。
「新八、神楽、平気か?」
「ええ、なんとか」
「こんなの屁でもないアル!」
散らばった瓦礫の中から二人がそれぞれに顔を出して答える。
これくらいでへこたれるような奴らでないことは重々承知だが。
「さあ、はるのところへ向かうネ!」
神楽が意気揚々と飛行機の扉を開ける。
「お前たち、何者だ?」
俺たちの飛行機を取り囲むこと数十人。
武装した男たちが鋭い目つきでこちらを見つめ、じりじりと近寄ってくる。
「家族を、取り戻しにきたアル!」
「銀さん!なにぼさっとしてるんですか!」
武装した男共に囲まれ、まさに四面楚歌。
そんな状況であっても神楽は一人また一人と兵士を吹き飛ばしていく。
飛行機の窓越しに呆然と眺めていた俺に、新八が声をかけてきた。
「俺は、やめろって言ったからな」
俺の言葉など、聞こえていないかのように暴れまわる二人。
今更この二人がただの兵士相手に負けるはずもなく、
あっという間に飛行機を取り囲んでいた兵士をのしてしまった。
そう、その瞬間だった。
「うわ、」
ぐらりと、船が揺れた。
飛行機が突っ込んできて、大きな穴が開いてしまっているのだから、当然といえば当然なのだが、
「なんか、おかしくないですか……」
気圧の変化による飛行不良。
それだけだとは思えないほどのけたたましい音。
船の底から響く、衝撃波。
「なーんか、まだ隠してやがるな」
あの下劣な男の船だ。何かあっても不思議じゃない。
俺たちは急いで地響きのする方へと向かった。
「銀ちゃんどこ行くアルか?こっちにはるがいるアル?」
「うるせえ、それどころじゃねえ」
「何か、焦げ臭いにおいがしてきましたね」
暴れる神楽を取り押さえたまま、船の最深部へたどり着く。
先ほどの何倍も荒れ、崩壊した瓦礫とそれから焦げたような煤の匂い。
「おいおい、もしかして……」
船の最深部、そこに保管されていたのは
部屋一面に設置された爆弾だった。
「何ですか……この量。星でもぶっ壊すつもりなんですか」
「それができる準備はしていたってところだろ」
ところせましと敷き詰められた爆弾を眺めながら部屋の奥に進む。
部屋の破損具合から推測するに今の爆発はこの場にある爆弾の10分の1にもならない程度だろう。
「さっきの揺れのせいで、一部が誤作動したってことか?」
不幸中の幸いとでも言うべきか、これが全部作動していたら自分たちもとっくに木っ端みじんだっただろう。
「本当に、これ全部が爆発していたらと思うとぞっとしますね」
「ねえねえ、銀ちゃん!
なんかこのボタン押したら時計出てきたアル!
何アルか?これ!!」
新八の声に被せるように神楽が楽しそうにそう言った。
目を離した隙に部屋を歩きまわっていた神楽。
部屋の一番奥に置かれている。見るからに一番大きな、"ソレ"
「………銀さん」
表示されているタイマーは10分からのカウントダウンが始まっていた。
「…………新八、乗ってきた飛行機確認してきてくれ」
俺は新八にそれだけ言い残して、急いで部屋を後にした。
「え、ちょ、どこ行くんですか!」
「家出娘連れてくる!!脱出の準備、頼むわ!」
そう言い残して、俺はもう一度見覚えのある階段を駆け上がった。