Third Week
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GINTOKI side
「おはようございまーす」
新八が玄関のドアをガラりと開ける音で目が覚めた。
なんだか久々にずっと寝ていた気がする。
ふと手元の時計を見ると、12時を回っていた。
「銀さん?神楽ちゃーん?まだ寝てるんですか?」
「今起きた」
寝室の襖を開けると、新八がリビングのソファに腰を掛けながらコンビニ弁当をつついていた。
「飯は」
「僕が作るんですか?」
思わず口にした言葉。
めんどくさそうな新八の言葉に適当に返事をする。
誰もいない台所。からっぽな冷蔵庫。
そういえば、一番最近買い出しに行ったのはいつだっただろうか。
「ずっとはるに任せっきりだったからな」
買い物行って、朝飯作って、神楽起こして、
ほんの数週間まで当然のようにやっていたはずだったのに。
「銀ちゃん、お腹すいたアル」
つい先ほどまで大いびきをかいて寝ていた神楽も目を擦りながら起きてきた。
「おう、」
とりあえず、ないものは仕方ない。
晩飯までには買い出しに行かないと、と考えながら白米を茶碗に盛り付ける。
白米。一応これだけは炊いてあった。
二人分の茶碗に白米を盛りつけてリビングに持っていく。
「米アルな」
「これしかねーんだ。我慢しろ」
ぶーぶー文句をいう神楽を無視して、白米をかき込む。
ああ、白米ってこんなに味気なかったっけ。
無性に味噌汁が飲みたくなってきた。
はるが毎朝作ってくれる豆腐と昆布の味噌汁と、俺の好みに合わせてくれた甘めの卵焼き。
馬鹿馬鹿しい。もともと一か月だけのはずだった。
なんにせよ、こうして終わりの日が来ることは分かっていたし、それが少し早くなっただけ。ただそれだけのはず、なのに。
「はるの卵焼きが食べたいアル」
神楽がポツリと呟く。
リビングが一瞬しんとする。
俺も、新八も、思っていてもあえて言わないようにしていたのに。
新八が昼前に来ているにも関わらず、家で食事を済ませてこなかったこと。
「忘れろ。もう終わったことだ」
茶碗いっぱいに持った白米はなぜかあまり喉を通らなくて、
半分以上残っている茶碗を神楽に押し付けて俺はまた寝室へと戻って布団に転がった。