Third Week
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GINTOKIside
はるが連れていかれた。
あいつを連れていってしまうパトカーに一瞬唖然とするものの、
すぐに後を追いかけた。
「どこに向かうつもりだ…?」
車は城を通り抜けて走り続ける。
土方はあいつを水戸家の姫だと言っていた。
なら、水戸家に連れ戻すのが最優先ではないのだろうか。
意図が分からないまま、パトカーの後ろをスクーターで追い続ける。
「この道、もしかして…」
追い続けること数十分。
パトカーは真選組の屯所内へと入っていった。
「やっぱりそうか」
まあ、真選組のパトカーなのだから、
そらまあいつかはここに来るだろうけど。
わざわざ要人を自分たちの拠点で匿うなんでリスクのある行為、
真選組がかって出るだろうか。
「水戸家に、迎えを出せない理由でもあるってのかよ」
もはや分からないことだらけではあるが、考えていても仕方がない。俺は屯所の門番に声をかけた。
「ねえねえ、おたくの土方クンに用があるんだけど呼んでもらっていい?」
「副長は今重要案件の対応中で手が離せない。出直すんだな」
「その重要案件の用だって言ってくれればわかるからさ~」
俺の言葉に門番の隊士が眉をしかめる。
「なんだと?」
「いいから、土方クンに俺が呼んでるって伝えてきてくれない?」
「万屋、お前どこまで知ってるんだ」
「知ってるも何も関係者だっつの」
「そんなふざけた話、信じられるわけないだろう!」
門番は取り合ってくれる様子もない。
「あーわかりました勝手に呼びに行くわ」
あまりチンタラしてもいられない。
俺は門番を無視して屯所内へと進む。
後ろで門番の男が何やら声を荒げているが気にしている暇はない。
「で?どういうこと?大串クン」
屯所内を適当に歩き回ると、目当ての男を見つけたので声をかける。
腹立たしいことに、優雅に縁側で煙草をふかしている。
「不法侵入罪でしょっぴくぞ」
俺をちらりと見てから土方はため息を付いた。
「それはお前のところの大将が先だろうが」
「……何の用だ」
痛いところを突かれた、と視線をそらして土方は言う。
「はるを返せ」
「誰だそいつ」
「お前がさっき俺の家から拉致した女だよ」
「誘拐犯はお前の方だろうが」
土方はまた大きくため息をつく。
「全く、来月には入籍を控えた大事な時期だっていうのに、
こんなよく分からない男の家に居たなんてどう説明すりゃいいんだ。」
「は?」
「だから、は?はこっちのセリフなんだっつーの」
「入籍ってどういうことだ」
「ニュースでやってただろ、将軍家とタコ天人との政略結婚」
たしかに、そんなニュースが最近報道されていた気がする。
「もしかして、あいつが……?」
「この流れでそれ以外に何があるんだっての」
土方はふうーっと紫煙を吐き出してから立ち上がる。
「てなわけで、姫様とお前を会わせるわけにもいかないし、
明日には屋敷に戻られるお方だ」
とっとと帰るんだな。
土方はそう言い放つと、近くにいた隊士に声をかけて、
俺は"丁重に門までお見送り"をされた。
バタンと大きな音を立てて、屯所の門が閉じられる。
はるはもともと結婚が決まっていたお姫様だった。
おいおい、じゃあ何か。
「俺は、お姫様のお嫁さんごっこに付き合わされたってのか?」
俺が力なく絞り出した問いに答えてくれる人は誰もいるはずもなかった。
はるが連れていかれた。
あいつを連れていってしまうパトカーに一瞬唖然とするものの、
すぐに後を追いかけた。
「どこに向かうつもりだ…?」
車は城を通り抜けて走り続ける。
土方はあいつを水戸家の姫だと言っていた。
なら、水戸家に連れ戻すのが最優先ではないのだろうか。
意図が分からないまま、パトカーの後ろをスクーターで追い続ける。
「この道、もしかして…」
追い続けること数十分。
パトカーは真選組の屯所内へと入っていった。
「やっぱりそうか」
まあ、真選組のパトカーなのだから、
そらまあいつかはここに来るだろうけど。
わざわざ要人を自分たちの拠点で匿うなんでリスクのある行為、
真選組がかって出るだろうか。
「水戸家に、迎えを出せない理由でもあるってのかよ」
もはや分からないことだらけではあるが、考えていても仕方がない。俺は屯所の門番に声をかけた。
「ねえねえ、おたくの土方クンに用があるんだけど呼んでもらっていい?」
「副長は今重要案件の対応中で手が離せない。出直すんだな」
「その重要案件の用だって言ってくれればわかるからさ~」
俺の言葉に門番の隊士が眉をしかめる。
「なんだと?」
「いいから、土方クンに俺が呼んでるって伝えてきてくれない?」
「万屋、お前どこまで知ってるんだ」
「知ってるも何も関係者だっつの」
「そんなふざけた話、信じられるわけないだろう!」
門番は取り合ってくれる様子もない。
「あーわかりました勝手に呼びに行くわ」
あまりチンタラしてもいられない。
俺は門番を無視して屯所内へと進む。
後ろで門番の男が何やら声を荒げているが気にしている暇はない。
「で?どういうこと?大串クン」
屯所内を適当に歩き回ると、目当ての男を見つけたので声をかける。
腹立たしいことに、優雅に縁側で煙草をふかしている。
「不法侵入罪でしょっぴくぞ」
俺をちらりと見てから土方はため息を付いた。
「それはお前のところの大将が先だろうが」
「……何の用だ」
痛いところを突かれた、と視線をそらして土方は言う。
「はるを返せ」
「誰だそいつ」
「お前がさっき俺の家から拉致した女だよ」
「誘拐犯はお前の方だろうが」
土方はまた大きくため息をつく。
「全く、来月には入籍を控えた大事な時期だっていうのに、
こんなよく分からない男の家に居たなんてどう説明すりゃいいんだ。」
「は?」
「だから、は?はこっちのセリフなんだっつーの」
「入籍ってどういうことだ」
「ニュースでやってただろ、将軍家とタコ天人との政略結婚」
たしかに、そんなニュースが最近報道されていた気がする。
「もしかして、あいつが……?」
「この流れでそれ以外に何があるんだっての」
土方はふうーっと紫煙を吐き出してから立ち上がる。
「てなわけで、姫様とお前を会わせるわけにもいかないし、
明日には屋敷に戻られるお方だ」
とっとと帰るんだな。
土方はそう言い放つと、近くにいた隊士に声をかけて、
俺は"丁重に門までお見送り"をされた。
バタンと大きな音を立てて、屯所の門が閉じられる。
はるはもともと結婚が決まっていたお姫様だった。
おいおい、じゃあ何か。
「俺は、お姫様のお嫁さんごっこに付き合わされたってのか?」
俺が力なく絞り出した問いに答えてくれる人は誰もいるはずもなかった。