希望的観測
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チリン、と入り口のベルが来客を知らせる
涼やかなベルと共に
涼しげなまさに鈴のような声が聞こえる
「こんにちは」
近頃頻繁にいらっしゃるかわいらしい常連のお客様
「こんにちはぼたんちゃん、今日はどうなさいますか?」
「うーん、エスプレッソで!」
ついこの前、
「ここのハムサンドがおいしいと聞いたので」
とやってきた中学2年生の女の子は
そのかわいらしい容姿とは対照的に
意外に渋い注文をすることが多い
「かしこまりました」
にっこり笑って注文の品を作り始める
提供を待っているその姿もなんだか大人びていて
少し様になっているのが逆に面白くて
くすくすと笑ってしまう
「安室さん、聞こえてますよ」
じとり、と頬を膨らませながらぼたんちゃんはそう言った
それがまたかわいらしくって
「ごめん、」と言いながらも
もう一度、今度はさっきよりも盛大に笑ってしまう
「ごめんと思ってないでしょう」
頬を膨らませたまま、今度はぷい、と顔を背けられてしまった
なんというか、
俺はそんな幼女趣味なわけでは決してないのだけれど__
「ぼたんちゃんは本当に何をやってもかわいいね」
「え、」
思っていたことが口に出てしまっていたらしく
ぼたんちゃんは驚いたように固まってしまった
大人びた彼女にしては珍しい表情だ、と思ったのもつかの間
ご注文のエスプレッソを彼女の机に運びに来た俺の腕をつかむと
「でしょ?」
なんて優雅に微笑むのだった
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