お友達大作戦!
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きらびやかな太陽
きらきらと光る青い海
心地よい風
私は、少年探偵団の皆とキャンプに来ていた。
青い海を眺めながら海岸線を車で走っている。
なんて素敵なシチュエーションだろうか。
だけど、
「佐倉さんあまり顔を出しすぎると危ないですよ」
「あ、すいません」
隣で運転している昴さんに注意されて窓から顔を離す。
そう、人数的に博士のビートルでは乗れないのはわかる。
で、家庭菜園で実った野菜でも使いましょうか、
なんて言って昴さんに車出してもらうのもわかる。
だけど、だけどっ!
「なんでこっちの車二人だけなんだよくそう」
「ん?なにかおっしゃいましたか?」
「ああ、いえなんでも」
私のつぶやきが聞こえていたようで聞き返され慌てて取り繕う。
えっ、なんか誰か気をつかってこっちに乗ってくれてもよくない?
博士のビートルにぎゅうぎゅうになって5人で乗ってるんでしょ?
狭くない?普通にこっちに1人来た方がよくない?
いや、そりゃ嬉しいよ
昴さんの車の助手席に乗れるのすっごい嬉しいし
今でも完全に顔にやけてるよ??
でもさ?違くない?2人は違くない?
皆でキャンプに来てるのに2人ってなに?
そんなに私と一緒にいたくない??
「私嫌われてるんですかね」
ぽつりと零した言葉
今度ははっきりと聞こえたようで
「どうしてです?」
と昴さんが視線を変えずに尋ねてくる。
「だって、誰か一人くらいこっちに乗ってくれてもよかったのにな、って…」
そうつぶやくと、昴さんがいつもの声より少し低めのトーンで
「ほう?」
とつぶやいた。
「僕と二人きりは嫌でしたか?」
昴さんが横目で私の方をちらりと見る。
一瞬だけ合わさった視線、
初めて見た緑色の綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
「あ、いえ、そういうわけじゃないんですけど…」
「ならどうして?」
低い声のまま昴さんは聞き返す。
なんだろう、いつもと雰囲気が違うような…?
「緊張、しちゃうんです」
有無を言わせないようなそんな空気に耐えられずに
私は顔を真っ赤にさせながらそう言うと窓の外を眺めた。
「ほう、」
癖なのかさっきと同じ言葉をもう一度だけつぶやいた。
しかしさっきとは違い、その短い言葉だけでも
少し空気が軽くなったのが分かる。
昴さんはクスクスと笑いながら
「すいません、あんまりかわいらしいので意地悪したくなってしまって」
とさらりとそう言った。
「はぁ!?」
私は驚いて昴さんの方を振り返る。
そのとたん、目の前の信号で車が止まり
昴さんがしっかりとこちらを見つめてきた。
さっきと同じ、緑の瞳__
「驚いてますよ、自分でも、ね」
いつもの笑みとは違う
むず痒くなるような優しい視線と
胸にチクリと刺さるような悲しい表情に私は何も言えなくなってしまう。
信号が変わって、再び前を向いた昴さんはもういつも通りだった。
「楽しみましょうね、キャンプ」
火照った顔で、私は昴さんのその言葉にうなずくのが精いっぱいだった。