CONANside

「最近昴さんに避けられてる気がするんだけど」

アメリカから無事帰国して数週間後、
##zfは俺にそう言った。

「そうかなあ？」

こんなこと、ただの小学生に相談したってしかたねーだろ
なんて思いつつも、なんだかんだで放っておけない。

あの日、あの病室で、薫の寝顔を眺めながら
昴さんは確かにこう言った。
「佐倉さんによろしく伝えておいてください」と
その後、先に帰国したのかそれとも久々のアメリカを満喫していたのかは
俺の知るところではないが、確実にわかるのは、
あの事件にあってから、薫は昴さんと会っていない。
目を覚ます前に俺たちの前から消えたのだからそれもそうか
まあそのおかげで俺の出国が本気で危なかったわけだが。


と、いっても
俺は昴さんが工藤邸に今も住んでいることを知っているし
何日かに一度は話をするために顔を合わせている。
決してどこかに消えてしまったわけでもないのに、
ここまで徹底的に薫と顔を合わせていないのだから
どう考えったって意図的なのだろう。

「ねえ、コナンくんはどう思う？」

薫の問いに、あいまいに笑うことしかできない。
昴さん、いや赤井さんが意図的に合わないと決めている以上
詳しい理由も聞かずに勝手なことを話すわけにもいかない。

変わらずいるんだけどなあ、なんて思いながらも
薫の寂しそうな表情を見つめる以外に何もできない自分がちっぽけに感じた。