それは純粋で単純な
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その後、病院で処置を行う
心肺停止という危険な状態ではあったが、
治療のおかげでなんとか顔色もよくなりつつあった。
「あとはもう疲れて眠っているだけですので、
そのうち目を覚ますと思います」
「ならこのまま連れて帰っても?」
「構いませんが…大変では?」
「いえ、問題ありません」
病室の白い天井に日が差し込む。
俺の心境とは打って変わって、穏やかな空気に満ち溢れる。
今この部屋には俺と彼女の二人きり
俺が相当にひどい顔をしていたのか
坊やが気をつかって他の皆とキャンプ場に戻っていった。
__全くあの坊やにはいつも頭が上がらない
「佐倉さん、すいません僕が付いていたのに」
素でしゃべってしまいそうになるのをなんとか抑える。
彼女が求めているのは赤井秀一ではない、
その絶対たる事実に、当たり前であるはずの現実に
少し心がチクリと感じるのはどうしてなのだろうか。
彼女はただの家主の知人、それだけであったはずなのに。
いつも周りを明るくしてくれる眩しいほどの笑顔に
俺の事を考えてくれる健気さに
たまに見せる真剣な眼差しに
俺はいつの間にか惹かれていたのだろう。
彼女の倍ほど年が離れているというのに、だ
そんな立場ではないと頭では分かっている。
分かっているが、自覚してしまった自分の体を、
心を簡単に止められるほど俺は大人でもなければ
器用でもなかった。
「無事でよかった」
自分でも感じるほど情けなく緩んでしまった顔のまま
小さくそうつぶやくと彼女の頬に添えた手をそのまま額まで持っていき
前髪を優しく掬い上げてから彼女の額にキスを落とした。