お友達大作戦!
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「好きです!付き合ってください!」
目の前の男性にそう叫んだ私、
なぜこうなったかというと、それは数か月前まで遡ることになる。」
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「あの、通してもらえませんか」
「そんなこといわねーで、俺らと一緒に遊ばない?」
「遊びません、アイス溶けちゃうんでやめてください」
こんなことならおつかい行くんじゃなかった、と後悔した。
風呂上がりにアイスが急に食べたくなって
冷凍庫を見るとすっからかんで、
どうしても食べたい気持ちが収まらなくってコンビニに行こうとしたら
家族の分まで押し付けられちゃって……
まあ、その分ハーゲン○ッツ代もらえたからそれは構わないんだけど。
「あの、ほんとにやめてください」
夜中に絡まれるなんてどこの少女漫画なんだろう。
なんというか、早くアイス食べたいから返してほしいし
絡むなら家を出る前に行ってほしかった。
こんなすっぴんでジャージの奴にどうしてここまで絡んでくるのか。
こっちとしてもメンタルしんどいから切実にどいてほしい。
「いいじゃんいいじゃん」
「ちょっと遊ぶだけだから」
「ほんとに何もよくないんで、あの、やめてください」
ああもう、話が通じない!
どうしたものかと考えていると
「すいません」
背後から、その人は現れた。
「ん?何だよにいちゃん、君もあそんでほしーの?」
「ははっ、やめときなって、そんなほっそい体で」
男二人がけらけらと馬鹿にしたように笑いだす。
私は声のした方を振り返って見ると……
ほっそい…?何言ってんだこいつら
服で隠れているから分かりづらいけど明らかにがっちりとした体つき。
「僕の連れに何か御用ですか?」
にこにこと笑ってるけど、この人多分、
「はあ?連れ?」
「こんな明らかに風呂上がりにアイス買いに来ました
みたいな女に連れがいるわけねーだろ」
なんでモロバレなのしにたい
「こんな夜中に女性を一人で歩かせるわけないでしょう
僕もいっしょにおつかいですよ、ねえ?」
「えっ」
びっくりしたように肩を震わせた私をみて、
お兄さんは逃がさないとばかりに私の肩を引き寄せた。
あ、いい匂いする。
じゃなくて!
「おい、無視してんじゃねーよ!」
チンピラの一人がお兄さんに向かって勢いよく拳を振り上げた。
危ない、
と思ったのも一瞬で、お兄さんは平然とした顔で
チンピラの拳をパシリとつかむと、そのままにっこりと笑って
「あまり暴力には訴えたくないので気は進みませんが…
まだ続けるというのなら相手になりますよ?」
と、顔とは正反対なほど低い声でそう言った。
チンピラが顔を真っ青にして逃げていったことを確認してから
「ああ、すいません、馴れ馴れしく触れてしまって」
とお兄さんは申し訳なさそうに私の肩から手を離した。
「あ、いえ…」
離れてしまったことで遠ざかってしまった心地い香りに
少し残念な気持ちを残しつつ
「ありがとうございました」
とお礼を言うと
お兄さんはふわりと笑うと
「いえ、でも女性の一人歩きは危ないですから気を付けてくださいね」
と言うと、私の頭をポンポンと撫でてから、颯爽と帰っていった。
「はあ?なにあの人」
イケメンすぎんだろ
そこからは早かった
一瞬で恋に落ちてしまった私は
事の詳細を幼馴染で探偵の工藤新一に話した。
彼は複雑な事件とやらでしばらく顔は見ていないが
なにやらこのふざけた電話にも
付き合ってくれる程度には余裕のある生活をしているようだった。
ふさけた電話って自覚があるならやめておけって話かもしれないけど、
私からしたら一大事なので!仕方がない案件なので!
「だから!!
あのお兄さんがイケメンで!!」
「だからって身辺調査頼んでんじゃねーよストーカーかよ」
「だって!ちゃんとお礼したいじゃん!!」
「本音は」
「もっとお近づきになりたい」
「俺忙しいんだけど」
「お願い!!!!聞いて!!!切らないで!!!」
「はぁ…で?どんな人だよ」
なんだかんだで話を聞いてくれる新一はほんとにいいやつだと思う。
「身長高くて」
「おう」
「眼鏡かけてて」
「おう」
「真面目そうな雰囲気には似合わずに髪の色がずっごく明るくて」
「おう」
「細身なのに筋肉質で」
「おう」
「タートルネックがとっても色っぽくて」
「…おう」
「優しそうな顔して実は絶対目つき悪い」
「……」
「新一?」
「いや、それで?」
「にっこり笑顔が印象的な20代後半かもうちょっと年上の人!」
「あのさ、ひとつ聞いていいか」
「なに?」
「その人の髪の色って具体的にどんな色だった?」
「うーん…茶髪、というには赤っぽくて、ピンクっぽいていうか……」
というと、新一が電話越しに大きなため息をつく。
「なに、」
「いや、なんでもない」
「なに、知ってるの」
「あーいや…」
「知ってるんだ」
「いや、あの」
「教えて」
「いや、それは」
「教えろ」
「はあ」
新一はもう一度大きなため息をつくと
”今度コナンと一緒に会えるように昴さんに言っておく”
と告げた。
「昴さんっていうんだ」
「だからもう余計な詮索すんなよ!じゃあな!」
そういうと新一は一方的に電話を切ってしまった。
そして待ちに待ったその約束の日、
なんと通されたのは今誰も住んでいないはずの新一の家で
出迎えてくれた昴さんに向かって私は開口一番こういったのだ
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