The Future Of Sapphire
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「俺はあなたしかいないと思ってます」
それでもそんなことをいうつもりですか
と、必死で追い返しても動こうとしない彼がそう言った。
瞳の熱は、変わらない
昔からよく知っている。
この目をしてる時の秀ちゃんは何を言っても無駄だ。
「はあ、」
私はあきらめてため息をつくと
店のウェルカムボードを中にしまってから
戸棚にあるティーカップを二つ出した。
「あの、」
なにをしているんだ、という表情の秀ちゃん。
誰のせいでこうなってると思ってるんだか
「長くなるけど、聞いてくれるかしら」
こうして私は観念して、初めて人に自分の昔話をする決意をした。
_______________
___________
____
「つまり、そのサファイアが輝く人が正さんとやらの生まれ変わりで」
すっかり冷めきった紅茶をすすりながら
話を整理する彼の相槌を打つ
「ええ、私はその相手としか結ばれることが出来ないの」
「仮に、それを破ってしまうと?」
「死ぬわ、その相手だけが」
「ゆきさんは?」
「変わらないわよ、ただ無限の地獄が伸びるだけ」
長い時間を思い出すようにそう返した
思い返してみると、この現実を受け入れるまでに
結構な人を巻き添えにしてしまった気がする。
「それで、その運命の人は、見つかったんですか?」
秀ちゃんは恐る恐る尋ねた。
「ええ」
「誰か、と聞いても?」
苦しそうな、悔しそうな表情を浮かべる彼に思わず笑ってしまう。
「ええ、困ったことに__」
「あなたなのよね、赤井秀一さん?」
「、は?」
そのときの秀ちゃんの顔は
きっとこの先忘れることはないだろう。
凄腕のFBI捜査官として活躍している
彼のこんな間抜けな顔なんて、そうそう見れるものではないだろうから。
「えっと?」
今だに整理しきれてない秀ちゃんに、
くすりと笑ってから、私はポケットに隠していたサファイアのネックレスを見せる。
その雫を彼の近くに出すと青い光が力強く輝きを放った。
「本当、なんですね」
「ここで嘘言ってどうするのよ」
ようやく状況が整理できてきたらしい秀ちゃんは
ふむ、と言いながら顎に手を置いて何やら考え始める。
「ゆきさん」
「はい」
「俺の事、そんなに嫌いだったんですか?」
「は、」
真顔でそう尋ねる秀ちゃんに、今度は私がポカンとしてしまう。
「運命の人と結ばれればすべて解決するなら、
わざわざ俺の告白を断る必要ありませんよね」
なら、そこまで俺と結ばれるのが嫌だと?
自分で言ってて悲しくなってきたのか、
段々しょんぼりとしたようにそう言った彼がかわいらしくって。
「そんなわけないじゃない」
「ならどうして」
「だって、嫌じゃない?」
「何がですか、俺はゆきさんを愛しています」
突然の告白にどきりとする。
「いやそうじゃなくて」
「運命、なんて簡単な言葉で片づけるのが、
秀ちゃんに申し訳なくて」
正直、私はこの赤井秀一と言う男が好きだ。
子供のころから知っているかわいらしい男の子としてではなく
一人の男性として惹かれている、のだと思う。
ああ、ここでそうです嫌いです、って言える器用な人間ならよかったのに。
今まで正さんの生まれ変わりには何度かあっている。
最初は呪いを解くのに必死だった私は
血眼になって探しては、その男性に取り入った。
だが気づいてしまったのだ
そうすることで、不幸になる女性がいることに。
私が彼らの運命を捻じ曲げていることに。
サファイアが反応するのは正さんと同じくらいの年齢になってから
私が小さい頃から知っていた秀ちゃんは
あのときサファイアの呪いとは無関係なはずだったのだ。
再会してようやく、彼が”運命の人”であることを知ったのだ
「きっと私は、ずっと前からあなたに惹かれていたの」
そう、テロで分かれて再会した時の秀ちゃんの笑顔を見たときから
きっと私は秀ちゃんのことが好きだった。
「なら、」
「だからよ」
だからこそ、サファイアの運命って関係にしたくなかったし
秀ちゃんを正さんの代わりにもしたくなかった。
「私は、あなたをあなたとして好きでいたいの」
こんなこと言うつもりなかった
いつものように、あいまいな関係のままで
いつか彼に大切な人が出来た時に
真っ先におめでとうって言ってあげられたらそれでよかったのに。
「ごめんなさい」
あなたを愛しているからこそ、あなたとは結ばれたくないの。
それでもそんなことをいうつもりですか
と、必死で追い返しても動こうとしない彼がそう言った。
瞳の熱は、変わらない
昔からよく知っている。
この目をしてる時の秀ちゃんは何を言っても無駄だ。
「はあ、」
私はあきらめてため息をつくと
店のウェルカムボードを中にしまってから
戸棚にあるティーカップを二つ出した。
「あの、」
なにをしているんだ、という表情の秀ちゃん。
誰のせいでこうなってると思ってるんだか
「長くなるけど、聞いてくれるかしら」
こうして私は観念して、初めて人に自分の昔話をする決意をした。
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「つまり、そのサファイアが輝く人が正さんとやらの生まれ変わりで」
すっかり冷めきった紅茶をすすりながら
話を整理する彼の相槌を打つ
「ええ、私はその相手としか結ばれることが出来ないの」
「仮に、それを破ってしまうと?」
「死ぬわ、その相手だけが」
「ゆきさんは?」
「変わらないわよ、ただ無限の地獄が伸びるだけ」
長い時間を思い出すようにそう返した
思い返してみると、この現実を受け入れるまでに
結構な人を巻き添えにしてしまった気がする。
「それで、その運命の人は、見つかったんですか?」
秀ちゃんは恐る恐る尋ねた。
「ええ」
「誰か、と聞いても?」
苦しそうな、悔しそうな表情を浮かべる彼に思わず笑ってしまう。
「ええ、困ったことに__」
「あなたなのよね、赤井秀一さん?」
「、は?」
そのときの秀ちゃんの顔は
きっとこの先忘れることはないだろう。
凄腕のFBI捜査官として活躍している
彼のこんな間抜けな顔なんて、そうそう見れるものではないだろうから。
「えっと?」
今だに整理しきれてない秀ちゃんに、
くすりと笑ってから、私はポケットに隠していたサファイアのネックレスを見せる。
その雫を彼の近くに出すと青い光が力強く輝きを放った。
「本当、なんですね」
「ここで嘘言ってどうするのよ」
ようやく状況が整理できてきたらしい秀ちゃんは
ふむ、と言いながら顎に手を置いて何やら考え始める。
「ゆきさん」
「はい」
「俺の事、そんなに嫌いだったんですか?」
「は、」
真顔でそう尋ねる秀ちゃんに、今度は私がポカンとしてしまう。
「運命の人と結ばれればすべて解決するなら、
わざわざ俺の告白を断る必要ありませんよね」
なら、そこまで俺と結ばれるのが嫌だと?
自分で言ってて悲しくなってきたのか、
段々しょんぼりとしたようにそう言った彼がかわいらしくって。
「そんなわけないじゃない」
「ならどうして」
「だって、嫌じゃない?」
「何がですか、俺はゆきさんを愛しています」
突然の告白にどきりとする。
「いやそうじゃなくて」
「運命、なんて簡単な言葉で片づけるのが、
秀ちゃんに申し訳なくて」
正直、私はこの赤井秀一と言う男が好きだ。
子供のころから知っているかわいらしい男の子としてではなく
一人の男性として惹かれている、のだと思う。
ああ、ここでそうです嫌いです、って言える器用な人間ならよかったのに。
今まで正さんの生まれ変わりには何度かあっている。
最初は呪いを解くのに必死だった私は
血眼になって探しては、その男性に取り入った。
だが気づいてしまったのだ
そうすることで、不幸になる女性がいることに。
私が彼らの運命を捻じ曲げていることに。
サファイアが反応するのは正さんと同じくらいの年齢になってから
私が小さい頃から知っていた秀ちゃんは
あのときサファイアの呪いとは無関係なはずだったのだ。
再会してようやく、彼が”運命の人”であることを知ったのだ
「きっと私は、ずっと前からあなたに惹かれていたの」
そう、テロで分かれて再会した時の秀ちゃんの笑顔を見たときから
きっと私は秀ちゃんのことが好きだった。
「なら、」
「だからよ」
だからこそ、サファイアの運命って関係にしたくなかったし
秀ちゃんを正さんの代わりにもしたくなかった。
「私は、あなたをあなたとして好きでいたいの」
こんなこと言うつもりなかった
いつものように、あいまいな関係のままで
いつか彼に大切な人が出来た時に
真っ先におめでとうって言ってあげられたらそれでよかったのに。
「ごめんなさい」
あなたを愛しているからこそ、あなたとは結ばれたくないの。