The Future Of Sapphire
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「そうなんです、結構危なかったんですよ?
僕も脇腹何度か打たれましたし」
他に客のいなかったポアロで安室さんいや、
降谷零と名乗ったこの男性は
世間話でもするように私の質問に答えてくれた。
「あらあら、」
私もそれなりに奇妙な体験をしている自覚はあるが、
意外にこの周辺の人は、奇妙な経験をしている人であふれているらしい
「それにしても、コナンくんが高校生だったとはねえ」
体が縮む、なんて現代科学であり得るのだろうか、
なんてこれこそ私が言えることではないのだけれど不思議なこともあるもんだ、
そう思いながら安室さんの入れてくれたコーヒーをすすっていたその時。
人一人いなかったポアロのドアがこれまたチリリンという音を立てて開いた
「いらっしゃいませ」
咄嗟に私の正面に座っていた安室さんが立ち上がって声をかけた。
「なんだ、遅かったじゃないか」
安室さんのいつもとは違う雰囲気に気になって入り口の方をちらりと見る
「秀、ちゃん」
入り口に立っていたのは、
ずっと待ち焦がれていたその人だった。
今までの悩みなんかどこに行ったのか
私はその黒づくめの姿をみるなり彼の胸に飛び込んだ。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいまゆきさん」
ぎゅっと離さない私に、彼は優しい声でそう告げると
その大きな手で私の頭を撫でた。
私が秀ちゃんの頭を撫でるのはよくあったけど
私が撫でられるのは初めてかもしれない。
彼の大きな手が、その体温が心地よくって
しばらくそのままでいると
「あの、入り口」
秀ちゃんの後ろで、何やら見覚えのある青年が
これまた見覚えのある呆れた顔をして立っていた。
「いらっしゃい、新一くん」
安室さんはこれまた何事もなかったかのように青年を迎え入れる
「あの、お知り合いなの?」
何やら見覚えがある気はするけど、なんて初対面の男の子を見ながら
安室さんにそう尋ねると
彼はまたもやふふふと笑うと
「まあ、ね」
と楽しそうにはぐらかした。
「今日の安室さんはなんだか意地悪ですね」
「まあ、もう”安室さん”じゃないからね」
「おい降谷くん」
なんだかとっても楽しそうな安室さん(降谷さん?)がそう言うと
秀ちゃんが、じとりと窘めるような口調でそう言った
「ふふふ、あなた達が来るのが遅いから、全部話してしまいました」
「な、」
「ちょっと、降谷さん何考えて」
秀ちゃんと新一くん?が慌てたように私の方を見る
なんだっけ、この感じ
あ、もしかして
「コナン、くん?」
そうだ、コナンくんだ
この既視感、秀ちゃんとコナンくんが悪だくみに失敗した時と
おんなじ顔してる
新一くんと名乗ったその青年は
はああ、と大きなため息をつくと、
「ただいまゆきさん」
と諦めたように苦笑しながらそう言った
もちろん、私は秀ちゃんの腕をするりと抜け出して
新一くんの胸の中に飛び込んだ。
「おかえりなさい、新一くん」
なんて呼ぶべきかちょっと迷ったけど、
きっと彼はこうやって呼んでほしいだろうから
と、慣れない名前を呼んでみると
「ゆきさんには、前のままで呼んでもらいたいです」
なんて言われちゃったのがこれまたかわいくって
たまらず腕の力を強めて抱き着いた。
「おかえり、コナンくん」
「はい、ただいまゆきさん」