One step Of Sapphire
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次の水曜日、本当に裁縫教室が開催されてしまった。
「えっと、じゃあそれぞれのレベルに合わせてやっていきましょうか」
集まったのは安室さん、蘭ちゃん、コナンくん、昴さん
の4人だ。
言い出しっぺの梓さんが来ないのはどうなのか。
「まずはコナンくんね」
「僕は蘭姉ちゃんの見てるだけでいいよ」
店のソファに腰かけながらコナンくんはそう言った。
そう言うと思ってた。
「うふふ、そんなコナンくんのことはお見通しです。
羊毛フェルトを準備してきたから、
見守りながらちくちくしてみてね」
きっと器用で理解の早い彼なら、
セットを渡せばすぐにできるようになるだろうと思い、
お手軽羊毛フェルトキットを渡した。
コナンくんは、はは、と苦笑いをしてから
ありがとう、と言って袋を開け始めた。
「さ、次は安室さんと蘭ちゃんね。
今日は簡単にTシャツでも作ってみましょうか」
なぜか一番楽しそうにしている昴さんをスルーして、
一番なんでもできそうな二人に声をかけた。
「そんな簡単にできるものなんですか?」
不安そうに蘭ちゃんが尋ねてくる。
「採寸だけしてしまえば、切って縫うだけだから簡単よ」
「なるほど、それなら何とかなりそうだ」
なぜかこの教室に一番興味を示した安室さんは、
ノリノリで私が持ってきた生地を物色し始める。
この人は一体どこに向かっているのだろうか。
一通り説明を終えて、生地選びに没頭している二人の元を離れて、
一番の問題児の隣に腰を掛けた。
「じゃあ、昴さんはボタンつけからやってみましょうか」
「お願いします」
昴さんはにこにことしたまま返事を返した。
本当に、なんでこの人はこんなに楽しそうなのか。
「簡単なんで、一回みていてください」
この人も理解は早い方だと思っているので、
きっと一回見れば覚えるだろうと思い、
適当な材料を見繕って、昴さんの目の前でボタンを付ける
「はい、これで完成。簡単でしょう?」
「えっと、すいません、もう一回見せてもらってもよろしいですか?」
昴さんは申し訳なさそうにそう言った。
「うふふ、昴さんにもできないことがあるんですね」
一度見れば覚えれると思ってました、そう言って笑うと
「それでできるなら、とっくに自分でできるようになってますよ」
と、毎週のように店に訪れる常連客は苦笑いで返した。
「ふふ、それもそうですね」
日が傾き始めた頃
ようやく蘭ちゃんと安室さんの作業が完了した。
「できた!」
「思っていたより簡単でしたね」
「ふたりともお上手ね?」
「いえ!ゆきさんが丁寧に教えてくださったからです!」
蘭ちゃんが自分の作品を誇らしげに眺めながらそう言った。
その様子があんまりにかわいらしくて、思わず笑みがこぼれる。
「どういたしまして、うふふ」
「?どうかしましたか?」
「ちょっと蘭ちゃんのお母さんになった気分ね」
「それにしても、沖矢さんがそんなに不器用だとは思いませんでしたね」
安室さんが私の隣に座っている昴さんにそう声をかけた。
昴さんはいまだにボタンつけに苦戦している。
どうやら、針を通す場所が分からないらしい。
「本当にお恥ずかしい限りです」
そう言いながら、昴さんは笑った。
「さてと、お片付けしましょうか!
私はミシンを店に戻してきますね!」
「あ、僕も行きますよ」
ひと段落着いたところで、
私は安室さんと一緒にミシンを抱えてポアロを出る。
蘭ちゃんが床の掃除をするために箒を探しに行くと、
残されたコナンくんが、昴さんの耳元に顔を寄せると
小さな声でからかうようにこう言った。
「昴さんにも苦手なものがあるんだね?」
昴さんはにやりといたずらが成功したかのように
「まさか、手先には少々自身があってね」
と言って笑うのだった。
「えっと、じゃあそれぞれのレベルに合わせてやっていきましょうか」
集まったのは安室さん、蘭ちゃん、コナンくん、昴さん
の4人だ。
言い出しっぺの梓さんが来ないのはどうなのか。
「まずはコナンくんね」
「僕は蘭姉ちゃんの見てるだけでいいよ」
店のソファに腰かけながらコナンくんはそう言った。
そう言うと思ってた。
「うふふ、そんなコナンくんのことはお見通しです。
羊毛フェルトを準備してきたから、
見守りながらちくちくしてみてね」
きっと器用で理解の早い彼なら、
セットを渡せばすぐにできるようになるだろうと思い、
お手軽羊毛フェルトキットを渡した。
コナンくんは、はは、と苦笑いをしてから
ありがとう、と言って袋を開け始めた。
「さ、次は安室さんと蘭ちゃんね。
今日は簡単にTシャツでも作ってみましょうか」
なぜか一番楽しそうにしている昴さんをスルーして、
一番なんでもできそうな二人に声をかけた。
「そんな簡単にできるものなんですか?」
不安そうに蘭ちゃんが尋ねてくる。
「採寸だけしてしまえば、切って縫うだけだから簡単よ」
「なるほど、それなら何とかなりそうだ」
なぜかこの教室に一番興味を示した安室さんは、
ノリノリで私が持ってきた生地を物色し始める。
この人は一体どこに向かっているのだろうか。
一通り説明を終えて、生地選びに没頭している二人の元を離れて、
一番の問題児の隣に腰を掛けた。
「じゃあ、昴さんはボタンつけからやってみましょうか」
「お願いします」
昴さんはにこにことしたまま返事を返した。
本当に、なんでこの人はこんなに楽しそうなのか。
「簡単なんで、一回みていてください」
この人も理解は早い方だと思っているので、
きっと一回見れば覚えるだろうと思い、
適当な材料を見繕って、昴さんの目の前でボタンを付ける
「はい、これで完成。簡単でしょう?」
「えっと、すいません、もう一回見せてもらってもよろしいですか?」
昴さんは申し訳なさそうにそう言った。
「うふふ、昴さんにもできないことがあるんですね」
一度見れば覚えれると思ってました、そう言って笑うと
「それでできるなら、とっくに自分でできるようになってますよ」
と、毎週のように店に訪れる常連客は苦笑いで返した。
「ふふ、それもそうですね」
日が傾き始めた頃
ようやく蘭ちゃんと安室さんの作業が完了した。
「できた!」
「思っていたより簡単でしたね」
「ふたりともお上手ね?」
「いえ!ゆきさんが丁寧に教えてくださったからです!」
蘭ちゃんが自分の作品を誇らしげに眺めながらそう言った。
その様子があんまりにかわいらしくて、思わず笑みがこぼれる。
「どういたしまして、うふふ」
「?どうかしましたか?」
「ちょっと蘭ちゃんのお母さんになった気分ね」
「それにしても、沖矢さんがそんなに不器用だとは思いませんでしたね」
安室さんが私の隣に座っている昴さんにそう声をかけた。
昴さんはいまだにボタンつけに苦戦している。
どうやら、針を通す場所が分からないらしい。
「本当にお恥ずかしい限りです」
そう言いながら、昴さんは笑った。
「さてと、お片付けしましょうか!
私はミシンを店に戻してきますね!」
「あ、僕も行きますよ」
ひと段落着いたところで、
私は安室さんと一緒にミシンを抱えてポアロを出る。
蘭ちゃんが床の掃除をするために箒を探しに行くと、
残されたコナンくんが、昴さんの耳元に顔を寄せると
小さな声でからかうようにこう言った。
「昴さんにも苦手なものがあるんだね?」
昴さんはにやりといたずらが成功したかのように
「まさか、手先には少々自身があってね」
と言って笑うのだった。