One step Of Sapphire
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昴さんにごちそうになってからというもの、
彼は頻繁に店を訪れるようになっていた。
「こんにちは」
「あら、昴さんこんにちは今日はどうしたのかしら」
「ええ、シャツのボタンが外れてしまって…」
不器用なのかなんなのか、
彼は結構簡単な用事でも店を利用してくれる。
いいお客さんといえばいいお客さんである。
「うふふ、じゃあすぐにつけてしまいますから、
少し待っててもらえますか?」
「お忙しいのにすいません」
「いえいえ、すぐにお茶だしますからそちらに掛けてお待ちくださいな」
昴さんをロビーのソファに座らせると
なれた手つきでお茶を淹れる。
アッサムに牛乳を入れそうになった手を慌てて止める。
「っと、ストレートじゃないと怒られちゃうわ」
彼の好みの紅茶を淹れるのにも慣れっこになったことに
ふふふと笑いながら、今日も常連様に紅茶をお出しする。
「うん、ゆきさんの紅茶はやっぱり最高ですね」
「喫茶店になった覚えはないのだけれど?」
出された紅茶をすぐさま飲む目の前の男に、
私はボタンつけの作業を開始しながら、
呆れたように笑って返事をした
茶を飲みたいなら隣に喫茶店があるというのに。
「すいません、ゆきさんの紅茶がおいしくって、つい」
「そう言われると悪い気はしないですけど……」
「けど?」
私が言葉を濁すと、
昴さんが片目でちらりと私の方を見ながら尋ねてくる。
緑色の、瞳。
「シャツのボタン一つつけられないなんて、
昴さんは家庭科の成績とっても悪かったのね?
ちょっと心配になっちゃうわ」
彼の瞳を見つめながら、そう言った時だった。
「あの、すいません!
コーヒー零しちゃって、急いで染み抜きしてほしいんですけど……」
エプロンを付けた、
褐色肌の男が、焦ったようにそう言いながら、店の扉を開けた。
「ここ、クリーニング屋になった覚えもないのだけれど」
私はもう一度苦笑すると、
ボタンを玉留めを終わらせて、
新しいお客さんの元へと向かったのだった。
彼は頻繁に店を訪れるようになっていた。
「こんにちは」
「あら、昴さんこんにちは今日はどうしたのかしら」
「ええ、シャツのボタンが外れてしまって…」
不器用なのかなんなのか、
彼は結構簡単な用事でも店を利用してくれる。
いいお客さんといえばいいお客さんである。
「うふふ、じゃあすぐにつけてしまいますから、
少し待っててもらえますか?」
「お忙しいのにすいません」
「いえいえ、すぐにお茶だしますからそちらに掛けてお待ちくださいな」
昴さんをロビーのソファに座らせると
なれた手つきでお茶を淹れる。
アッサムに牛乳を入れそうになった手を慌てて止める。
「っと、ストレートじゃないと怒られちゃうわ」
彼の好みの紅茶を淹れるのにも慣れっこになったことに
ふふふと笑いながら、今日も常連様に紅茶をお出しする。
「うん、ゆきさんの紅茶はやっぱり最高ですね」
「喫茶店になった覚えはないのだけれど?」
出された紅茶をすぐさま飲む目の前の男に、
私はボタンつけの作業を開始しながら、
呆れたように笑って返事をした
茶を飲みたいなら隣に喫茶店があるというのに。
「すいません、ゆきさんの紅茶がおいしくって、つい」
「そう言われると悪い気はしないですけど……」
「けど?」
私が言葉を濁すと、
昴さんが片目でちらりと私の方を見ながら尋ねてくる。
緑色の、瞳。
「シャツのボタン一つつけられないなんて、
昴さんは家庭科の成績とっても悪かったのね?
ちょっと心配になっちゃうわ」
彼の瞳を見つめながら、そう言った時だった。
「あの、すいません!
コーヒー零しちゃって、急いで染み抜きしてほしいんですけど……」
エプロンを付けた、
褐色肌の男が、焦ったようにそう言いながら、店の扉を開けた。
「ここ、クリーニング屋になった覚えもないのだけれど」
私はもう一度苦笑すると、
ボタンを玉留めを終わらせて、
新しいお客さんの元へと向かったのだった。