Encounter Of Sapphire
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「で、この前再会したというわけだ」
ふぅ、と赤井さんが息を吐くと、
紫煙が部屋中に広がる
もう、昴さんになったときに
煙草の匂いが残るから控えなよって言ってるのに
「そうだ、坊やこれを見てくれ」
赤井さんが胸元から取り出したのは一枚の写真
「なにこれ、…えっ赤井さん若っ!!」
今の話から察するに、日本へ行く飛行機に乗る直前に撮られたものだろう。
目の前の男がずっと写真を持ち歩いていることにも驚くが___
「そっちじゃない」
「え、ゆきさん……」
そこには、笑ってしまうほどに若々しい赤井さんと
今と全く変わらない美しい姿で笑うゆきさんの姿があった。
「え、ちょっとまって」
混乱している頭を整理していると
赤井さんが煙草を灰皿に押し付けながら
「ちなみにこの写真を撮ったのは十年以上前だ」
とダメ押ししてくる。
「女の人って、すごいんだね?」
自分の母親もなかなかだが、
ここまで全く変わらない若作りというのは
女性の神秘というか、意地のようなものを感じる。
俺の言葉に赤井さんはくくく、と笑ってから
「そうだな」と短く言うと、写真を胸元へしまった。
(初めて会ったときの写真を見せたら、
坊やは腰を抜かすかもしれないな。)
なんて、赤井さんが二十年以上の写真を思い出していたことを知るのは
もう少し後のお話。