このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

逍遥日記

我が都、福原

2012/09/13 00:00
日本史
平家一門
 前回は清盛が倒れた事によって平家一門が抱える弱点が一気に露見した回でしたが、今回は清盛と頼盛の絆が描かれた回でした。今回の清盛と頼盛の語らいでやっと『忠盛と忠正の兄弟』から『清盛と頼盛の兄弟』へと思いが繋がったのは見ていて嬉しかったです。
 実は私は割と忠正頼盛を贔屓にしているものなので尚更。
 まあ、感動以外に冷静な解釈(水を注すとも言う)を述べれば『忠正は忠盛亡き後に清盛から離反』『頼盛は清盛亡き後に宗盛から離脱』している事を考えると構図的にも実によく考えられているなぁと思います。

 まず前回からの平家一門の状態を整理していくと、前回露見した一門の弱点は清盛の統率力に依存し過ぎている点。清盛だから一門の皆が従っている状態なので清盛がいなくなると皆が皆バラバラに動いてしまう。嫡男の重盛が後継者なのは衆知の事実だが、重盛は有能で実績もありますが、他の有力な一門(頼盛や宗盛)と比べると少し上に出ている程度で絶対的な優位性がない。平家は頭領が当主として絶対的な権威や権力を握って他の一門を従えていたわけではないので、頭領が清盛から重盛に代替わりしたからと言って『はい、そうですか』と言って皆が従ってくれない。これは今回も描かれていたように平家一門の官位を軒並み昇進させてしまった反動なわけですが……。更に重盛の対抗馬である宗盛が縁戚関係的には前妻の子である重盛よりも圧倒的に有利(まあ、能力では月とスッポンどころの騒ぎではない差で重盛が圧勝だが)。これは重盛の子である惟盛や資盛の正室に皇族か摂関家辺りから迎えでもしない限りひっくり返らないわけですが、当然ながらそれは武家である平家には不可能で、どうにもならない。これからどんどん孤立するであろう重盛の事を考えると、前回の継母の言動とかが可哀想でならない。しかも親父に何も言わないところがまた……。


重盛と宗盛
 前回遂に仲違いが……そう言えば重盛が基盛以外の兄弟と仲良くしてる描写が殆どなかったのに、今回も含めて宗盛には下の兄弟達と仲良くしている描写がかなりありましたね。
 まあ、重盛健在な今はヘタレな宗盛は重盛に一睨みされただけで怯えてましたが(笑)


時子
 前回『我等にとってはどちらの母も大切』って基盛と一緒に言った重盛の為にもあそこでは言ってあげてほしかったです。本音は何処にあるかは言わなくてもわかりますが。
 前回のがあるので今回の『平家は何があっても一蓮托生』と言う発言が空々しい物に聞こえてしまったのは私だけ?
 しかし、平家の頭領の妻は何故こうも苦労するんでしょうね。そして、肝心な時にポロッと本音を出して話をややこしくする。まあ、時子の方が夫の実子である分池の禅尼よりまだマシだと思いますが……


時忠
 姉想いなのが本当か、自分の為についた建前だけの嘘なのか、どちらかわかりませんが……え~~っと、まずは重盛と宗盛を能力で冷静に比べてみようか、ヘタレな宗盛じゃ平家が滅んじゃうよ?(実際滅ぶんですが)
 アンタが要らぬ事を言うから、バカが不相応な事を考えて(望んで?)しまってるじゃないですか!!
 ……と思ったのですが、宗盛今回はちょっと迷惑そうにしてましたね。さてさて宗盛たんの本音は何処にあるのやら。
 まあ、『兄貴の上には立ちたいけど、一門を背負う覚悟はない』と言うのが本音でしょうけど。(私も含めて)野心の無い凡人って生き物は『上から言われるのは嫌だ。けど、上に立って責任は取りたくない』て言う人が結構多いですからね。


清盛出家
 清盛の叡山懐柔策なわけですが、貪欲な奴等相手にどう賽の目が出るのやら……その答えは次回と言うことですかね。
 それにしてもあれズラを剃ったのか、地毛をそったのかどっちなんだろf(^_^;

平家の都、福原
 武士の世を目指す清盛にとってそれを実現する為に築く都、彼にとってはまさに夢の都なわけです。
 京に居ては帝や上皇、摂関家へ常に気を使わなければ、つまり古い権威の呪縛から逃れられない。そう言う意味では拠点を移す事は新しき国作りをするまたとない戦略であるだけでなく、彼が思い描く交易を中心とした国作りを実現できる。
 この事を最初に語ったのが後継者の重盛や愚息宗盛ではなく、忠盛と池の禅尼の子である頼盛だったのが、父の意思を継いで自分なりに形にしたと言う事実が明確に伝わりこれまたいいですね。頼盛でなくても賛同したくなります。


関東の武士団
 西国武士の頭である清盛に不満が高まっています。元々源氏の影響力が強い地域だから仕方がないですが。中央に対して地方が不満なのはどの時代も同じですかね。
 東国と言うか源氏では、北条時政と政子親子のやり取りが見ていて微笑ましいです。さすがに猪を担いで来たのはどうかと思いましたが(笑)

 しかしながら、ドラマとは関係ないですが、個人的には『源氏と東国に強い繋がり』って説には否定的な立場です。頼朝が鎌倉に幕府を開いた結果論でしかないと思うんですよねぇ。
 抑わざわざそんな影響力が強い地域に源氏の御曹司を流罪にするなんて(赦免するつもりなら別ですが)危険な事を朝廷や平家がするとは思えません。頼朝の挙兵は政権への反対派(反平家派)の力を結集した結果の挙兵だと思います。
 そして、平家側には関東に東国の家人を纏める旗頭がいないと言う軍事的な欠陥があったので頼朝の挙兵がうまく言ったと考えるのが一番自然ではないかと、平家政権では東国武士達は平家一門の誰かと個別に主従関係を結んでいてバラバラでしたから。
 結果論ですが、平家側が誰か有力な一門を関東の何処かの国守(武蔵守、相模守或いは上総介辺り)に任じて同時に平家における東国武士の代官として現地に赴かせて非常時の軍事指揮権を与えていれば頼朝や義仲の挙兵を阻止出来たかも知れません。清盛も富士参詣を名目に自身(あるいは代官として知盛)が東国へ出向こう(出向かせよう)としているので、この弱点に気づいていたのか知れません。(富士参詣は計画だけで中止になった)
 まあ、そう言う朝廷の枠外での体制や制度が未熟なのが武家政権への移行期である平氏政権の特徴ですが。
 はい、蛇足終了。


その他色々
 前回は清盛の影響力が大きいだけに彼が死病だと広まり皆本音が出ていましたね。そして、今回は出た本音が何処に向かうのかをちょい出しされていた感じです。
・後白河
 あ~あ、後白河ってヤンデレじゃなくてツンデレだったんだぁ(違ッ!?)
 本音は目障りだが嫌いではないと言った辺りかな?
 復活した清盛に対してギラギラと対抗意識を燃やしています。彼がいないと精神的に燃えないのかも知れません。(言うまでもないが萌えではない)
・成親と西光
 同じ後白河に仕えながら全然性格が違う二人。
 国を動かすのに必要なのは財、志などなくても政ができると言う成親。
 国を率いる人間には信西のような志が必要だと言う西光。
 この組み合わせが後白河の側に居るのは面白いかもしれません。
 しかしながら成親は前回やっと本音を語ってくれましたね。自分が生き残る事と出世する事を考え、したたかに計算している打算的な冷めた男と言ったところが彼の本性のようです。クールと言うかドライな現実主義者。
 西光は信西を慕い過ぎて亡き彼に依存していると言うのは明らかだったので今更な気もしますが……他者依存型の理想主義者。崇拝は信西、嫌悪が清盛。
 そして、今回の献策や態度が『平家批判と冷たい目で静観』と言う性格そのままなのがなんとも……
・摂関家の兄弟
 小物でねちっこい兄も気になりますが、後ろからすっごく冷たい目で見ている弟の方が気になると言うか怖い(@_@;)
 そろそろ兄は温厚真面目な重盛をマジギレさせますが、何処まで徹底するのか、またあの兄弟の関係はどうなるのか楽しみです(笑)


 さてさて、清盛の絶頂期に突入しているわけですが、絶頂期(治承三年の政変など)やその後の混乱期とその最中の死がどう描かれるのか楽しみです(*^-^*)

コメント

[ ログインして送信 ]

名前
コメント内容
削除用パスワード ※空欄可