逍遥日記
叔父を斬れ
2012/06/11 20:06日本史
久しぶりに大河ドラマの感想である。実は今年の大河にはまっています\(^-^)/
今回は平忠正と源為義の退場回だったわけで、観ていて辛かったです。しかしながら、完全に引き込まれて観ていたので、45分がこんなに短く感じられたのは久しぶりです。
ちなみに親父(為義)が斬られるシーンを一緒に視ていた父親が「あ~こんな時代に生まれてこなくてよかった。切るのも斬られるのも嫌だ」と言ったのが凄く印象的でした。
私には子供がいないから半分しかはわからないんですけどね…(^-^;
今回の見所は平清盛と源義朝そして信西だったわけですが、
まずは清盛から、今回の清盛は殿上人になった時の父忠盛にやっと追い付いたわけですが、それを表すためにわざわざ『父親の時に嫌がらせをした関白様』から杯を与えさせるとは実に考えられた構図、こう言う所で今年の大河は考えられているなぁと感心させられます。
今年の大河は本当に無駄な演出がない。さらにその演出をやらせる人選まで完璧な事に驚かせられます。脚本家の頭の中では全ての流れやイベント、演出がすべて考えられていて実に精巧、何よりもっとも驚かされるのが伏線です。伏線は『あ~これがああなるんだなぁ』て言う感じのわかりきった演出だと正直張られた段階で萎えますが、今回の大河は伏線のパターンが豊富です。まず歴史に詳しい人にだけわかるようなモノ(例えば信頼が塚地な事とか、長田が自分を父と思ってと言ってみたり)、一般のドラマ的な伏線(昼ドラが好きそうな女性関係)、実際に見て『だからあの時そうさせたのか』と納得させられる演出(今回の関白様とか)、伏線だとわかりにくい人間関係(前回の為義捕縛と今回の処刑、義朝の正妻と側室)、パターンが豊富なだけでなく伏線の張り方が実に巧妙で見ている人間を全く飽きさせません。
また細かい演出も良い、『平家の為に斬れ』『お前が平清盛だと証明しろ』と言った忠正を斬った瞬間、清盛のバックがそれまでの白い靄がかかったようなモノから平家を表す『赤』になったのも凄く印象的でした。
叔父を斬った事で清盛がこれまでの青臭い青年から逞しい頭領になっていくと言う成長も見物でした。清盛、義朝を中心に(あと後白河なども)人の成長もちゃんと描かれているので益々面白い。昨年のも少しは見習ってもらいたいものです。
で、次に散々仲違いしていてもやはり父親は斬れなかった義朝。叔父達を斬った清盛との対比ですね。斬首前に邸で、二人の仲を裂く事になった友切り(髭切り)の太刀をまるで義朝に授けるようにして為義が渡したり、『孝行の息子』と言うのがまた切ない。
子って親のやる事とかにイライラするし、時々邪魔だと感じたりするけど、結局は親子なんですよねぇ。
……私は何が言いたいんだ?(笑)
そんな微妙な親子関係の情や葛藤が今までの流れもあって凄く上手く表現されていて、これまた引き込まれてしまいました。『自分では親の悪口とか言っちゃうけど、他人から言われたら腹が立つ』みたいな子供の我が儘とも取れる矛盾した心理と仲良くしたいけど方針や考えの違いで上手く行かないジレンマがずっと描かれていた義朝なので刑場でのやり取りは視ていて辛かったです。
これで忠盛と清盛、為義と義朝、ずっと比較されてきた二つの親子の両方の父が亡くなり、二人が本当の意味で自立していくわけですが、さてさて、二人はどう対照的に成長したのか、今から次回が楽しみです。
ちなみに私の親子は親も子も偉大ではないですが、どちらかと言うと忠盛清盛親子と似てるかな、親父が立派で息子が青臭いので(笑)
あ、もちろん私と父は血の繋がった実の親子です。
さてさて、次は次回から平治の乱まで大活躍する信西です。最近まで信西は頭が良すぎて血が通ってない人間、理屈だけ知ってて他人の痛みがわからない人間の様に描かれていましたが(嬉しげに天下大乱と言ってましたし)、前回の頼長の死や今回の武士達の斬首でそうではなく、心を鬼にして世を変えようとしている事が描かれたのですが……これも彼の末路を知っていると切なくなります。
あと虐げられているのは武士だけではない。と言う信西の声無き叫びが明確に言葉にしないからこそ伝わりますね。
はぁ~…今回は本当に観ていて辛かったです。命じた信西、命じられた清盛義朝、それぞれが涙を流す中、己が世に、己の権力に酔った後白河帝の高笑いが響く。そして、戦勝の宴と言わないで祝いの席と言えてしまう辺りが悪趣味。またタイミングも絶妙。
かぁ~~…最初から清盛のラスボス位置がおそらくコイツだとわかっていてもやっぱり腹立つなぁ(笑)
そう言えば清盛が人を明確に殺した描写は初めてなんじゃないでしょうか(><)
そんなわけで視聴率とかお構い無しで私は今年の大河にはまっています(^^)d
去年みたいなスイーツなお子さまランチは要らないんだよ、今年みたいに濃厚なのがずっと欲しいかったんだよ\(^-^)/
今回は平忠正と源為義の退場回だったわけで、観ていて辛かったです。しかしながら、完全に引き込まれて観ていたので、45分がこんなに短く感じられたのは久しぶりです。
ちなみに親父(為義)が斬られるシーンを一緒に視ていた父親が「あ~こんな時代に生まれてこなくてよかった。切るのも斬られるのも嫌だ」と言ったのが凄く印象的でした。
私には子供がいないから半分しかはわからないんですけどね…(^-^;
今回の見所は平清盛と源義朝そして信西だったわけですが、
まずは清盛から、今回の清盛は殿上人になった時の父忠盛にやっと追い付いたわけですが、それを表すためにわざわざ『父親の時に嫌がらせをした関白様』から杯を与えさせるとは実に考えられた構図、こう言う所で今年の大河は考えられているなぁと感心させられます。
今年の大河は本当に無駄な演出がない。さらにその演出をやらせる人選まで完璧な事に驚かせられます。脚本家の頭の中では全ての流れやイベント、演出がすべて考えられていて実に精巧、何よりもっとも驚かされるのが伏線です。伏線は『あ~これがああなるんだなぁ』て言う感じのわかりきった演出だと正直張られた段階で萎えますが、今回の大河は伏線のパターンが豊富です。まず歴史に詳しい人にだけわかるようなモノ(例えば信頼が塚地な事とか、長田が自分を父と思ってと言ってみたり)、一般のドラマ的な伏線(昼ドラが好きそうな女性関係)、実際に見て『だからあの時そうさせたのか』と納得させられる演出(今回の関白様とか)、伏線だとわかりにくい人間関係(前回の為義捕縛と今回の処刑、義朝の正妻と側室)、パターンが豊富なだけでなく伏線の張り方が実に巧妙で見ている人間を全く飽きさせません。
また細かい演出も良い、『平家の為に斬れ』『お前が平清盛だと証明しろ』と言った忠正を斬った瞬間、清盛のバックがそれまでの白い靄がかかったようなモノから平家を表す『赤』になったのも凄く印象的でした。
叔父を斬った事で清盛がこれまでの青臭い青年から逞しい頭領になっていくと言う成長も見物でした。清盛、義朝を中心に(あと後白河なども)人の成長もちゃんと描かれているので益々面白い。昨年のも少しは見習ってもらいたいものです。
で、次に散々仲違いしていてもやはり父親は斬れなかった義朝。叔父達を斬った清盛との対比ですね。斬首前に邸で、二人の仲を裂く事になった友切り(髭切り)の太刀をまるで義朝に授けるようにして為義が渡したり、『孝行の息子』と言うのがまた切ない。
子って親のやる事とかにイライラするし、時々邪魔だと感じたりするけど、結局は親子なんですよねぇ。
……私は何が言いたいんだ?(笑)
そんな微妙な親子関係の情や葛藤が今までの流れもあって凄く上手く表現されていて、これまた引き込まれてしまいました。『自分では親の悪口とか言っちゃうけど、他人から言われたら腹が立つ』みたいな子供の我が儘とも取れる矛盾した心理と仲良くしたいけど方針や考えの違いで上手く行かないジレンマがずっと描かれていた義朝なので刑場でのやり取りは視ていて辛かったです。
これで忠盛と清盛、為義と義朝、ずっと比較されてきた二つの親子の両方の父が亡くなり、二人が本当の意味で自立していくわけですが、さてさて、二人はどう対照的に成長したのか、今から次回が楽しみです。
ちなみに私の親子は親も子も偉大ではないですが、どちらかと言うと忠盛清盛親子と似てるかな、親父が立派で息子が青臭いので(笑)
あ、もちろん私と父は血の繋がった実の親子です。
さてさて、次は次回から平治の乱まで大活躍する信西です。最近まで信西は頭が良すぎて血が通ってない人間、理屈だけ知ってて他人の痛みがわからない人間の様に描かれていましたが(嬉しげに天下大乱と言ってましたし)、前回の頼長の死や今回の武士達の斬首でそうではなく、心を鬼にして世を変えようとしている事が描かれたのですが……これも彼の末路を知っていると切なくなります。
あと虐げられているのは武士だけではない。と言う信西の声無き叫びが明確に言葉にしないからこそ伝わりますね。
はぁ~…今回は本当に観ていて辛かったです。命じた信西、命じられた清盛義朝、それぞれが涙を流す中、己が世に、己の権力に酔った後白河帝の高笑いが響く。そして、戦勝の宴と言わないで祝いの席と言えてしまう辺りが悪趣味。またタイミングも絶妙。
かぁ~~…最初から清盛のラスボス位置がおそらくコイツだとわかっていてもやっぱり腹立つなぁ(笑)
そう言えば清盛が人を明確に殺した描写は初めてなんじゃないでしょうか(><)
そんなわけで視聴率とかお構い無しで私は今年の大河にはまっています(^^)d
去年みたいなスイーツなお子さまランチは要らないんだよ、今年みたいに濃厚なのがずっと欲しいかったんだよ\(^-^)/