stage0.75歓迎会の出会い
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その後の私は継母に捕まり、主賓の公爵様が挨拶するから来いと言われたので従うと、そこには例の毎回家柄を自慢する金髪の御曹司が居た。どうやら継母が呼んだらしい。
そして、一緒に公爵様の楽しくない話を聞く事になった。
(早く終わればいいのに、公爵の話もコイツと居る時間も)
さっき信也と話した時は時間が過ぎるのが早く感じたのに、コイツといると時間がゆっくり流れている様な気がする。何やら話している公爵様の話を全く聞きかず、目は自然とさっき話した信也を探していた。
集まった人混みを探すが、パッと見た感じではいなかった。さすがは公爵様と言うべきか、大勢の人が来ているので見つかるはずもなかった。ちなみにこの時は全く知らなかったが、ミレイ会長も参加しており、この中に居たらしい。
私が周りを見渡している事に気付いたのか、例の金髪が私に小声で声をかけてきた。
「誰か探してるの?」
「友達」
とっさに答えた私の声は自分でも信じられないぐらい冷たく露骨に不快だと言わんばかりの声だった。だが、この金髪は気づかなかったらしい。
「そう。でも探すのは後にした方がいい、公爵様は人を見る目が厳しいらしいから、話してる時にあまりキョロキョロしていると目をつけられるかも知れないよ」
「へぇ~、そうなんですか。詳しいのですね」
「そりゃあ我が家は、かの家との付き合いが深い――(以下省略)」
何やらペラペラと自慢をしているが、それ以前に「こいつもしかして人を見る目の意味を勘違いしてない?」と言う疑惑が浮かんだが、指摘する意味を感じなかったので内心でため息をしつつ聞き流した。
(まただ。なんであの人(継母)もこんな家柄だけのヤツを連れてくるのかな? もう少しまともなのはいなかったの? こんなのと政略結婚してもなんの特にもなんないと思うんだけどなぁ。だいたい、私の結婚相手はお兄ちゃんみたいに頭が良くて頼りになる人って決めてるんだからね!)
などと考えながら公爵様が話してるステージのちょっと横を何気無く見ると、
「ッ!!!」
驚いて叫びそうになるが、声が出る前に手で口を塞ぎなんとか抑えた。私が驚いた理由は、
(なんで? どうして信也はあんな場所にいるの? え? なに、日本人なのに公爵様と親しいの? 別人? そんなわけないわよね。私、目はかなりいいし)
私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。良く見ると信也は何やらメモを眺めている。彼の口が僅かであるが動いている事から何かは分からないがブツブツと読みあげているようだ。
何してるのかと眺めていると、会場中から拍手がわき起こった事で公爵様の話が終わったのだと気付き、自分も慌てて拍手をする。しかしながら、この後私は公爵様の発言で更に驚かされる事になる。
「シンヤ、次はお前が何か話しなさい。難しいことは言わなくていい。ここにおられる方々はハプスブルク家と縁が深い人々ばかりだ。身内の前だと思い気軽に話なさい」
「はい、養父上。承知致しました」
(えっ!? え! ち、ち? うえぇーーっ!!!?)
声には出さなかったが心の中で驚きの声を上げた。呼ばれた信也は完璧な作法で壇上へ向かって進む。
「皆さん、我が息子はまだ子どもですので多少の失敗は目をつぶってやってください。親としてはできの悪い息子ほど可愛いものでして」
照れながら語る公爵の言葉にドッと会場中が笑うが、私の脳内は驚きと混乱が続いていた。信也は壇上へ上がり、公爵様の隣に立つと深くお辞儀をした。そして、信也の話す内容を聞き更に驚くことになる。
「皆さん始めまして、シンヤ・ハプスブルクです。今日は我が養父のエリア11訪問歓迎の為、たくさんの方々に来ていただき、息子として嬉しく思います。我がハプスブルク家はかつて中世のヨーロッパでは一門で数ヵ国の国王を勤めた程の名家ではありましたが、今日まで家名を絶やすこと無く今の様にブリタニア国内で隆盛を保つ事ができているのは歴代の皇帝陛下の慈悲と皆々様の御助力の賜物です。私は未熟者ではありますが、我が家が歴代皇帝陛下から賜った慈悲や御恩に少しでも報いる為に、そして皇帝陛下の為、ひいては神聖ブリタニア帝国の為に身を粉にして信也公爵家の一員として皇帝陛下につくす覚悟であります。到らぬ所ばかりで、足を引っ張るかもしれませんが、皆々様とともにブリタニア繁栄の為に尽くす所存です。皇帝陛下に! ブリタニア帝国に栄光あれ! オールハイルブリタァーニア!」
「「「オールハイルブリタニア! オールハイルブリタニア! オールハイルブリタニア!」」」
ブリタニア万歳コールで盛り上がる中、私は信也が先程の二人で話した時のような愛嬌はないが何処か幼く無邪気な雰囲気とは異なり、公爵の息子として毅然としているが表情は冷たく能面の様な表情で、瞳は冷たく暗い目をしている事に気付いた。先程彼が言った「本当の名前」と言う言葉を思い出し、彼もブリタニアの支配の中で本当の自分を殺して生きている。そんな現実をまざまざと見せつけられた気がした。
そして、一緒に公爵様の楽しくない話を聞く事になった。
(早く終わればいいのに、公爵の話もコイツと居る時間も)
さっき信也と話した時は時間が過ぎるのが早く感じたのに、コイツといると時間がゆっくり流れている様な気がする。何やら話している公爵様の話を全く聞きかず、目は自然とさっき話した信也を探していた。
集まった人混みを探すが、パッと見た感じではいなかった。さすがは公爵様と言うべきか、大勢の人が来ているので見つかるはずもなかった。ちなみにこの時は全く知らなかったが、ミレイ会長も参加しており、この中に居たらしい。
私が周りを見渡している事に気付いたのか、例の金髪が私に小声で声をかけてきた。
「誰か探してるの?」
「友達」
とっさに答えた私の声は自分でも信じられないぐらい冷たく露骨に不快だと言わんばかりの声だった。だが、この金髪は気づかなかったらしい。
「そう。でも探すのは後にした方がいい、公爵様は人を見る目が厳しいらしいから、話してる時にあまりキョロキョロしていると目をつけられるかも知れないよ」
「へぇ~、そうなんですか。詳しいのですね」
「そりゃあ我が家は、かの家との付き合いが深い――(以下省略)」
何やらペラペラと自慢をしているが、それ以前に「こいつもしかして人を見る目の意味を勘違いしてない?」と言う疑惑が浮かんだが、指摘する意味を感じなかったので内心でため息をしつつ聞き流した。
(まただ。なんであの人(継母)もこんな家柄だけのヤツを連れてくるのかな? もう少しまともなのはいなかったの? こんなのと政略結婚してもなんの特にもなんないと思うんだけどなぁ。だいたい、私の結婚相手はお兄ちゃんみたいに頭が良くて頼りになる人って決めてるんだからね!)
などと考えながら公爵様が話してるステージのちょっと横を何気無く見ると、
「ッ!!!」
驚いて叫びそうになるが、声が出る前に手で口を塞ぎなんとか抑えた。私が驚いた理由は、
(なんで? どうして信也はあんな場所にいるの? え? なに、日本人なのに公爵様と親しいの? 別人? そんなわけないわよね。私、目はかなりいいし)
私の頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになった。良く見ると信也は何やらメモを眺めている。彼の口が僅かであるが動いている事から何かは分からないがブツブツと読みあげているようだ。
何してるのかと眺めていると、会場中から拍手がわき起こった事で公爵様の話が終わったのだと気付き、自分も慌てて拍手をする。しかしながら、この後私は公爵様の発言で更に驚かされる事になる。
「シンヤ、次はお前が何か話しなさい。難しいことは言わなくていい。ここにおられる方々はハプスブルク家と縁が深い人々ばかりだ。身内の前だと思い気軽に話なさい」
「はい、養父上。承知致しました」
(えっ!? え! ち、ち? うえぇーーっ!!!?)
声には出さなかったが心の中で驚きの声を上げた。呼ばれた信也は完璧な作法で壇上へ向かって進む。
「皆さん、我が息子はまだ子どもですので多少の失敗は目をつぶってやってください。親としてはできの悪い息子ほど可愛いものでして」
照れながら語る公爵の言葉にドッと会場中が笑うが、私の脳内は驚きと混乱が続いていた。信也は壇上へ上がり、公爵様の隣に立つと深くお辞儀をした。そして、信也の話す内容を聞き更に驚くことになる。
「皆さん始めまして、シンヤ・ハプスブルクです。今日は我が養父のエリア11訪問歓迎の為、たくさんの方々に来ていただき、息子として嬉しく思います。我がハプスブルク家はかつて中世のヨーロッパでは一門で数ヵ国の国王を勤めた程の名家ではありましたが、今日まで家名を絶やすこと無く今の様にブリタニア国内で隆盛を保つ事ができているのは歴代の皇帝陛下の慈悲と皆々様の御助力の賜物です。私は未熟者ではありますが、我が家が歴代皇帝陛下から賜った慈悲や御恩に少しでも報いる為に、そして皇帝陛下の為、ひいては神聖ブリタニア帝国の為に身を粉にして信也公爵家の一員として皇帝陛下につくす覚悟であります。到らぬ所ばかりで、足を引っ張るかもしれませんが、皆々様とともにブリタニア繁栄の為に尽くす所存です。皇帝陛下に! ブリタニア帝国に栄光あれ! オールハイルブリタァーニア!」
「「「オールハイルブリタニア! オールハイルブリタニア! オールハイルブリタニア!」」」
ブリタニア万歳コールで盛り上がる中、私は信也が先程の二人で話した時のような愛嬌はないが何処か幼く無邪気な雰囲気とは異なり、公爵の息子として毅然としているが表情は冷たく能面の様な表情で、瞳は冷たく暗い目をしている事に気付いた。先程彼が言った「本当の名前」と言う言葉を思い出し、彼もブリタニアの支配の中で本当の自分を殺して生きている。そんな現実をまざまざと見せつけられた気がした。