stage29.15:夢のチケット
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と、宣言してみたものの……その日、ルルーシュは休みだった。しかもカレンも休み。
ちなみにシンヤはちゃんと登校していたが、授業中ずーーっと寝てた。
結局、何もできないまま思い悩んで放課後に生徒会室でミレイにいじられる事となった。
「どうしたの、シャーリー。便秘? 二日目?」
「えっ?! 違いますよ!」
「じゃあ、ルルーシュがいなくて寂しいとか?」
ミレイの指摘が当たりではないが、結構近かったのでシャーリーが俯く。
「てゆうか、カレンも一緒に欠席なんです。……また」
ちなみに同じ机で作業をしている信也はおそらくカレンは今頃自宅のベットで爆睡中だと知っているが言う必要がないので何も言わない。
「呑気だねぇ~~。世間は一昨日のナリタ騒ぎで持ち切りだって言うのに、スザク君だってそのせいで狩り出されて今日は休みなのに」
「分かってますよ! でも私にはルルとカレンの方が問題なんですよ!!」
恋に一生懸命なシャーリーをミレイは可愛いと思った。
「フフッ、いいねぇ~。シャーリーは♪ そう言うとこ好きよ?」
「茶化さないで下さいぃ!」
シャーリーがムッ!として封筒でテーブルを叩くとアーサーは驚いて逃げ出した。
「だからさぁ。言っちゃえばいいのにぃ? 『好きです♪』って!」
「えっ!? そんなのダメですよ! そんなの!」
頬を赤くし叫んだシャーリーだが、すぐにモジモジして顔を下げてしまった。
「だって……もし……」
「断られたらど~しよ~う!! 友達でも居られなくなっちゃうかも~……」
シャーリーが言おうとしている事を芝居がかった声で先に言うとミレイは一人で大笑いする。
「……そんなに……笑わ……なくたって……」
シャーリーはますます顔を赤らめながら恥ずかしそうに再び俯いてしまった。
それを見てミレイは笑みを浮かべた後にさっきとは違うマジメな感じの声音で話しかける。
「居心地いいもんねぇ。今の、この場所、この私達って」
「そうなんですよね」
「確かに、不思議なぐらい居心地いいですよね」
ミレイの意見にシャーリーとシンヤも笑顔で同意する。
「でも……少し覚悟しておいた方がいいよ? 変わらないモノなんか、どこにも無いんだから……」
ミレイの言葉にニーナは視線をパソコンに落とし、シャーリーはちょっと悲しげに俯き、シンヤも作業をしていた手が止まった。
なんだか凄く深刻な空気が生徒会室に漂う。
「ゴメン! そんなに深刻そうな顔しないで!」
三人があまりにも落胆したのでミレイは苦笑した。
「あ! ど~しても気になるなら、いっそ本人に聞いてみるってのはどう? ねぇ? その辺どうなのルルーシュ?」
「へぇ?! ルル!」
「しかし、珍しい組み合わせねぇ」
生徒会室のドア近くにルルーシュとソフィが立っていた。
「クラブハウスの前でシンヤを待ってたみたいなんで、どうせ待つなら中に入ればと思いまして」
「お邪魔します、ミレイ会長」
「座って待っといて、旦那の作業はそのうち終わるから」
「だ、旦那って! 別にそう言う……」
凄く嬉しそうなソフィをシャーリーは優しい気持ちとちょっと羨ましいと思いながら見守る。
「でしょ?」
「ん? 俺ですか? ソフィ、悪いな。もう少しで作業終わるから待ってて」
「うん♪」
二人に気を取られてたシャーリーがルルーシュに話し掛ける。
「ルル、今日学校休みだったんじゃあ――」
「ナナリーが熱を出してね。咲世子さんも昼からしか来れないて言うし」
「あっ……そ、そうなんだ。ナナちゃん、もう具合はいいの?」
「まあね」
興味がないのか、急いでいるのか、さらっと会話を終わらせルルーシュは本題に入る。
「会長、例の書類」
「ああ、そこに置いてあるヤツ! 各学年クラス毎に仕分けしといて」
「はいはい。相変わらず人使いが荒いですね」
ルルーシュは指定された書類を持ち上げて生徒会室から出て行こうとする。
ソフィはルルーシュの書類の中に見覚えのある封筒がある事に気付き、声をあげそうになるが頑張って飲み込んだ。
そんなソフィの挙動を見ていたシンヤは、疑問に思ったが後で聞けば良いかと何も言わなかった。
「うふふ。出来る部下を持って幸せ♪」
「部下? フッ、そうなるんですよね」
ルルーシュは肩をすくめて軽く笑いながら生徒会室を去って行った。
ルルーシュが室内からいなくなりシャーリーは肩の力が抜ける。
「会長、心臓に悪いですよぉ~……あれ?!」
シャーリーは大事なモノが手元から無くなっている事に気付いた。
「例の封筒ならルルーシュがプリントと纏めて持って行っちゃったよ?」
「うあ!?」
「まだ渡してないと思ってなかったからーー」
「きゃああぁぁ~~~!!」
ソフィの言葉を最後まで聞かずにシャーリーは顔を赤らめながら全力でルルーシュを追い掛けていった。
「ん? 何々?」
「さぁ~、何でしょう♪」
「まあ、何でもいいけど。ソフィ」
「なに?」
「お前、わざと見逃しただろ?」
「アハ♪ バレちゃった♪ あれくらいのきっかけがないとシャーリーは前に踏み出せ無いタイプでしょ? だからね」
「それは……まあ、確かにな……」
「さて、うまく渡せるかなぁ?」
「?」
シンヤがちょっと眠そうな顔を向けてソフィに説明を求めたが、彼女は笑顔でごまかした。
少し意地悪をしてしまったが、ソフィは純粋にシャーリーの恋が成就する事を願っている。
「ルル~!!」
「なんだ、シャーリー」
「その書類の中に、私の手紙混ざってない?」
「え? ああ……悪い」
ルルーシュは手紙を渡すが、シャーリーは俯いて何か考えておりすぐには受け取らない。ルルーシュが疑問に感じていると、シャーリーは顔を上げて決心した様な表情で話す。
「ルル!」
「はい!」
シャーリーの凄く真剣な声に、ルルーシュも思わず真剣に返事をした。シャーリーは一瞬言葉に詰まった後に勢いで話し出す。
「あの、お父さん単身赴任してて、私のご機嫌取りにって! よくこう言うの送ってくるの! それで……なんだけど……」
「? 何これ?」
「コンサートのチケット! よかったら一緒にどうかな?」
「あ、ありがとう」
「私! 待ってるから! それじゃあ!」
「お、おい!」
急な展開に慌てているルルーシュを置いて、シャーリーは赤面しながらその場を走り去った。
シャーリーはルルーシュから離れた後、人目につかない場所に隠れて声を上げる。
「やっちゃったぁ!! やっちゃったよ、私!」
遂にルルーシュにコンサートのチケットを渡す事ができた。
「来てくれるよねぇ? 嫌だって言われなかったし……」
受け取ったルルーシュに「ありがとう」と言われたからおそらく大丈夫だろう。
「そ、それに一緒にコンサートに行くだけだもん! でもチャンスだし……」
あくまで一緒にコンサートへ行くだけだが、デートである事はほぼ間違いないし、二人きりなのだからこれは関係を進めるチャンスである。そして、その機会を作ってくれたのは父だ。
「ありがとう、お父さん」
シャーリーは遠くにいる父に心からの感謝を述べた。
ちなみにシンヤはちゃんと登校していたが、授業中ずーーっと寝てた。
結局、何もできないまま思い悩んで放課後に生徒会室でミレイにいじられる事となった。
「どうしたの、シャーリー。便秘? 二日目?」
「えっ?! 違いますよ!」
「じゃあ、ルルーシュがいなくて寂しいとか?」
ミレイの指摘が当たりではないが、結構近かったのでシャーリーが俯く。
「てゆうか、カレンも一緒に欠席なんです。……また」
ちなみに同じ机で作業をしている信也はおそらくカレンは今頃自宅のベットで爆睡中だと知っているが言う必要がないので何も言わない。
「呑気だねぇ~~。世間は一昨日のナリタ騒ぎで持ち切りだって言うのに、スザク君だってそのせいで狩り出されて今日は休みなのに」
「分かってますよ! でも私にはルルとカレンの方が問題なんですよ!!」
恋に一生懸命なシャーリーをミレイは可愛いと思った。
「フフッ、いいねぇ~。シャーリーは♪ そう言うとこ好きよ?」
「茶化さないで下さいぃ!」
シャーリーがムッ!として封筒でテーブルを叩くとアーサーは驚いて逃げ出した。
「だからさぁ。言っちゃえばいいのにぃ? 『好きです♪』って!」
「えっ!? そんなのダメですよ! そんなの!」
頬を赤くし叫んだシャーリーだが、すぐにモジモジして顔を下げてしまった。
「だって……もし……」
「断られたらど~しよ~う!! 友達でも居られなくなっちゃうかも~……」
シャーリーが言おうとしている事を芝居がかった声で先に言うとミレイは一人で大笑いする。
「……そんなに……笑わ……なくたって……」
シャーリーはますます顔を赤らめながら恥ずかしそうに再び俯いてしまった。
それを見てミレイは笑みを浮かべた後にさっきとは違うマジメな感じの声音で話しかける。
「居心地いいもんねぇ。今の、この場所、この私達って」
「そうなんですよね」
「確かに、不思議なぐらい居心地いいですよね」
ミレイの意見にシャーリーとシンヤも笑顔で同意する。
「でも……少し覚悟しておいた方がいいよ? 変わらないモノなんか、どこにも無いんだから……」
ミレイの言葉にニーナは視線をパソコンに落とし、シャーリーはちょっと悲しげに俯き、シンヤも作業をしていた手が止まった。
なんだか凄く深刻な空気が生徒会室に漂う。
「ゴメン! そんなに深刻そうな顔しないで!」
三人があまりにも落胆したのでミレイは苦笑した。
「あ! ど~しても気になるなら、いっそ本人に聞いてみるってのはどう? ねぇ? その辺どうなのルルーシュ?」
「へぇ?! ルル!」
「しかし、珍しい組み合わせねぇ」
生徒会室のドア近くにルルーシュとソフィが立っていた。
「クラブハウスの前でシンヤを待ってたみたいなんで、どうせ待つなら中に入ればと思いまして」
「お邪魔します、ミレイ会長」
「座って待っといて、旦那の作業はそのうち終わるから」
「だ、旦那って! 別にそう言う……」
凄く嬉しそうなソフィをシャーリーは優しい気持ちとちょっと羨ましいと思いながら見守る。
「でしょ?」
「ん? 俺ですか? ソフィ、悪いな。もう少しで作業終わるから待ってて」
「うん♪」
二人に気を取られてたシャーリーがルルーシュに話し掛ける。
「ルル、今日学校休みだったんじゃあ――」
「ナナリーが熱を出してね。咲世子さんも昼からしか来れないて言うし」
「あっ……そ、そうなんだ。ナナちゃん、もう具合はいいの?」
「まあね」
興味がないのか、急いでいるのか、さらっと会話を終わらせルルーシュは本題に入る。
「会長、例の書類」
「ああ、そこに置いてあるヤツ! 各学年クラス毎に仕分けしといて」
「はいはい。相変わらず人使いが荒いですね」
ルルーシュは指定された書類を持ち上げて生徒会室から出て行こうとする。
ソフィはルルーシュの書類の中に見覚えのある封筒がある事に気付き、声をあげそうになるが頑張って飲み込んだ。
そんなソフィの挙動を見ていたシンヤは、疑問に思ったが後で聞けば良いかと何も言わなかった。
「うふふ。出来る部下を持って幸せ♪」
「部下? フッ、そうなるんですよね」
ルルーシュは肩をすくめて軽く笑いながら生徒会室を去って行った。
ルルーシュが室内からいなくなりシャーリーは肩の力が抜ける。
「会長、心臓に悪いですよぉ~……あれ?!」
シャーリーは大事なモノが手元から無くなっている事に気付いた。
「例の封筒ならルルーシュがプリントと纏めて持って行っちゃったよ?」
「うあ!?」
「まだ渡してないと思ってなかったからーー」
「きゃああぁぁ~~~!!」
ソフィの言葉を最後まで聞かずにシャーリーは顔を赤らめながら全力でルルーシュを追い掛けていった。
「ん? 何々?」
「さぁ~、何でしょう♪」
「まあ、何でもいいけど。ソフィ」
「なに?」
「お前、わざと見逃しただろ?」
「アハ♪ バレちゃった♪ あれくらいのきっかけがないとシャーリーは前に踏み出せ無いタイプでしょ? だからね」
「それは……まあ、確かにな……」
「さて、うまく渡せるかなぁ?」
「?」
シンヤがちょっと眠そうな顔を向けてソフィに説明を求めたが、彼女は笑顔でごまかした。
少し意地悪をしてしまったが、ソフィは純粋にシャーリーの恋が成就する事を願っている。
「ルル~!!」
「なんだ、シャーリー」
「その書類の中に、私の手紙混ざってない?」
「え? ああ……悪い」
ルルーシュは手紙を渡すが、シャーリーは俯いて何か考えておりすぐには受け取らない。ルルーシュが疑問に感じていると、シャーリーは顔を上げて決心した様な表情で話す。
「ルル!」
「はい!」
シャーリーの凄く真剣な声に、ルルーシュも思わず真剣に返事をした。シャーリーは一瞬言葉に詰まった後に勢いで話し出す。
「あの、お父さん単身赴任してて、私のご機嫌取りにって! よくこう言うの送ってくるの! それで……なんだけど……」
「? 何これ?」
「コンサートのチケット! よかったら一緒にどうかな?」
「あ、ありがとう」
「私! 待ってるから! それじゃあ!」
「お、おい!」
急な展開に慌てているルルーシュを置いて、シャーリーは赤面しながらその場を走り去った。
シャーリーはルルーシュから離れた後、人目につかない場所に隠れて声を上げる。
「やっちゃったぁ!! やっちゃったよ、私!」
遂にルルーシュにコンサートのチケットを渡す事ができた。
「来てくれるよねぇ? 嫌だって言われなかったし……」
受け取ったルルーシュに「ありがとう」と言われたからおそらく大丈夫だろう。
「そ、それに一緒にコンサートに行くだけだもん! でもチャンスだし……」
あくまで一緒にコンサートへ行くだけだが、デートである事はほぼ間違いないし、二人きりなのだからこれは関係を進めるチャンスである。そして、その機会を作ってくれたのは父だ。
「ありがとう、お父さん」
シャーリーは遠くにいる父に心からの感謝を述べた。