stage33.92:魔女の忠告
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さすがに仲間にやり過ぎだとカレンがC.C.を注意する。
「なに仲間蹴り飛ばしてんのよ!」
「下品な男は嫌いだ」
「だからって死んじゃうでしょ!」
「そう言いつつお前も車を止めないな」
C.C.の指摘にカレンは一瞬固まってしまう。
「そ、それは……受け渡しの時間が迫ってるから……」
それもまた事実なのだが、玉城が転げ落ちた直後に拾ってから向かえばよかったので結構苦しい言い訳である。
「だったら構わないだろ? 女同士楽しいドライブといこうじゃないか」
「任務ですから楽しい必要はないと思います」
「面倒な女だ。お前だってゼロの素顔を知りたい癖に」
「えっ!?」
突然どこからともなくあらわれてゼロに一番信頼されているC.C .。急激にゼロとの関係を深めている信也。
このゼロの素顔を知る二人は黒の騎士団内でも側近と客将として特別視されている。
カレンは最近になってゼロの側近として地位やら信頼やらがドンドン低下しているように感じずにはいられない。自分はゼロの素顔すら知らないのだから――。カレンはその辺の複雑な気持ちを飲み込んでC.C.の言葉を否定する。
「……別に、彼がどんな顔をしていようと、私の心は変わりません!」
「そうか、ゼロが好きなのか」
「ふえっ!?」
カレンは再び急ブレーキを踏んでしまい、車は再び急停車した。
「おい! しっかり運転しろ!」
「あなたが変な事言うからです!」
「ではやはり真田信也が好きなのか?」
「ぬわぁ!?」
今度は発進直後に急停車。
「ちゃんと運転しろ」
「だから! あなたが変な事を言うから!」
「では二人とも嫌いなのか?」
「そんな事言ってません!!」
「なんだ、やっぱり好きなのか」
「そうじゃなくて、あなた0か1しかないの?」
「お前にはゼロ(ルルーシュ)とイチ(信也)の二人だけで事足りるだろ?」
「変なこじつけで言葉遊びしないで!」
C.C.はしばらく考えるような素振りを見せた後に納得する。
「なんだ、二人以外に好きな男がいるのか」
「ど、どどど、ど~してそうなるんですか!?」
「ゼロとイチだけでは困るのだろ?」
「そう言う意味じゃなくて!」
「なんだハッキリしない女だな」
カレンは質問の矛先を必死にそらそうとする。
「わ、私の事より、あなたはどうなんですか? ゼロが好きなの? それとも……その……」
「体だけの関係か?」
「やっぱり愛人!?」
カレンは顔を嫌そうに引き攣らせるが、C.C. は淡々としている。
「いや、一言で言えば共犯者だ」
「そんなの私だって! 黒の騎士団はみ~んなゼロの共犯者よ!」
「違うな、私はゼロと言う存在そのものの共犯者」
カレンの脳内で何かが「ピキッ!」と鳴った。
「何それ、自分は一番ゼロに近いって自慢?」
「いや、アイツは最も大切な女は巻き込まない。私は範疇外ということだ」
「………」
カレンはC.C.の言葉に考え込んでしまう。ゼロが大切な女性を巻き込まない、と言う事は確かにC.C.は範疇外と言う事になる。だがそれは同時にゼロにとっては自分も範疇外だということだ。それはどうなのだろうと悩むと共にもう一つ思うのは、ゼロだけでなく信也はどうなのか気になるところだ。もしかしたら信也にとってもカレンは……
「信也はどうなのだろうなぁ?」
「!?」
此方を心を見透かしたようなC.C.の言葉に、カレンは動揺を隠しきれず体を一瞬ビクッと震わせた。
カレンはC.C.からの視線を感じていたが、暫くするとC.C.は微笑をうかべた。
「フン、アイツは甘いのだ」
「……どう言う意味ですか?」
「アイツは解っていないのだ。本当に守りたいものは多少相手の意思を曲げてでも遠ざけておくべきだ、と言うことをな……」
「え?」
カレンはC.C.の方に視線を送り、どう言う意味か説明を求めるとC.C.は何処か疲れたような口調で説明してくれた。
「アイツはただ誰かに守られるだけの《飼い殺し》にされる人生がどれだけ苦痛かよく知っている。だからどれだけ守りたい相手でも《自分の思惑で相手の意思を捩曲げる》事を嫌う。まあ、無意識にしているのだろうがな」
「……」
「そんなあまい考えで誰かを守ろうとするから、ああ言うややこしい性格と行動になる」
「……叩いてもいいですか?」
「お断りだ。それに私はアイツの生き方を批判したつもりはない」
「え?」
カレンにはちょっと意外だった。てっきりC.C.は信也の生き方をバカにしてると思ったからだ。
「大切な誰かを守りたい。でも大切な誰かの意思を尊重した。自分の善意を押し付けたくない。相手にも意思があるのだから相手を大切に思うなら当然だろ?」
「それは……まあ……」
カレンも自分を大切にしてくれた兄の望みとは違う生き方をしている。兄ナオトはカレンが戦いの場に身を置くことは望んでいなかった。
「そんな甘い考えで本当に失いたくないものを守れるつもりでいるのか、と聞きたくなるが……」
C.C.はまた微笑をうかべる。
「ああ言う生き方は嫌いではない」
「……」
「安心しろ。お前が思っている以上にアイツはお前の事を気にかけ大切にしている。私が保証してやる」
「えっ!? べ、別に……そんな事を保証されても……」
「アイツでは不満か?」
「そんな事言ってません!」
「ではどうしたいのだ? このまま中途半端な距離を保つつもりか?」
「それは……」
聞かれたからと言って急に決められるはずもないし、
「それにあなただってゼロとの関係は……契約って言っても恋人でも友人でもないんでしょ? 中途半端はお互い様じゃないですか!」
結論、カレンは答えが出せず話をそらした。
「さっきも言っただろ? 私とゼロは共犯者でただの契約。それだけの関係だ」
「…………」
「契約はいい。友情や恋と違って明確だからな。それ以上でも以下でもない」
「寂しくないの? そんなの……」
「お前は知らないのだ。本当に寂しいと言うのがどう言う事か」
「C.C.、あなた……」
「フン! 喋りすぎたか、忘れろ今の話は」
「そんな勝手なぁ……」
言うだけ言っておいて忘れろはないだろうと思うが、
「その代わり、お前がゼロに惚れている事は黙っててやる」
「ナッ!? 私はそんなふしだらな動機じゃなく、純粋にゼロを尊敬して!」
カレンはC.C.は言葉に焦って反応して動揺してしまってムキになったが、そんな彼女にC.C.は更に畳み掛けてきた。
「わかったわかった。ゼロは尊敬なのだな?では信也は何なのだ?」
「そ、それは……信也は組織こそ違うけどブリタニアと戦う仲間で、学園では生徒会でも一緒で、信頼ができる存在で……私にとって…」
「私にとって?」
「その……彼は……」
明確な答えがなく答えに詰まり、C.C.に向けていた視線を下げて俯いてしまう。
「前」
「え? あっ……」
ガッシャーン!!
遂にぶつけてしまった。
「なに仲間蹴り飛ばしてんのよ!」
「下品な男は嫌いだ」
「だからって死んじゃうでしょ!」
「そう言いつつお前も車を止めないな」
C.C.の指摘にカレンは一瞬固まってしまう。
「そ、それは……受け渡しの時間が迫ってるから……」
それもまた事実なのだが、玉城が転げ落ちた直後に拾ってから向かえばよかったので結構苦しい言い訳である。
「だったら構わないだろ? 女同士楽しいドライブといこうじゃないか」
「任務ですから楽しい必要はないと思います」
「面倒な女だ。お前だってゼロの素顔を知りたい癖に」
「えっ!?」
突然どこからともなくあらわれてゼロに一番信頼されているC.C .。急激にゼロとの関係を深めている信也。
このゼロの素顔を知る二人は黒の騎士団内でも側近と客将として特別視されている。
カレンは最近になってゼロの側近として地位やら信頼やらがドンドン低下しているように感じずにはいられない。自分はゼロの素顔すら知らないのだから――。カレンはその辺の複雑な気持ちを飲み込んでC.C.の言葉を否定する。
「……別に、彼がどんな顔をしていようと、私の心は変わりません!」
「そうか、ゼロが好きなのか」
「ふえっ!?」
カレンは再び急ブレーキを踏んでしまい、車は再び急停車した。
「おい! しっかり運転しろ!」
「あなたが変な事言うからです!」
「ではやはり真田信也が好きなのか?」
「ぬわぁ!?」
今度は発進直後に急停車。
「ちゃんと運転しろ」
「だから! あなたが変な事を言うから!」
「では二人とも嫌いなのか?」
「そんな事言ってません!!」
「なんだ、やっぱり好きなのか」
「そうじゃなくて、あなた0か1しかないの?」
「お前にはゼロ(ルルーシュ)とイチ(信也)の二人だけで事足りるだろ?」
「変なこじつけで言葉遊びしないで!」
C.C.はしばらく考えるような素振りを見せた後に納得する。
「なんだ、二人以外に好きな男がいるのか」
「ど、どどど、ど~してそうなるんですか!?」
「ゼロとイチだけでは困るのだろ?」
「そう言う意味じゃなくて!」
「なんだハッキリしない女だな」
カレンは質問の矛先を必死にそらそうとする。
「わ、私の事より、あなたはどうなんですか? ゼロが好きなの? それとも……その……」
「体だけの関係か?」
「やっぱり愛人!?」
カレンは顔を嫌そうに引き攣らせるが、C.C. は淡々としている。
「いや、一言で言えば共犯者だ」
「そんなの私だって! 黒の騎士団はみ~んなゼロの共犯者よ!」
「違うな、私はゼロと言う存在そのものの共犯者」
カレンの脳内で何かが「ピキッ!」と鳴った。
「何それ、自分は一番ゼロに近いって自慢?」
「いや、アイツは最も大切な女は巻き込まない。私は範疇外ということだ」
「………」
カレンはC.C.の言葉に考え込んでしまう。ゼロが大切な女性を巻き込まない、と言う事は確かにC.C.は範疇外と言う事になる。だがそれは同時にゼロにとっては自分も範疇外だということだ。それはどうなのだろうと悩むと共にもう一つ思うのは、ゼロだけでなく信也はどうなのか気になるところだ。もしかしたら信也にとってもカレンは……
「信也はどうなのだろうなぁ?」
「!?」
此方を心を見透かしたようなC.C.の言葉に、カレンは動揺を隠しきれず体を一瞬ビクッと震わせた。
カレンはC.C.からの視線を感じていたが、暫くするとC.C.は微笑をうかべた。
「フン、アイツは甘いのだ」
「……どう言う意味ですか?」
「アイツは解っていないのだ。本当に守りたいものは多少相手の意思を曲げてでも遠ざけておくべきだ、と言うことをな……」
「え?」
カレンはC.C.の方に視線を送り、どう言う意味か説明を求めるとC.C.は何処か疲れたような口調で説明してくれた。
「アイツはただ誰かに守られるだけの《飼い殺し》にされる人生がどれだけ苦痛かよく知っている。だからどれだけ守りたい相手でも《自分の思惑で相手の意思を捩曲げる》事を嫌う。まあ、無意識にしているのだろうがな」
「……」
「そんなあまい考えで誰かを守ろうとするから、ああ言うややこしい性格と行動になる」
「……叩いてもいいですか?」
「お断りだ。それに私はアイツの生き方を批判したつもりはない」
「え?」
カレンにはちょっと意外だった。てっきりC.C.は信也の生き方をバカにしてると思ったからだ。
「大切な誰かを守りたい。でも大切な誰かの意思を尊重した。自分の善意を押し付けたくない。相手にも意思があるのだから相手を大切に思うなら当然だろ?」
「それは……まあ……」
カレンも自分を大切にしてくれた兄の望みとは違う生き方をしている。兄ナオトはカレンが戦いの場に身を置くことは望んでいなかった。
「そんな甘い考えで本当に失いたくないものを守れるつもりでいるのか、と聞きたくなるが……」
C.C.はまた微笑をうかべる。
「ああ言う生き方は嫌いではない」
「……」
「安心しろ。お前が思っている以上にアイツはお前の事を気にかけ大切にしている。私が保証してやる」
「えっ!? べ、別に……そんな事を保証されても……」
「アイツでは不満か?」
「そんな事言ってません!」
「ではどうしたいのだ? このまま中途半端な距離を保つつもりか?」
「それは……」
聞かれたからと言って急に決められるはずもないし、
「それにあなただってゼロとの関係は……契約って言っても恋人でも友人でもないんでしょ? 中途半端はお互い様じゃないですか!」
結論、カレンは答えが出せず話をそらした。
「さっきも言っただろ? 私とゼロは共犯者でただの契約。それだけの関係だ」
「…………」
「契約はいい。友情や恋と違って明確だからな。それ以上でも以下でもない」
「寂しくないの? そんなの……」
「お前は知らないのだ。本当に寂しいと言うのがどう言う事か」
「C.C.、あなた……」
「フン! 喋りすぎたか、忘れろ今の話は」
「そんな勝手なぁ……」
言うだけ言っておいて忘れろはないだろうと思うが、
「その代わり、お前がゼロに惚れている事は黙っててやる」
「ナッ!? 私はそんなふしだらな動機じゃなく、純粋にゼロを尊敬して!」
カレンはC.C.は言葉に焦って反応して動揺してしまってムキになったが、そんな彼女にC.C.は更に畳み掛けてきた。
「わかったわかった。ゼロは尊敬なのだな?では信也は何なのだ?」
「そ、それは……信也は組織こそ違うけどブリタニアと戦う仲間で、学園では生徒会でも一緒で、信頼ができる存在で……私にとって…」
「私にとって?」
「その……彼は……」
明確な答えがなく答えに詰まり、C.C.に向けていた視線を下げて俯いてしまう。
「前」
「え? あっ……」
ガッシャーン!!
遂にぶつけてしまった。